リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

BWV1006a(9)

2024年07月14日 13時02分11秒 | 音楽系

2)7,8小節は4コースのファから一気に2オクターブ駆け上がるフレーズです。ここは相当ポジションを工夫しないとなめらかには弾けません。ここを音がブツ切れでよたって弾いていてはリュート奏者が廃ります。カッコよく一気に2オクターブ上まで行きましょう。

カンパネラ式の動きがポイント。10フレット以上での音階はバレをしないと指が弦から外れがちになります。7小節目の3拍目冒頭では、2拍目の3つ目の1の指を10フレットに持っていきバレ、8小節目の1拍目で一時的にバレを外しますが、2拍目以降はまたバレをして12フレットまで駆け上がります。

3)9,10小節:9小節目の最初のファと次のドは1コースで弾いてスラーにしたいところです。

※この図版と次の図版の右指使いが間違っていました。2拍目の3つ目の指は人差し指(・)です。

ただ残念ながら私の指のスパンが足りないので次のようにしました。


ホピーは上のポジションで弾いていますが、彼の左手は私よりかなり大きいです。


10小節目はこんな感じです。

いろんなポジションが考えらますが、出てくるファは開放弦を使ったものにしました。2,3拍目は左指が開放弦に当たりがちでとても弾きにくい所ですが、ファを3コースでとった場合よりはマシかなという感じです。

このポジションだと水色の部分のポジション移動が少し危ないです。こういうときは2つのポジションを何回も弾きくらべて決定します。