スウェーデン語で J の発音は英語と同じだそうで、私はてっきりドイツ語と同じだと思っていました。文豪Goetheを ゲーテとする表記はすでに定着していますので、オーウムラウトは「エ」もしくは「エー」になるようです。したがってラースの名字Jönsson の日本語表記はイェンソンではなくジェンソンになると思います。
彼の名字の発音を教えてもらいながら階下に降りて、そこに鎮座まします私のアッティオルバートと対面です。実は3月に日本で対面していますので初対面ではありません。輸送中に少し楽器が損傷したので修理に返送したのですが、エヴァンジェリナの楽器のあとに作業をするとのことでしたので、完成は11月頃になるとの連絡を受けていました。
実際には作業がはかどったようで9月にはあがりました。今度は直接取りに行くことにしていたのですが(ラースに直接お目にかかりたかったし)私の時間が取れず今回のストックホルム行きに相成った次第。
リブは31枚、弦長63cm / 88cm、「マテオ・セラス」モデルです。オールシングル弦仕様の14コースです。フレットは14フレットまで貼ってもらいました。
弦は私が送ったものを張ってもらいました。1から3コースがガムート社のナイロン弦、4コース以下はサヴァレスのKF(カーボン)という構成でしたが、6コース以下は失敗でした。弦長が短いとこの類の弦はうまく鳴りません。ホテルで弾いていたら耳が多少は慣れてはきましたが。(笑)
日本に戻ったら、6コース以下をテオルボと同じ構成(6-8コースを銅巻き線、9コース以下をアキラのCDL弦)かいっそのこと6コース以下はすべて金属巻き線にしてみようかと思います。9コース以下のロングレンジ弦は88cmしかないのでCD弦にしても切れないかも知れません。
美しいです。ロゼッタの精緻さ、リブはイチイでしょうか、細かく黒檀の挟みとの均整さ、輝き、とても美しいです。音色まで深く響きわたるような感触が伝わってくるようです。これほどの楽器は、現在のユーロ高もあり、さぞ値段も張るのではないでしょうか。
ラースさんも、前記事でも拝見させていただきましたが、年齢的にこれが最後なのでしょうかね、次第に名工が引退されていくのは実に寂しいものです。これからも若手の有望製作家が演奏家の積極的な使用で見出されて出てくるのかもしれませんが。
あのニコさんもまだご健在の記事を他の記事で見たこともありますが、製作はもうされていないのでしょうかねえ。。
私もいわゆる欧州物の著名バロックリュートを所有はしてますが、倅が興味あるわけでもなく、間違いなく継承する者は親族1人もいません。まだ断捨離するつもりはないですが、いずれは真摯な愛好家に譲るしかないなと達観しています。
とにかく大事に使い続ける意思を、先生の出来上がったすばらしいリュートの写真を見ていて、思いを強くしました。
帰国後のこの楽器での先生の演奏会を楽しみにされてるファンの皆様に、その音色を響き渡らせてください!!