チラシが何枚か届きました。その中のひとつ、9月の後半に名古屋市の伏見で開催されるコンサートチラシに目がいってしまいました。演奏は2011年に結成されたプロの古楽団体とのことですが、ちょっと突っ込みを入れたくなるような内容です。
まぁ演奏はまだ聴いていないし上手かも知れないのでそれについては何も言えません。でも70年代の古楽復興黎明期からすでに半世紀たっているという視点でチラシを見ると少し違和感を感じてしまいます。
プログラムは「シェイクスピアの世界を音楽で紡ぐ」曲目です。シェークスピアよりずっと後の時代で一見シェークスピアとのつながりがなさそうな作品「パーセル/妖精の女王」からの抜粋が入っていますが、実はこの作品はシェークスピア作品との関連があるのでこれはプログラムに広がりを持たせるとてもいい選択でしょう。
でも「モーリー/蛙のガリアルダ」という曲目がありますがこれはどうなんでしょう。他にもモーリーの作品を演奏予定のようですが、これらは多分モーリーのコンソート・レッスンズからでしょう。でも「蛙の・・・」は作曲者はジョン・ダウランドです。リュートソング集第1巻のNow,O now I needs must partのリュートソロ版でとても有名な曲です。コンソートレッスンズに所収されている「蛙の・・・」はモーリーがブロークン・コンソート用に編曲をしたものです。この曲をモーリーの作曲だと本当に思っているのでしょうか、いまどき。1959年刊で私が70年代始めに手に入れた現代譜には確かに作曲者として「Thomas Morley?」とあるのでそれを根拠にしたのかも知れません。でもチラシを見た人はの「蛙のガリアルダ」の作曲者はトマス・モーリーだと理解してしまいます。
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