寄り道 まわり道 遠くへ行く道

新しいことを見つけるって楽しい!

手のひらの音符

2018年01月30日 | レビュー
手のひらの音符 (新潮文庫)
藤岡陽子
新潮社


この人の本、初めて読みました。
近所の本屋をうろうろしていたら、本屋さんのコメントがついたこの本が目に留まり、買ってきました。
最近は本屋さんのつけるポップに非常に秀逸なものがありますよね。本を選ぶときに助かってます。

人間っていうのはいろんな人の言葉に支えられているんだなということを思いました。
その人が死んでしまっても、言葉は残り、残された人の中でまた育つということを感じました。


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こわいもの知らずの病理学講義

2018年01月17日 | レビュー
こわいもの知らずの病理学講義
仲野徹
晶文社


今年最初の本は「こわいもの知らずの病理学講義」。仲野徹先生の本です。
わたしの大学では病理学の講義はないですが、病気やその診断の勉強はするし、病理組織を扱う実習もあるので、この本は授業改善のために大変参考になりました。まず概念をしっかり理解し、根幹を身につけてから枝葉について覚えていくというやり方をもっと意識してやっていこうと思います。概念の叩き込みが足りないことが「個別の事象を次々覚えて試験は何とかやり過ごせるけど、1か月たったら全部忘れている」という、典型的な学生を生み出すことにつながってるかもな~と思いました。最近はかなり諦めが入ってたんですが、新学期に向けてしっかり準備していきたいと思います。今年はカリキュラムが変わったので、新しい組み立てを考えてみます。

さてこの本ですが、一般向けらしいんですけど、たしかに一般の方がこれを読んだらかなり病気になった時に役に立つなと思いますけど、すんなり読むのは難しいかも?口調は軽いんですけど、中身はかなり骨太です。うちの学生、読めるかな??今度2年生の講義で紹介してみましょう。

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隠れ疲労

2017年12月25日 | レビュー
隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体 (朝日新書)
梶本修身
朝日新聞出版


私は忙しい割に「ぐったり疲れてだるい。動けない。」みたいにはならないのですが、周りにはこういう人が多い(主に学生)ので、そういう人に勧めようかなと思って読んでみました。
私は生理学を教える立場なので、この本に書いてあることはあまり新しくないというか、改めて確認したという感じではありますが、簡単にまとめると「あらゆる疲労は神経の疲弊からくるものだ」ということでした。だから、疲労から回復するには神経を休めることだ、そのためには質の良い睡眠を心がけることが大事、と。

体の調子は自律神経が支配しているのですから、自律神経が機嫌よく働けるようにしてやるのが一番しんどくない生き方ということになります。わたしの持論は

毎日同じ時間に起きる

ということですが、同じことがこの本にも書いてありました。
体の調子を整えればおのずといろんなことがうまく動き出すのですから、あれこれ試す前にまずこれをやってみたら、と思うのですが、学生を見ていると意外になかなか難しいみたいですね。
わたしはとにかく夜寝る時間に関係なく、朝は同じ時間に起きてます。




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スタンフォードのストレスを力に変える教科書

2017年09月25日 | レビュー
意志力について強い示唆を与えてくれた「スタンフォードの自分を変える教室」の著者がストレスといかに向き合うかを説いた本。

スタンフォードのストレスを力に変える教科書
ケリー・マクゴニガル
大和書房


アドラーの心理学にもつながると思うんですが、物事が起こった時に自分がそれをどうとらえるか、によってそのことから生まれる結果が異なってくるということです。辛い経験の中に意味を見いだせるかどうかで、将来の耐性や幸福度が変わってくる。わたしは、著者の考え方に非常に納得いくものを感じましたが、同時に、著者も書いているようにこれは自分に向き合う場合に当てはめるのはいいが、他人にアドバイスするには注意の要ることだという視点を持っていなければいけないと感じました。ですから、この本を読んで自分自身が「納得できる」と思われる場合には、非常に意義があるけれど、誰かに無理強いしてはいけません。

この本を読んで、私がこれは有効だ、実践したい、と感じたのは、「自分が大事にしたいと考えている価値観を忘れないように、いつも思い出せるようにしよう」というところです。とくに、具体的に言葉として挙げられているものの中から、自分が大事にしたいと思えるものを選ぶエクササイズがあり、これによって自分の思いを見直すことができました。さらに、最近わたしは組織や社会の中で、自分が利他的にものを考え、社会や組織としての大きな目標をもとうとすることについて、そんなことは無駄ではないのか?とか、自分がどんなに利他的に考えて行動しても誰も感謝をするわけでもないし、逆にそのような行動や配慮に気が付いてくれる人はないではないか?と思ったりして失望し、もうそのような行動はやめてしまおうか?自分が消耗するだけではないか、と思ったりしていたのですが、思いとどまることができました。著者の研究結果によれば、利他的な行動や社会的に大きな目標をもつことは、自分自身の高いパフォーマンスを引出し、ストレス耐性を産み、より遠く・高みへ到達する力となるということが示されていて、私は自分の価値観に希望を持つことができたのです。

ちなみに、私が選び、そして書き出した言葉は以下の3つです。
【感謝】【情熱】【喜び】
チャレンジとか勇気とかも惹かれましたが、選んだのはこの3つでした。
再確認したというか思い出したというか、以前はもっと意識していたのに、最近投げ出しそうになっていたのです。でも、とにかく思い出しました。
ここにもしばしば書いていますが、やはり「言葉」というのは大切ですね。
自分の意識・思索を明確にし、目の前にはっきりと見せてくれるのが「言葉」です。
手帳にも貼りましたが、これらの言葉はいつも見えるようにしておきたいと思っています。








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水木サンの幸福論

2017年09月16日 | レビュー
鹿児島の獣医学会から戻りました。
道中読んだ本。

水木サンの幸福論 (角川文庫)
水木しげる
角川書店


実は、古本屋で水木しげる氏の本を見つけたら全て買う、ということにしております。
この本も、「すべての日本人に読んでもらいたい!」と思うくらいすばらしかったです。水木しげるさんは、とても豊かな子ども時代を過ごしておられて、それが後年才能を開花させる基礎となったことは間違いありません。今の世であれば、もしかしたらへし折られたかもしれない特異な力が、そのまままっすぐに伸ばされたことは本当にすごいことだと思います。ひるがえって、現代の私たちは、子どもの育て方について少し考え直さなければならない部分もあるのではないか、と思わされます。また、わたしは水木さんの妖怪の絵は怖いなあと思って幼少時代には鬼太郎のアニメくらいしか見てなかったと思いますが、妖怪について膨大な資料を集めて研究され、それを漫画として表現されたのだということが、この本を読んだらよくわかりました。もし水木さんがあれほど妖怪に固執されなかったら、今の私たちは妖怪についてほとんど知らなかったんじゃないか?と思えるくらいです。たぶん、断言してもいいと思いますが、私の世代の人であれば、ぬりかべも子泣きじじいも、みな同じ絵を思いうかべるはず。そして、他の本でも必ず出てきますが、戦争の話が非常に印象的です。水木さんのラバウル戦記とともに、ぜひ多くの方に読んでもらいたい本です。


死ぬほど読書 (幻冬舎新書)
丹羽宇一郎
幻冬舎


空港で目に留まって買った本。
学生に読んでもらいたい本ですね。
読書することの意義、について非常に明確にしてくれる本です。
本なんか読まなくても困らないさ、と思う人はぜひ読んでみてください。



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本を読む日々

2017年09月06日 | レビュー
忙しすぎる日々を過ぎ、ちょっと余裕ができました。
学会や公開講座のスライドを作り、講義の用意を始め、論文の査読をしつつなので軽い本ばかりですが、最近読んだ本。全部大学の図書館にあったので読んでみた本です。
朝井リョウさんは、映画の「何者」をWOWOWでやるというので、本も読んでみようかなと思ったら図書館になくて(貸出中)、しょうがないのでこれ↓を読みました。

少女は卒業しない (集英社文庫)
朝井リョウ
集英社


ちょっと既視感のあるストーリーで、どこかで読んだようなって感じなのと、びっくりするような気持ちの掘り下げとかもなかったので、文体は軽いのに読むのにやや力がいりました。高校生~大学生ならたぶんさらっと読めちゃうでしょう。しかしこれを読んでる間に「何者」を映画で見て、それはよかったですね。映画評はよくなかったんだけど、就活大学生を毎年見てる身としては、とてもとてもよく理解でき、つらさが身に染みました。

瀬尾まいこさんはこの間も書いたように「気持ち」を丁寧に掘り下げる人。
今回読んだ2冊もよかったです。しかしたぶんこれまで読んだ中では「幸せな食卓」、か「卵の緒」、が私は特に好きですね。

図書館の神様 (ちくま文庫)
瀬尾まいこ
筑摩書房


天国はまだ遠く (新潮文庫)
瀬尾まいこ
新潮社


もっと本を読みたい。
暇な時にうっかりネットサーフィンに時間をかけちゃったりすると後で本当に悔やむ。
人生の時間は限られているのに、読みたい本はまだまだいっぱいあります。
読み終わる前に図書館で借りちゃうし、新しいのを買っちゃうしね。
だけどそれって本当に幸せなことですよねえ。本を読むって本当に楽しいです。

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映画の予告編を見て

2017年08月14日 | レビュー
大阪への帰省より戻りました。
高校時代の友人たちと楽しい時間を過ごしました~。

道中、いくつか本を読みました。
ちょっと前に書評で見て、よんでみた本。

あと少し、もう少し (新潮文庫)
瀬尾まいこ
新潮社


瀬尾まいこさん、最近いくつか読んでいます。
「気持ち」ということを丁寧にとらえる作家さんですね。
この本は駅伝の話。
メンバー一人一人の気持ちが丁寧に描かれています。

次は、映画の予告編を見て、読んでみた本。

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)
東野圭吾
KADOKAWA/角川書店


設定にややひっかかるところはあるものの、一気に読めました。
これは、映画向きのお話ですね。
感想書くとネタバレになるので書きませんが。
9月に公開予定だそうです。



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卵の緒

2017年04月17日 | レビュー
卵の緒 (新潮文庫)
瀬尾まい子
新潮社


図書館で液クロの本を借りたついでに移動中に読む本として借りた本。
瀬尾まい子さんの本は、有名な「幸福な食卓」を読んで以来(記録によるとこの本は2007年に読んでいたので、十年ぶりくらい)。
たまたま手に取ったにしては、いい本に巡り合えました。
幸福な食卓同様、家族について考えさせられる本。
読み終えた後、すごくHappyな気持ちになります。
おススメです。
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蜜蜂と遠雷

2017年04月11日 | レビュー
蜜蜂と遠雷
恩田陸
幻冬舎


直木賞受賞、仙台の作家、ということで単行本なのに買って読んでみました。
ピアノのコンテストの話です。

すごく納得する部分もありましたが、現実離れしててよくわかんない部分もありましたね、、、。
比較的短時間で読めたものの、おもしろくて途中で置けないというのじゃなく、ちょっと頑張って読み切った感じです。

でもすごく丁寧に登場人物の心理を描写されています。
あと、音楽っていうのは国を超え、言語を超えて表現できるもの、っていうのがやっぱりいいなあ、と思いました。

この本に出てくるコンテストで演奏される楽曲を、改めて聴いてみよう、と思っています。




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活版印刷

2017年04月07日 | レビュー
ちょっと前に、書評で好評だった本を買ってみました。
やさしい本で、すぐ読めます。
ショートストーリーがつながっていくんですが、その中心は活版印刷。今、また活版印刷が人気なんだそうですね。

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)
ほしおさなえ
ポプラ社


([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)
ほしおさなえ
ポプラ社


実は、ちょっと前にある活版印刷の職人さんが引退するにあたり、その活字と印刷機が宮城大学に寄贈されるという出来事があったんですが、そのときは私は「へー」っていうくらいのリアクションだったんですが、この本を読んだらがぜん「ワークショップとかしてほしい!」「名刺作りたい!!」とかそんな感じの気分になりました(笑)。

この本は、活版印刷を通して「丁寧に日常を生きていく」っていうことを思い出させてくれます。
ライトすぎて大人には物足りないかもしれませんが、ちょっとしたリラックスタイムに読むにはいいんじゃないかな。
気持ちが穏やかになると思います。
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