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旅の中で読んだ本

2015年07月23日 | レビュー
99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る
岩佐大輝
ダイヤモンド社


ドイツから帰ったらICAC KOBEで講演することになっていました。
震災の話を含めるので、参考になるかもと震災関係の本を2冊持っていきました。岩佐さんのことはよく知っていました。東北未来塾でうちの学生もお世話になっています。しかし改めてやはりすごい人だなと思いました。問題を分析する力、それを解決する力、そして未来を信じる力。しかもすごいスピード感があります。なかなか凡人には到達しえないところです。でもこのように推進力の強い人の考え方を知るのは、自分の考え方を見直すよいきっかけになると思います。

奇跡の災害ボランティア「石巻モデル」 (朝日新書)
中原一歩
朝日新聞出版


震災後の大混乱の中で、さまざまな立場の人がうまく協力して支援の輪を広げて成果を挙げたという、石巻の記録。今後に生かせる石巻モデルとして紹介されています。いろんな人が一斉に走り出す中で、なぜ組織をきちんと組み立てて連携し、成果を挙げることができたのか?ここに書かれている事例はきっと後世に役に立つだろうと思います。
しかし一方で、この本を読んで感じたのは、震災の後の活動で、こういうことが大変だった、こういうことで困ったという体験が私にもあって同じことが書かれているんですが、これってやっぱり体験しないとわからないもんだよなということです。たぶんこの本を読んでいても、同じ状況になるまでわからないんじゃないかなあという気もする。震災後ずいぶん経ってからある人(関西以西在住)に「ガスなくてお風呂何週間も入ってないんですよね」と言ったら「え?だってお風呂屋さんとかに行くんでしょ?」と言われ、「ガソリンないし歩いて行ける距離にお風呂屋なんかないからねえ」と言ったら「まさか!」と絶句されましたが、でもそんなのこちらにしてみれば当たり前。それに、お風呂なんて入れなくてもどうってことないんですよね。それより問題は排泄物の処理、それもこの本に書かれていますが、排泄物の問題を解決しなければ、ボランティアの受け入れなんかできない。当時わたしが一番「これが解決だったんだ!」と思ったのは汲み取り式トイレ。震災の時、これほど力強いものがあるでしょうか。それはこの本には書いてありませんでしたけども。ですから、アナログなものは残しておくべきです。黒電話もそう。電気につながなくても使えるストーブもそう。電気がなくても生活できる手段を残しておけば、安心なんですよ。


ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~
クリエーター情報なし
講談社


最後は震災の本じゃないです。
ドラゴン桜副読本。大学の図書館にありました。
海外に行くときは軽い本じゃないといけないので、大きさ的にちょうどいいやという理由で手に取りましたが、面白かったです。ドラマのドラゴン桜も面白かったですしね。高濱正伸氏の「今の社会、あるいは教育現場で、いちばん足りないのは『世の中って甘くないんだぞ』という強いメッセージだと思うんです。」(p98)に共感しました。だから講義もゼミも、今後も厳しくやっていきたいと思います。学生は今のステージいる限り今の発想しかありませんが、次のステージに進めば、かならず考え方も変わる。一人ひとり十分な能力を持っているのだから、それを生かさないともったいないですからね。

コメント
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