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小学生を連れての海外赴任2

2014年12月20日 | アメリカ生活
私がアメリカに行くことになったとき、現地には日本人の方が数人おられて、その方々に大変お世話になりました。先の記事に書いた予防接種を無料で受ける方法や子ども達の英語力試験を受けに行く場所や運転免許の取り方を教えてもらい、本当に助かりました。渡米してすぐ子どもの体調が悪くなった時も、すぐに医者に予約を入れてくれ、連れて行ってくれて、薬のもらい方なども教えてもらいました。当時、そういう手助けがなかったら、私はいったいどうしていたのだろうと想像もつかないくらいです。ですから、わたしも現地にいる間は、次々に渡米してこられる方々のお世話をずいぶんしました。情報を共有するだけでも本当に役に立つのです。おかげで、これまでどこででも体験したことのないほど深いつながりでたくさんの友人に恵まれました。

最近はインターネットが発達していますから、渡米前に現地の情報を得ることは昔よりたやすいと思いますが、生身の人間にまさるものはありません。海外赴任が決まったら、現地の方と積極的にコンタクトを取ることをお勧めします。

アメリカでは最初段ボール10個程度の荷物だけで生活をスタートし、家具を少しずつ買ったり、ムービングセールで格安に譲ってもらったりして最後にはそれなりに家らしくなりましたが、何にもないところから始めるというはけっこう楽しく、工夫も生まれ、よい経験になったと思います。最後はすべての家具を売り払いましたが、その時に知り合った人とまた新たに友人関係を築いたり、まさに日々エキサイティングで有意義な時間を過ごしました。

海外では、日本のように至れり尽くせりのサービスはありません。
電話をつけるために電話会社に電話しなきゃなりませんが、その電話が手元にないんですからどうしろというの?というようなことや、〇日〇時に行くからと言われて待っていたら何の連絡もなくすっぽかされる、なにかを契約するにはクレジットヒストリーが必要だけど、日本のヒストリーは使えないよ、とか、まあよくもこれほど難問があるなとあきれるくらい次々とやっかいな問題がありました。全部解決していかなきゃなりませんが、非常に面倒です。日本だとなんの疑問もなくだれか(ショップやら営業さんやら)がやってくれたことが、すべて自分でやる必要があり、おとなしくだまっていたらまったく解決されないことも多々あって、物事をはっきり言う、確約をとる、といったことをやっていかなくては、生活そのものがなりたたず、当然仕事・研究どころではないわけです。

先の記事に書いたスクールバスの進路変更などは、とあるオフィスに電話をかけるのですが、いつも留守電。しかもメッセージはフローしており、相手は絶対に聞いておらず当然コールバックもありません。そこで【配達証明】つきの郵便を出し、いかに困っているかを訴え、なんとかちらの言い分を聞いてもらいました。アパートの食器洗い機が壊れたときはいくら催促しても修理に来ず、しまいに「この食洗機は家賃に含まれているはずである。これ以上修理しない場合、その分を差し引いてもらう」という手紙を出したら、翌日修理に来てくれたなど、そういう話だったらいくらでもあります。

ビザのことも始終頭を悩ませました。
1年くらいの赴任ならJで問題ないのでいいのですが、行ってるうちに「もう少しこのまま続けたい」などとなる場合もあり(わたしも)、そうするとビザの切り替えが必要になります。今思い出してもこのビザの問題がわたしにとっては一番難問でした。最後まで、よくやり通せたなと思います。Hへの切り替えはまさに命がけで、ダメだったら帰国しかない、という土壇場に、多くの人が神経をすり減らしています。そういう意味で、母国というのはなんとありがたいものかなあ、と思いますね。わたしはこの国で、仕事してもしなくても、学校へ行っても行かなくても「ここにいていいよ」と言われる。アメリカではポスドクでしたが、研究費が切れるから君の首を切るよと言われて(実際わたしも言われましたが)、とたんに帰国か次のラボをみつけるかのまた土壇場に立たされる。結局、アメリカにいて一番よかったなと思うことは、研究の内容もさることながら、これだけのサバイバルを生き抜く力、とくに精神力が鍛えられたことです。

ちょっと「小学生」の話からそれました。続く。

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3 コメント

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ありがとうございます! (tama)
2014-12-20 14:24:35

とても興味深く記事を読ませていただきました。サバイバル感がひしひしと伝わってきました。

 小学生は5月で授業がおしまいとのこと、それですと、おっしゃられるとおり、4-6月までは私だけで渡航し、生活や研究の立ち上げをしたのち、迎えるほうがいいですね!だんだん、ビジョンが現実的になってきました。

まったく英語ができない子供のためのプレスクールに入れる期間もあり、いいのではないかと考えています。

母子だけとなると、いざという時のために、シッターの代わりになるような方を一人確保したいのですが、そのへんの事情はアメリカではいかがでしたか?

本当にブログ参考になります。お時間取っていただき、ありがとうございました。

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オペア (Motoko)
2014-12-20 15:49:49
tamaさん

オペアってご存知ですか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%82%A2

これを利用している人いましたよ。
アメリカはアパートが広いので、ルームシェアの感覚でもOKじゃないかと思います。

わたしは現地の人を雇ったこともあるし、親に来てもらったこともあるし、日本から短期間アメリカ体験をしたいという人に来てもらったこともあります(飛行機代と部屋と食事だけ提供)。住み込みでいてもらうのが一番安心ですよね。ただ、車の運転ができないと場所によっては困るので、その辺をクリアできるといいですね。あ、あと全然英語しゃべれない人はかなり困ります(笑)。
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知りませんでした! (tama)
2014-12-25 12:13:31
オペアって、あるのですね。初めて知りました。
ぎりぎりの選択としては、私の母に手伝いにきてもらうというのもあるのですが、なにしろ車の運転はできるのですが、英語が全くできないので、大丈夫かなとも思っています。(本人は行く気満々ですが。。。) 
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