院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

コロンビア大学の「白熱教室」

2012-03-16 05:46:43 | 心理
 外国の大学の授業はたいていつまらないと思っていたが、このたびのNHK「白熱教室」のシーナ・アイエンガー教授の講義は面白かった。アイエンガー氏はコロンビア大学のインド系の美人教授である。

 彼女の研究分野は、実験心理学の方法を駆使して「選択とはどのように行われるか」というものである。

 経験的にはうっすらと知られている事柄を、実験で証明するのが面白い。例えば「スーパーでジャムを販売するときに、見本は多いほうが良いか、少ないほうが良いか」といった問題である。

 答えはもちろん少ないほうが良い。スーパーにジャムの見本を7種類だけ味あわせるブースを設けるのと、20種類味あわせるブースを設けるのとでは、7種類のほうが売れ行きが良い。

 20種類もあると、「あとにしておくわ」と結局買われないことがある。その行動がビデオで追跡されているのがテレビ的で面白かった。

 アイエンガー教授は盲目である。その人が、どうしてヴィジュアルなプレゼンテーションを思いつくのか不思議だった。

 あとで知ったことだが、アイエンガー教授は、アメリカでベストセラーになった啓蒙書も書いているそうだ。やはり天才なのだろう。

 (アイエンガー教授の授業風景・YouTube より)