院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

クロマグロ(本マグロ)という名称

2017-07-17 08:42:28 | 日本語
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(3代目三遊亭金馬。ウィキペディアより引用。)

古典落語の「薬缶(やかん)」は3代目三遊亭金馬の得意噺であった。何でも知っていると豪語するご隠居に八五郎がいどむ。

「魚のコチはなぜコチというんですかい?」
という八五郎の問いに対してご隠居は
「こっちに泳いでくるからコチじゃ」
「向こうへ行ったらどうするんですかい?」
「お前が向こうに回ればいいのだ」

「ヒラメは?」
「平たいところに目がついているからだ」
「じゃあカレイは?」
「あれはヒラメの家来で、家令をしているからじゃ」

このようにして、ご隠居のこじつけがえんえんと続く。中にマグロの名称に対する問いがあり、ご隠居は「真っ黒だからだ」と答える。これはこじつけではないように思う。

一昨日述べたように、現在ではさらに黒をつけて本マグロのことを「クロマグロ」と呼ぶ。歴史的に最初は「クロ」だったが、「クロ」の中の中核として「真(マ)」が付けられ「マグロ」となった。さらに歴史を下ると「マグロ」の中の代表として「本マグロ」と呼ばれ、最終的に再び「黒」が付いて「クロマグロ」になったとは考えられないだろうか?

じじつ今のマグロ漁師は「メバチマグロ」や「ビンナガマグロ」をマグロとは呼ばない。漁師がマグロと言うのは「クロマグロ」だけである。値段もぜんぜん違う。「メバチマグロ」はたんに「バチ」と呼ばれる。

私たちが常に食べてスーパーでも売っているマグロの刺身はみな「メバチマグロ」である。スーパーごときで本マグロなぞ売っているはずもない。

     (タイセイヨウクロマグロ。ウィキペディアより引用。 )
     


 ※私の俳句(夏)

    老若が出てくるメロン狩りハウス


数学理論は「創造」か「発見」か?

2017-07-17 00:56:03 | 学術
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(L.オイラーの肖像画。ウィキペディアより引用)

数学理論は美しい。次の「オイラーの等式」は18世紀にオイラーによって導かれたが、自然対数の底eと円周率πと虚数単位iがみごとに関連付けられている。(n=2 の場合なら高校生でも知っている)。

     


宇宙や量子の世界では数学の法則がよく通じる。だから、世界(宇宙)の中にすでに数学的法則が存在しているように感じられる。

つまり数学理論は宇宙にすでにある法則を「発見」したようにも感じられる。

一方、数学理論は数学者が無矛盾な体系を作ると、それが宇宙の法則にたまたま合致しているようにも思われる。つまり、数学理論は「発見」ではなくて数学者による「創造」のようにも感じられる。

どちらが本当なのだろうか?フィールズ賞を日本人で初めて受賞した数学者・小平邦彦によれば、数学法則という「鉱脈」は宇宙にすでにあった感じがするという。

小平には楕円型微分方程式の長い論文があるけれども、小平自身「鉱脈」を「発見」して、そこから掘っていかないと、あんなに長い論文は書けないという。つまり「創造」だと息が続かない。すでにあった「鉱脈」を「発見」したから長々と掘れたのだそうだ。

一流の数学者が「創造」ではなくて「発見」だと言っているのだから、そういうことなのだろう。


※私の俳句(夏)

     売るでなくハイビスカスを置きし花舗