会社から帰ったら、オークションで落札した、待ちに待ったYAMAHA製チューナー CT-1000が届いていた。
早速開梱して、動作確認。やはりコメントどおり、ステレオに切り替わらない。それ以外は、周波数ずれも無く、AMも良好に受信出来る。
この当時のYAMAHAのシリーズである白木のカバー(これに惚れて、未だにファンである)を外して見ると、中はこじんまり(CT-800がCA-1000と同じ大きさだが、これより何故か一回り大きい。何に合わせたのだろうか?→BLUESSさんが教えてくれました。CA-2000と同じ大きさにしたようです)している。愛用のCT-800(これもジャンク扱いを修理)は、中身がぎっしり詰まっていた印象があるので、ちょっと拍子抜けの感がある。ただ、チューニング部分は独立したシールドケースに入っており、CT-800もCT-1000も周波数ずれが無くて優秀である(テクニクスのは逆に3台とも、経年変化を起こしていた)。

MPX-ICにはSANYO製の、当時一般的なLA3350が使われていた。セールスポイントにしてはアレ!(一般ICで構成)と言う感じとともに、逆に考えれば、端子をチェックすれば何とか解明できそうだとの思いが同時に浮かんだ。
ところが、LA3350については、ネット検索しても、データシートが無かった。
データが有る、各社のMPX-ICを見て見たが、同じピン数のICで比較すると、端子配列が全く同じのが多い。
まずは周波数カウンタを12番ピンの19kHzモニター端子に接続しVCOの波形を見て見たが、発振(周波数は76kHz)はしている。周波数を半固定抵抗でぴったり合わせる。
データーシート、一般的なICだとSTEREO/MONOの切り替え端子は9ピンになっているので、テスターで電圧とか抵抗を測定したが、表面STEREO/MONOの切り替えスイッチを切り替えても変化無し、データシートだと、OPENまたは0.7V以下だとSTEREOに切り替わる筈で、その通りになっているのに、動作しない。
そこで、電池により、9番ピンに電池でプラス電圧を印加するとステレオに切り替わる(LEDやヘッドホンで確認)ではないか!(3Vは動作せず6Vで動作)

裏蓋を外して見てみると、このピンは接続が無い。どうやら、このICのピン配列はちょっと違うみたいでVCC(+12V)から抵抗で印加するようにしたが、抵抗値が高いと動作しないし、パスコン(1.5μF)を入れると動作しなくなる。結局VCCから4.7kΩで供給することに決定。電圧は約6Vになっていた。
いつもながら、チューナー関連の測定器は無いので、耳を頼りにするしかない。
データシートが無いので、この端子の役割が判らず、不安なので、駄目もとでSANYOに問合せて見ることにする。ちなみに、YAMAHAに回路図が提供出来ないか確認したが、安全上、不可との回答が有った。→BLUESSさんから、やはり回路図とメンテマニュアルを紹介いただいた。これを見ると、やはり一般的なMPX-ICのピン配列とは異なる様だ。
以上から、MPX-ICが一部不良になっている可能性が大きいが、同型のICは入手困難なので、このままで様子を見る事にする。→もう1度、パーツショップを片っ端から調べて見たら、なんと若松通商の商品一覧にLA3350が有るではないか(189円/個)。早速5個の注文を入れる。他の有名なMPX-ICも探してみたが、これらは無かった。
交換して、うまく動作すれば儲けものである。探して見るものである。
Vintage FM Synthesizer Tuners を参考にしました。