思いの他安かったので性懲りも無く、FT-101が有るのにも関わらず、FT-101Zをオークション購入した。
同じFT-101シリーズでも、初期と後期では、周波数変換方式の違い(プリミックス方式によるシングルコンバーション)・RFスピーチプロセッサ・帯域幅可変のWIDTHコントロール追加など、全然別物で、ユニットの互換性も無い。そういう違いを確認したくて購入したのが本当の理由である。あと終段管がTV水平出力用6JS6Cから本格的送信管6146Bになっている。
プリント基板は全てフェノール基材で安っぽくなった。
早速、電源を入れるとノイズ音は聞こえるが信号が全然聞こえない。確かにオークションの説明でもノイズは聞こえたが送受信は確認してないとのコメントなので、いまさらクレームは出せない。トランシーバは送受共通回路もあることから、送信から確かめることにする。
これも最初信号が出ていなかったので、説明書を読むと、DRIVEボリュームでキャリアレベルを調整する様になっており、これを最大にしたら出力が出た。
しかし15mバンド(21MHz)の出力が異常に低いので継続調査中。ミュー同調の並列トリマコンがずれている可能性がある。
3/22 やはりトリマーがずれており、RF出力をオシロスコープで見ながら調整。最終的にはPWRメータで出力を確認。OKになった。ついでにFT-101も調べたら、これも21MHzの出力が殆ど出ていなかったので、同じ様に調整。
ところが、どうも10C、10Dバンドが本来の周波数と違いCBバンド(27.0,27.5MHz)の周波数が出ている。見るとCBバンドの水晶に交換されていた。どうやらCBの違法無線機として使っていたみたいである。噂によると、結構この様な改造機が出回っているらしい。許せない!
しかし、このせいでオプションのAMユニットが実装されており、A3の運用が出来る(FT-101は標準で出来るが)。
受信に戻り、いろいろスイッチをいじっていると聞こえてくる。ATTのトグルスイッチとWIDTHコントロールON/OFF押しボタンスイッチの接触不良が原因の様だ。接点復活王をスプレーして、応急処置し正常に聞こえる様になった。
スピーカーも場所が下カバーから上カバーになり、口径も大きくなったので、良く聞こえる。
WIDTHコントロール機能は面白く、別なクリスタルフィルタを通した信号を±中心周波数シフトして、これを正規なフィルタに通すことによって、トータルで狭帯域を実現しようというもので、混信に効果がありそうです。
1kHz目盛/一回転50kHzアナログダイアル、50kHz間隔500kHzの横行ダイアルの照明に12Vの麦球を4個使用しているが、3個が切れていたので、Φ5黄色LEDに交換することにした。これがなかなか外し難いところにあり、VFOを前に引き抜き行った。幸い、麦球はDC12Vで点灯させていたので3.3kΩの抵抗をシリーズに入れ、光拡散キャップを被せたらオリジナルと同じ様に点灯した(ディマ回路付き)。横行ダイアルの取り付け調整(0調整)に手間取った。
ここで、マーカーにより、周波数ダイヤルを合わせるのだが、FT-101と違って25kHzと100kHzの切り替えが無く、25kHzのみなので、カウンターが無いと、間違って25kHzずらして合わせる可能性がある。FT-101とFT-101Zのアンテナコネクタを直接接続し、FT-101の100kHzマーカーを受信して合わせた。
放熱のファンはFT-101より大きいものの、非常に静かになっている。
カバーを開けて気が付いたのだが、底面カバーの内側が全面に渡り茶色に変色している。どうやらコンデンサが破裂したようである。近くの線材も被覆が焦げて芯線が剥き出しになっているのもあった。
確かに、機能満載で性能は向上していると思うが、デザインはFT-101が好きである。
FT-101Zシリーズ取扱説明書「ft_101zseries.pdf」をダウンロード