7MHzでのアンプ-I(インターフェア)、BC-I解決の目処が立たず、アンテナメーカーの第一電波工業とトランシーバーメーカーの八重洲無線(現、株式会社 バーテックス スタンダード)
に聞いてみた。どちらも、私の素人な質問に親切に答えてくれて、(特に八重洲無線は30年も前の機種にも関わらず資料を出して答えてくれた)今後の対策に、大いに参考になった。
【質問内容】と【メーカー回答】は「続きを読む」参照
■アンテナ
第一電波工業
W-721 HF帯(7/21MHz)2バンドダイポールアンテナ
・耐入力:1.2kW(PEP)・全長:12.4m・重量:1.2kg・空中線型式:ダイポール型
■トランシーバー
八重洲無線
FT-101Z オークションで安く購入(約1万円)
メーカー回答を参考に、電界強度を調べることにした。
使用したのは、ラジコン送信機の送信確認用として同町の先輩JA1RQQ(おもちゃ病院、電子工作サークルでも一緒)から頂いたSONY製VUメーター(当時、高級なオープンリールデッキに使ってたらしい)の外周にビニール線を巻けるだけ巻いて、ゲルマダイオードによる倍電圧整流でメーターを振らせている。(VUの値は関係有りません)
電源コンセントに近づけると振れる。・・・トランシーバーにアースを接続したら、殆ど振れなくなった(大したアースでも無いと思っていたが効いている)。
次に、アンテナの同軸線に沿わせていくと、距離によって大きく値が変化する。トランシーバー出口では殆ど振れないが2mとか離れた部分では大きく振れる。やはり波長による変化があるのだろう(こんなのOMにすれば常識かも知れないが)。丁度、垂直に壁に這わせている壁の内部に電灯線が通っているようなので、離してみた。効果の程は未確認。
トランシーバーをFT-101ZからFT-101に替えてみたが、かえってアイは増加傾向にあるし、マイクアンプの廻り込みも治まらず。
更に原因を探るため、6/21(土)JA1RQQさんが所有のトランシーバーFT-1000MとSWRメーターを持って来てくれて、これでの確認予定です。変わらなければ、送信出力を落とすか、受信側での対策が必要となりそうです。
【質問内容】
あまりにSWRが良すぎる
(7.0MでSWR1.3、7.6M:1.0、7.1M:1.1)。同調点は7.6MHz付近。
アンテナチューナーを入れても変わらない。
地上高は8m位で、庭をはさんだ建屋の屋根同士接続。(アンテナ直下は庭)
調整用エレメントは初期40cmに対し、30cm弱
最初、地上高が低い状態で調整していたら切り過ぎて、上げた状態でずれてしまったので、先端に圧着端子を付けて、延長しました。
アンテナをT2FDに換えると出ない(もちろんチューナーでマッチング)。
アンテナチューナー八重洲FC-700でチューニングしても変わらず。
SWRはこのチューナーで確認しており、他のSWRメーターは所持していない。
先日製作したマイクアンプ(G=40dB)も7MHzのみで廻り込み(マイク無しでも)アンプの種類を替えても駄目。
リグはFT-101ZですがFT-101に替えても同じ現象。
マイクアンプ無しでは現象出ないが、FT-101の場合、中波でモニターするとハウリングの聞こえる周波数が何点か有り、100m位離れても受信される。
コモンモードフィルタ、LPFを入れており、アースの有無でも関係無し。
電源フィルタも入れて(トランシーバー側とラジオ側)も出る。
ポケットトランジスタラジオでも出る。
21MHzは調整出来て、問題無く運用しています。
TVIについては送信3.5~28MHzでTV1~12CH全て異常無し。
【メーカーの回答】
■第一電波工業
1、アンテナ性能とアンプI(BCI)の関係について(以下アンプIと略します)
アンテナ(特にHF帯のアンテナ)はSWRでアンテナの性能が評価されます。したがいまして、アンテナのSWRが良いと言うことは、アンテナ自体の性能は100%近く発揮されています。
2、帯域巾について
W721は条件がよければ7.00MHz~7.10MHzまでSWR1.5以下に収まりす。SWRが1.3~1.1は低すぎると思いますが、これはSWR計の感度の影響で数値が低めに表示されているのではないかと思います。ダイポールアンテナ本体のどこかに異状があってSWRの低い範囲が広がる可能性は無いでしょう。
3、T2FDとダイポールアンテナ
T2FD広帯域アンテナなので、ダイポールアンテナと比べると10dB~20d Bくらいロスが多くなります。したがってT2FDアンテナの場合は100Wの送信電力があったとして実際アンテナから輻射される電力は10W以下となります。したがって、T2FDでは輻射される電力が少ないためにアンプIが出ないと考えています。
4、LPFについて
LPFは7MHz以下の電波は全て通過してアンテナへと供給されてしまうため、中波帯に関しては効果はありません。
5、アンプIの発生原因と対策
無線機の出力を上げるとアンプIが発生しているように思います。出力を上げることで送信部に歪が生じて不要輻射がされる場合には無線機の出力を下げるか、無線機自体を代える必要があります。不要輻射の無いクリーンな電波にもかかわらず、アンプIが発生する場合にはやはり送信側で出来ることは出力を下げるか、 受信機側で対策するしかありません。
■八重洲無線
状況からして、トランシーバーには問題が無いのでは。
特に、調整がずれて、歪が発生するところは無い。
中和回路がおかしいと無信号時でも出力が出る。ディップ点が極端にずれる。
使用している終段の6146Bは殆ど中和の必要が無い。
アースや、同軸ケーブルの長さにより、腹の部分に、より出る場合が有る。
アンテナチューナーはインターフェアに対し効果は無い。
BCI,アンプIは直接波なので、受信側で対策が必要。
よって、受信側で対策するか、出力を下げるとかしかない。