30年以上(製造年月:1976/2)親の代から使っていた バッテリー充電器がとうとう壊れてしまった。
単純に整流して充電する方式であるが、電流の流し過ぎによる、電源トランスの焼損だった。
充電器専用で有ればLM723(NJM723)を使う方法もあるが、効率が悪く、放熱フィンが必要になるので、手持ちのスイッチング電源を2種類使って組み直すことにした。
メインは、前の会社で捨てるというので貰った出力21V(中途半端な電圧だと思うだろうが、昔の通信機器の、動作電圧である)のスイッチング電源。電流容量は書いていないが、完成して調べると3Aでフの字特性になっていた。
これの電圧を可変するのに、今では販売中止になった秋月のHPH12002M×2個を並列接続したキットが有ったので使用する。
但し、並列運転する場合は出力電圧の誤差を無くさないと、片側の電源からしか供給されず、並列運転の意味が無い(この関係で販売中止になったのかも)。また、電源モジュールも容量の少し大きいHRD12003Eに交換する(RC端子が追加になっているので、この部分のパターンを切り離してGNDに接続する必要がある)。
秋月では4~25V(最大5A)可変スイッチング定電圧電源キット(1000円)に変わっている。
これの単体ユニットはDC-DCコンバータ(12V5A)KIC-125(600円)
但し「注意 このユニットは、メインのFETがショートモードで破損した場合は、入力電圧がそのまま出力電圧に出る可能性がありますので、注意してご使用下さい。」とある。
この誤差を無くする方法がネットに有った「実験用電源を作る」で、基板を作ることに。回路はOP-AMPによる差動増幅器で、もう片方のADJを制御しようというもの。
ついでに同じ記事に有った、低い電圧から可変出来る回路を空きOP-AMP素子で組む(これは、製作実績有り)。
これも貰いもののスルーホール・ユニバーサル基板に組んで、メイン基板にライトアングル端子で直角に接続する。
更に、外部デジタル電圧計とLEDに5Vを供給する必要があるのでLM317の定電圧回路を追加する。
メーターが熱でモールド変形してしまったので、変形部を切断して接着する。(これで表示が狂ってしまった様だが)
パイロットランプもネオン管を使っているが経年劣化でモールドがボロボロになってしまったので、前面の表示部分のみ残し、裏側は削除しLED基板を表面板裏に接着した。
配線ミスや、抵抗の実装ミスなどが有り、トラブルシュートに2時間余り掛かってしまったが、何とか正常動作した。
だが電圧を下げていくと、2Vに下がってから上昇してしまうので、LM358から、NJU7032Dに変更したらこの現象は無くなるが、NJU7032Dはデーターシートから最大電源電圧が18VなのでLM358(32Vまで)のままで使うことにする。
出力電圧は2~18V、電流は先ほど述べた様に3Aでフの字特性が動作するので、この電流までしか流せないが、メイン電源にもっと大容量のものを使えば、理論的には6Aまでは流せるだろう。
鉛蓄電池の充電電圧を調べると、フローティングで13.5~13.8V、定電圧で14.4~15.0Vとあり、先ほどのフの字特性から、現状のスイッチング電源の容量ではフローティング充電でやるしか無い様だ。
結果的に充電器と言うよりは、実験用可変定電圧電源に仕上がった。