会社で稼動している自動倉庫の操作盤に使用しているCRT(NEC製N5924U)が映らなくなった(電源ランプも点灯しない)というので、修理の依頼が有った。
分解してみると、フューズ類は切れていない。スイッチング電源を使っており、1次側回路の整流電圧は正常だが、2次側の電圧が出ていない。スイッチング回路の故障と思われるので、修理不能と断定。
コネクタには15P-DSUBが使われている。
次に、現在の一般的なCRT(コネクタはMinDSUB)が接続出来ないかと、家に有った変換コネクタとCRT(物置に有った4台)を持って来て、接続してみたが、同期信号が検知出来ない。
(ライトペンを使っているので、CRTでないと動作しない。:何故だか判りますか?)
どうやら、ピン配列が合っていない様だ。
そこでPC9801のRGB信号ピンアサインをネット検索してみたのが旧型PC機器の有効利用である。
MinDSUB側は、先にオシロの外部出力変換器を製作したとき作成した資料が有った。
これらの資料を基に、変換アダプタを作ることにした。
アナログの場合、R、G、B、H-Sync、V-Syncの信号が合っていれば映るはずである。
コネクタは秋月から購入(MinDSUB-15Pメス)のと、頂き物(DSUB-15Pオス)が丁度有ったので、ユニバーサル基板に実装する。
配線は、接続が違っても簡単に切替出来る様に、ソケットピンを使い、ジャンパー線にて接続する様にした。GNDはその間に専用のバスピンを実装して、単独に接続出来る様にした。
MinDSUBのピン間が1.5mm程度しか無いので、ハンダ付けが大変だった。
会社で、接続してみると、期待通り正常に表示された。(操作盤本体に有るCRTは壊れて使えないものです)
液晶パネルに表示されたのは 解像度:640×400、水平同期周波数:24-25KHz(正確には24.83kHzらしい)、垂直同期周波数:56Hz だった。
現在市販されているCRT(CRT自体少ないが)は殆どが水平同期周波数:30kHz以上の対応なので、試しに、もう1台のCRTに接続したら映らなかった。
現在でも入手出来る数少ないCRTのスペックを見てみたが、全て水平同期周波数が30kHz以上対応となっているので、今度壊れたら中古品を探すか、アップスキャンコンバータを使わなければならないことになる。
厄介物のCRT(会社のCRTの1ヶ月前に丁度処分したところで、無かった)もやっと日の目を見た(上さんには、事あるごとに処分を口うるさく言われているが)。
映ったのはいいが、「シーケンサ立上げ不可能」のメッセージ。これ以上はCRTの問題では無いのでメーカーに連絡して対応してもらう事にした。
TOWNS用モニターが同じDSUB-15Pで、機種によってそのまま使える様です。(私も1台持って来たが、モニター部が壊れていて確認出来ませんでした)