当ブログの同機修理記事を見た方からメールで再調整をしてもらえないかという問い合わせが有った。
自分で、調整しようと、いろんなトリマやコアを動かしたら、受信周波数がAM/FM共ずれてしまい、元に戻せなくなってしまったとのこと。
当方も愛用している30年以上も前のテクニクスのFM/AMチューナーST-3500です。FMでも受信レベルが表示出来る(本来FMはリミッターをかけるのでその後の回路ではレベル一定となり、普通のFMチューナーはセンターメーターのみの表示が多い)のと、AMの周波数表示が対数目盛りでなく等間隔(バリコンの形状が特殊:昔バリコンを製造していた松下電器としては得意分野である)という特徴が有り、入社わずかな安月給を貯めて、憧れの本機を買った覚えがある。
散らかってて、見苦しい写真ですが、スペースが無いので、トラブルシュートが始まると、いつもこんな状態です。でも、このスペース(寝袋1枚分)が寝室兼ですので、毎日、片付ける必要が有り、或る意味、区切りがついていいかも。
部屋のコンポは床から積み上げてあり、とても裏に回ってケーブルの差し替えが出来ないので、調整のモニターにはデスクトップパソコンにおまけで付いて来るステレオスピーカー(ACアダプターで駆動)に変換ケーブルを付け、RCAジャックに挿し込んで対応。
深夜ラジオを聞くにはチューナーとこれだけあればいいので、エコにもなります。
周波数調整は、自分ので何度か経験していたので、ラジオの周波数表を元にトラッキングする。周波数カウンターで合わせるつもりだったが、レベルが低く検出出来なかった。トラッキング方法としては、全体のバンド幅はコイルのコアで合わせ、それを規定の周波数にトリマコンデンサで合わせるのが基本で、これの繰返しで誤差を少なくしていく。
感度はAMの場合バリコンの上部にあるトリマで最大感度になる様に合わせる(高周波増幅に2段有る)。ところが本機の場合、全帯域に渡って平均にレベル合わせが出来ないので、依頼者の希望である、1242kHzが最大となる様に合わせた。
FMもステレオ復調部のコイルがずれている様なので、これは耳とセンターメーターを頼りに2個のコアを調整していく、専用測定器が無いので、バランスが完全に合わせ切れないが良しとしよう。
この他に、基板上の半固定抵抗(500kΩ)が1個破損していた。音声増幅IC(UPC33C)の入力L-R間に入っている。これではセパレーションが悪くなるのではと思いながら、当方の同機、調整抵抗値5.5kΩに取り合えず合わせた。メーカーには問い合わせ中だが、多分古くて駄目だろう。→8/27回答が「続きを読む」の如く有り、やはり情報はもらえなかった。
このICのフィン(VDD)にオシロを接続すると、綺麗な640kHz正弦波形が観測され、出力にも出ている。2電源方式を採用(メーカー改造の跡が有り、設計当初は単一電源で考えていた様だ)しているみたいで-8V印加されている。0.1μFをアース間に入れると止まるが、音声信号で多少振られるので220μFも電源-アース間に入れた。正規の電解コンデンサが容量抜けを起こしているのかも知れない(当方の同機は発振していなかった)。
以上の対策を依頼者にメールし、了解を得たので、返送することにした。
誠に恐縮でございますが、私どもお客様ご相談センターには技術資料がなく、修理の詳細内容につきましては弊社の修理部門でなければわかりかねます。
また、大変申し訳ございませんが、サービスマニュアルおよび回路図の情報につきましては、社内規定によりお客様へのご提供は禁止されております。
ST-3500は生産完了後かなりの年数がたちますので、すでに補修用性能部品もございませんが、内容により例外的に点検・修理が可能な場合もございます。
恐れ入りますが、一度弊社修理相談窓口に点検・修理をご依頼ください。
下記ナビダイヤルをご利用いただきますと、お電話をかけられたところから一番お近くの修理相談窓口につながります。
<ナショナル/パナソニック修理ご相談窓口>
ナビダイヤル 0570-087-087(全国共通番号)
光電話やIP電話・携帯電話・PHSなどからは下記URLをご覧いただき、
お近くの修理相談窓口へ直接お電話ください。
<ナショナル/パナソニック地区別修理ご相談窓口一覧>
http://panasonic.co.jp/cs/service/area.html