えぬ日和

日々雑記。第二、第四土曜更新を守っているつもり。コラムを書き散らしています。

雑考・あなたのご趣味は?

2009年06月05日 | 雑記
趣味・読書。


人に聞かれてこう答えると、たいがいの相手は、拍子抜けした顔になります。
その顔には、こう書いてあります。

「あ、やっぱり」

そこでその人の私への興味が止まる、いい加減に慣れなくちゃ、とは
思いますが、やっぱりどこかずきずきと胸がうずきます。

「この人はそれだけしかないのか」

たいがいの人は、ここで私に対する認識がとまります。
ひとことだけ、その人たちに叫ばせてください。


読書は、つまらないことですか?



閑話休題。


「趣味」と言う問いかけには、

「好きなこと」
「いつもしていること」

と、答えを動詞で求められます。
動詞で答えるとなると、やっぱり「読書」とか「音楽や映画」とか、
そうなってしまうのかなあと思います。

こうした物事を吸収する行為は、
普段から「誰でもしてるよ」と思いがちですけれど、
もう少しつっこんで考えると、「趣味」には、

「選びかた」

というもう一つの要素があります。
その人がストレートに分かる要素でもあるのに、これを聴かないのは、
ひとえに分かりづらいからで、何より、うかつにつっこんで、
自分の分からない話を聴かされる羽目になるのを避ける知恵でしょう。
それに、これを相手に「伝える」のは難しいです。

でも、特に読書ですけれど、本に対する選び方は、ものの考え方が
わりと如実に出ると思います。
ひとつのトピックに対して、深く思考することも楽しいですし、
いろんなトピックを飛び石のように飛んでゆくことも楽しいです。
(少なくとも私は)

それがそこまでつまらなく見えるのは、本を読むときに人が下を向いて、
周りが見えなくなるせいなのかも知れませんね。

ま、単に伝えるのがへたくそなだけ、なのですけど。あーあ。
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冬目景「ももんち」けっこう前に読了

2009年06月02日 | 読書
私の知ってるだれかさんにそっくりな女の子のお話です。

:小学館『ももんち』 冬目景(とおめ・けい)作 2009年4月30日

あ、こんな絵もかけたんだ、と発見があると嬉しくなります。
冬目景は、『黒鉄』や『LUNO』など、暗い色調で目の吊った
完璧な無表情を細いペンで丁寧に描いたうえ、
背景も手でしっかり引いた、すこしひっかかりる細い線で
きちんと書き込んでありますが、不思議と息苦しくない
空気感が独特なまんが家です。

『ももんち』は、美大受験の予備校を舞台にした漫画です。
ピンクの表紙で、わずかなエンポスに浮き上がるショートカットの
「垂れ目」の女の子が主人公です。
浪人して一人暮らしを始め、時々恋をして、時々兄姉が遊びに来て、
穏やかに過ごす日々を暖かい目で描いています。
垂れ目の「もも」を見ているだけでも、髪の細さやスカートの
薄い生地のふんわりした広がりのやわらかさが手に伝わるような
絵です。

わずかな生活のメリハリが、カメラを近づけてみると思ったよりも
生彩があるように感じられる時があります。
このまんがは、そうした感性を読者に引き戻してくれる力量があると
思うのです。
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