議案の中に土地の取得があります。
土地の取得には2種類あります。大田区が直接買う場合と「土地開発公社」に先行取得させ、そののち、大田区が土地開発公社から買う場合です。
不動産バブルの土地の高騰著しかった時期に議決を待っていたのでは土地を買うタイミングを逸するということから設立されたのが「土地開発公社」です。しかし、①議決を経ないことや、②「土地開発公社」は銀行からの借入金で土地を買うことから利子負担、そして「土地開発公社」の人件費も含めた維持管理費が上乗せされることなど割高になるなどのマイナス要素もあります。
今回は先行取得した土地を「土地開発公社」から買う議案ですから、取得時から今までにかかった経費が生じています。
議決においては、こうした「土地開発公社」に関わる費用に加え、大田区では、売主が負担するのか飼い主が負担するのか曖昧になっている土壌汚染処理費用などの諸経費がどの程度かかっているかを明きらかにする必要があると考え質疑しました。
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第25号議案、土地の取得について質疑させていただきます。
議員になり8年が過ぎようとしていますが、この間土地の売買に関しては、様々な視点から議会で取り上げるとともに、私自身勉強して参りました。
そうした中で不動産の売買における経緯や目的、計画の有無、土地開発公社や、大田区独自の取得方法である蒲田開発の存在、不動産鑑定や財産価格審議会の在り方など様々な問題・課題が見えてきました。
■土地開発公社による先行取得の課題■
その中でも今回のケースに見られる土地開発公社による先行取得には多くの課題があり自治体によっては土地開発公社を廃止するところもでてきています。
何より問題なのは議会の議決を経ず、土地を取得するところにあります。土地開発公社が取得した土地は、ほぼ自動的に議会が買い戻すことになっています。
土地開発公社が取得した時の目的とは異なった目的で買い戻されることもある一方で、買い戻し価格も、土地開発公社の取得時価格に公社が銀行から借り入れた利息が上乗せされます。
今回上程されている取得金額は3億9880万7638円ですが、この価格は、購入するにあたり財産価格審議会を通った不動産価格ではなく土地開発公社が支払った利息や手数料が含まれています。
そこでうかがいます。土地開発公社からの買い戻しに際しては、財産価格審議会を通った金額とその後の利子負担等の内訳を議会に示すべきではないでしょうか。
■大田区の土地売買における課題■
一方で、土地購入の際に、通常は売主負担の土壌調査費用や土壌汚染処理費用を、大田区は、契約時に売主と折半にしたり、大田区負担にするなどしていることがあるため、不動産取得後に不動産取得費として考えるべき負担額が発生することが少なくありません。
例えば、大森南のミヤデラの土地は活用する段階で、アスベストの汚染が判明し、更に、税金を投入し安全策を講じなければなりませんでした。
議決した議会は、土地の価格についての議決はしますが、不動産鑑定において、土壌汚染の負担などは、通常売主負担であるか、或いは、土地価格から差し引いて評価するため大田区が負担すべきものとは想定していません。
しかし、大田区では、土地購入後に生じる様々な費用を負担している事例が少なくありません。
■中央5丁目の土地購入に関る問題■
●山林を宅地で評価
●曖昧になっている山止め工事費用
今回の中央5丁目の土地は、山林でありながら山林を宅地として評価しています。宅地であれば当然宅地として使用できるよう山止め工事やよう壁工事をすませた状態で取得するか、それら相当額を評価額から差し引くべきですが、宅地として山林より高く評価しています。しかも、それに加え、よう壁工事にも莫大な税金を投入しています。
契約時に盛り込んだ売主負担の盛り土はことばだけで安全策にはなりえず、結果として高く評価したかたちです。
こうした経緯を考えれば、山林をなぜ宅地として評価したのかという理由も今回の買い戻しにあたっては重要な事項です。
また、今後の保育園建設において、前所有者がマンション建設のために打った杭が邪魔になりぬく必要がでてきて更なる費用負担が生じるかもしれません。
こうした通常土地価格に含めるべき費用負担でありながら大田区が負担した、あるいは負担するであろう額は、土地取得代金に大きく関わる費用であり、こうした土地取得の際に示すべきではないでしょうか。
■土地購入に関わる諸経費の情報開示■
また、取得時に明らかにならなくても、最終的に土地、利子負担、土壌処理費用、安全対策費用、地下構造物撤去費用などは、最終的にその土地取得にあたりいくらかかったのか土地価格とともに明らかにすべきではないでしょうか。
そこで質問します。
本議案の用地取得の適否を審議するにあたっては、当然、事前にこれらの資料が公表、配布されるべきと考えますがしめされますか。