今回、特区法を改正して造ろうとしているスーパーシティでは、行政が行っている、事業を立案し執行することを、企業が行えるようします。
行政権限を企業に与えるのがスーパーシティと言ってよいのではないでしょうか。
そのために、行政の持っていた情報や個人の情報も、企業がみられるようになります。
企業は公私関わらず、あらゆるサービス提供にこれらの情報を駆使することができます。
私は、必ずしも全ての企業にチャンスがあるわけではなく、いわゆる大資本、グローバル資本がここに入ってくるとみています。
個人情報保護法などを改正案がとおれば、番号管理する仮名加工情報なども企業が見られるようになります。マイナンバーもここに入るのではないかとみています。
内閣府がボトムアップという言葉を使っていましたが、スーパーシティのしくみに、国民は不在です。
東京都での竹中平蔵氏の言葉が明確にそれを表しています。
「域内の運営は、国・自治体・企業による「ミニ独立政府」のような主体が担う」*文末に東京都の議事録
「国、自治体、企業」、ここには、国民も、国民の代表の議会も不在です。
ビックデータを駆使して企業が企画立案した事業を、企業が執行し、私たちの税金や利用料金や、ポケットマネーが吸い上げられる。
ここには、外国資本も含まれます。
私たちは外資のために働き、そこから「利益」を吸い上げられる奴隷のようになってしまうのではないかと心配です。
日本は三権分立ですが、すでに、国会の持つ立法権は、国家戦略特区法で、一部の大臣と企業を代弁する有識者で構成する国家戦略特別区域諮問会議に与えられています。
そして、今回の法改正で、行政権を企業に与えようとしている。
この国の三権のうちの二権を企業に与える法律を提案した政府、それを可決した国会。
私たちはいい加減、この国の政治を変えなければならないのではないでしょうか。
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平成30年10月29日(月) 第5回 都庁マネジメント本部での竹中平蔵氏の発言
出席者
知事、副知事、教育長、政策企画局長、総務局長、財務局長、環境局長、港湾局長 ほか
議題
【講義テーマ】「「スーパーシティ」構想と今後の東京」
●自動運転・自動走行は人口知能とビッグデータを使った「第4次産業革命」の象徴であり、道路や街のビックデータが必要なことから、第4次産業革命は、産業の概念だけではなく、空間や街の概念が必要である。
●「スーパーシティ」は、単に世界最先端の技術を実証する場では無く、第4次産業革命後の未来の社会、生活を包括的に実現するショーケースを目指すものである。
●スーパーシティを構成する基本的な要素として、自動走行やキャッシュレスなどが考えられる。また、個人の情報をビッグデータとして活用することになるので、住民の同意をどのように取るかが課題となる。
●エリアの選定にあたっては、住民の合意のとれやすさとトレードオフの関係にある。同時に、エリア選定におけるプロセスの透明化は重要である。
●域内の運営は、国・自治体・企業による「ミニ独立政府」のような主体が担うことを想定。加えて域内の全体設計を担う、一定の権限を有したアーキテクト(設計者)も必要ではないか。インフラ整備については、国の役割も重要となってくる。