いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

世代を超えたポップス。 pops hang low

2011-09-05 20:28:49 | 日記
 (1)音楽の「力」と言えば、活動を休んでいたミュージシャンが出かけたコンサートのヒット曲に鳥肌が立つ感動して、再び歌い出す決心をする人の気持ちを押すモチーブパワー(motive power)だ。一時歌手活動を休止していた大橋純子さんがポールマッカートニーの来日コンサートで「yesterday」を聞いての感動話だ。

 音楽に国境も年の差もない、時代と世代を超えた(cross over the generations)楽曲となる本物だ。AKB48の新曲が発売日に100万枚セールスを超えたと言われても、曲も知らなければ聞きたいとも思わない。48年後にもその曲が歌い継がれているのか、かなり不透明だ。

 来年で50年を迎える「ビートルズ」。先日もラジオ番組で半日近くをかけて全210数曲のビートルズのカバー特集をやっていた。音楽のジャンルを問わずに49年間に全曲カバーされているビートルズ・ソングスだ。

 (2)同じく9月にビートルズの英国、米国のチャート1位曲ばかりを集めた27曲のアルバム「ザ・ビートルズ 1」(リマスター版)が発売された。27曲も英国、米国と国を超えてチャート1位になったことのすごさもさることながら、当然ながら全曲知っている。

 時代と世代を超えたビートルズの楽曲集の企画特集もいろいろつくされたと思ったら、リマスター(高音質)による今年まだこんなグレートな企画特集も残っていたということだ。

 1アルバムでビートルズのチャート1位曲ばかりを聞けるというのも、他のミュージシャンではまず不可能でフリーク(freak)にはありがたい企画特集と言える。時代と世代を超えて受け継がれてきた「ビートルズ」の音楽価値、本物の音楽文化の実感だ。

 (3)「五線符の限界」と命名して、近年の内外のポップス音楽の低迷(pops hang low)を見てきた。音楽志向、嗜好が今は世代ごとに区別化されて、世代を超えた音楽が見当たらない時代だ。

 日本ではその間隙(かんげき)を埋めるように、かってのヒット曲のカバー全盛を迎えている。独自の解釈、スキルでカバー曲に原曲とは別の息吹を与えたという評価も聞くが、ポップスにはあたらしい音楽文化とも言える。

 (4)次元は違うがクラシック音楽界の源流は、過去の歴史的な偉大な作曲楽曲の再演再現、カバーリングだ。ベートーベン、モーツァルト等々の大作曲を現在のオーケストラ、指揮者が独自の解釈、スキルで再演、再現している。

 ある指揮者は、過去の名曲、大作曲のオーケストレーション(orchestration)にできるものなら、たとえばベートーベン、モーツァルトに直接聞いて確認したいことがあると言っている。

 クラシック音楽でもコンテンポラリー(contemporary)作曲ものがないわけではないが、まず比較問題にはならない。

 (5)そうして見ると、近年のポップス音楽の低迷もあるべきしてあるとも言える。クラシック音楽と比較検証するサイクルレベルではないが、ポップスの3分~5分、長くて7分の間の五線符の楽曲としてもメロディ、リズム、ハーモニー、テンポと時代と世代を超えて長くよくコンテンポラリーものを継続して創りあげてきたと感心する。

 出来るならクラシック音楽とは方向性の違う、コンテンポラリー原点のポップス音楽の時代と世代を超えたあたらしい楽曲にも巡り合いたいものだ。

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