いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本式役所仕事。 officialism of japanese style

2020-12-15 20:32:42 | 日記
 (1)コロナ感染拡大影響により収入が減った中小企業支援策の持続化給付金制度は、揃える書類の多さ、記入の煩雑さでなかなか申請が進まずに、経営難の緊急性、必要性に応えられないとの不評が多かったのは税金を使う正確、公正、公平を重んじる「お役所仕事」(officialism)であったが、フタをあけてみれば迅速化、効果が求められてパラドックス(paradox)として審査がルーズになり警察の不正摘発による不正受給件数が6000件、「30億円」になり、ペナルティを前に自主返還した事業者は6600件、「70億円」(報道)となることがわかった。

 (2)自主返還が不正受給摘発の2倍以上にのぼったのは、コロナ感染影響による事業経営の厳しさを考えれば受給基準制限にかかわらずに苦しさは頻度の差はあれ中小企業、事業者全般にかかわるものであり、罪の意識が薄く、自分も苦しいのだからだませればいいというあっけらかんとした軽い軽率感でこれも世相を反映したものであり、よく考えもせずに楽観的すぎる「大甘」がみられる数だ。

 (3)経済構造問題の中小企業、事業者支援策としてふさわしかったのかの問題(構造支援策)はあり、入口の申請が煩雑で厳格、むずかしく受給決定は大甘で底が抜けているという日本式役所仕事(officialism of japanese style)で、政府機関の準備、設計が不足していた結果だ。

 自主返還の多さを大甘、楽観論すぎると書いたが、原資はコロナ社会で厳しい中にいる国民投資(税負担)であり許されるものではない。国民性、日本的といえばそれまで、そうかもしれないが、厳しい、苦しいのはどこも同じでより必要としているところへの善意、支援、協力を踏みにじる不正行為だ。

 (4)不正に甘えて事業経営が改善、再建に向かい社会、国民に恩返しするという美談にでもなればいささかでも心が洗われるかもしれないが、不正摘発、自主返還12600件、総額100億円となれば制度の悪用とともにそれを引き出した政府機関の大甘、制度の不備にも原因はあり、くり返される感染症、災害に対する政府の「大甘」の危機管理に的確に迅速、効果的に対応、機能する準備、整備、計画が必要だ。

 (5)危機管理は大型化、ひんぱん性を帯びており、政府の責任として経済、社会、国民の安全、健康を守る準備、設計、計画の整備を急がねばならない。

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