(1)国際社会、世界は大きな岐路、転換点に直面している。露による一方的なウクライナ軍事侵攻は露軍19万人兵力ともいわれて圧倒的な軍事力により四方からウクライナに軍事攻勢を仕掛ける露軍に対して、欧米諸国は直接ウクライナ国民の生命、安全を守る行動、方法を持ち合わせずに露に対する経済、金融制裁に頼るだけで、プーチン大統領は目的をやりとげるまでは攻撃を止めないと断言している。
(2)西側諸国の経済、金融制裁に対しては、露は制裁により不足する従来の米ドル建て商取引に代わりロシア通貨のルーブル決済で実施することを決定して対抗している。さらに米国に代わり担ってきた国際宇宙ステーションへの往復など人工衛星打ち上げも拒否する対抗方針を示している。
(3)こうした欧米、NATO諸国、日本などと露の制裁対応措置は確実にこれからの世界の行く末に大きな禍根、障害、問題となっていくが、露の不条理なウクライナ軍事侵攻を世界がくい止めることが出来なければさらに中国の台湾侵攻にも口実発端、影響を与えるといわれて、北朝鮮では最近になって再びひんぱんにミサイル発射が続きトランプ前大統領との米朝首脳会談を受けて爆破、破壊したとされる核実験場の修復、再構築の動きがみられることが米国の商業衛星画像で確認されたことがあきらかになった。
(4)国際社会は権威主義、専制国家が民主主義、自由主義国家を数で上回る勢いで、露のウクライナ軍事侵攻を止められないとなれば中国、北朝鮮の力(軍事力優位)を誇示、背景にした挑発、挑戦的な行動が勢いを増して、手段、方法を選ばない力による現状変更、国家思想、主義が理不尽にも世界にさらなる脅威、威力、影響をあらわにしていくそういう大きな岐路、転換点に直面している。
(5)ウクライナ危機は露がバイデン大統領のアフガン対応、民主主義サミット主導で弱い米国を見越しての軍事侵攻であり、露に対して経済、金融制裁では対抗できないバイデン米大統領の米国の見誤りと書いたが、このままでは影響は中国、北朝鮮の行動力学にも波及して米国の存在沈下は避けられない。
(6)EU、NATO諸国も露とのエネルギー供給依存の高さから直接的な対抗手段、制裁には消極的なところが多く、露が増長する要因ともなっている。日本も露の天然資源、エネルギー量に着目して輸入、開発協力関係にあり、露経済促進政策を経済担当大臣に兼務させているように完全には切り離して制裁措置に出れない事情もある。
(7)しかし今回の露によるウクライナ危機情勢がどう決着するにせよ、強行したプーチン大統領の立場は国内外から支持されることは多くなく、独裁者として国家、国民を統制することはいつまでも続かずに疎外、破滅につながっていくだろう。
(8)早ければ早い方が国際社会の規律、規範(paradigm)の維持には幸いだが、プーチン後の露政治がどういう政治情勢、動向をみせるのかはわからずに国際社会、世界は大きな岐路、転換点を迎えて、はからずもプーチン大統領のウクライナ軍事侵攻が「その道」を開いた。プーチンの見誤り(miscalculation of putin)でもある。