いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

核共有論。 the nuclear common theory

2022-03-22 20:10:15 | 日記
 (1)岸田首相が3日間の早足外交でインド、カンボジアを訪問した。インドは米露と良好な外交関係を持ちウクライナ戦争の仲介には役割を果たせる立場にありながら、露から武器の供給を大きく受ける関係から反露決議、制裁には消極的姿勢で本ブログもインドには落胆したと書いたが、今年日本で日米豪印クアッド会議が開催されることもあり岸田首相は議長国として直接インドを訪問してモディ首相に露への停戦協議を働きかける狙いがあった。

 (2)日印首脳会談では両国がウクライナ戦争の即時停戦を求めることで一致をみせたが、インドが具体的な行動を起こすということまではならなかった。インドは中国との国境紛争を抱えて多元外交を進めており、露に対しても強い態度は示せないでいる。

 ウクライナ戦争、停戦協議では、核保有国で米露とも関係が深いインドの働きかけが重要だと考えているが、インドは動けない、動かない。

 (3)直近のメディアの世論調査では、露がウクライナ軍事侵攻したことで日本の安全保障が脅かされる不安を感じるかでは、強い不安が46%、ある程度の不安が41%で87%が不安を感じて、中国が台湾に軍事侵攻する不安を感じるかでは強い不安56%、ある程度不安33%で89%が不安を感じている。

 (4)この高い「不安」が米の核兵器を日本に配備して共同で運用する「核共有」について、議論すべきが57%と議論すべきでない32%を大きく上回っている。唯一の戦争被爆国日本としてはこれまでは国民にも過半数が核兵器禁止に強い思いがみられたが、現実は米の核の傘に守られた日米安全保障体制が続いており、今回は核共有を議論すべきかが問われたこともあってか57%が「核共有」を議論すべきと答えており、露によるウクライナ軍事侵攻、中国の台湾圧力、尖閣諸島の領海侵入、北朝鮮の核開発脅威が現実問題となって国民意識にも変化が感じられる。

 (5)日本政府は国連の140か国、地域以上が参加する核兵器禁止条約には米国など核保有国が参加していないことに追随して参加しておらず、日本もこれに参加すべきだとの意見も多いが国民の過半数が「核共有」を議論すべきだと考えていることとの整合性はどうなのか、仮に「核共有」と「使用禁止」は別問題と言ってみても戦力を保持せずに交戦権を有しない憲法に反することはあきらかであり、やはり日本での「核共有論」は理解できない。

 (6)岸田首相も予算委員会で「核共有」の可能性を聞かれて、非核三原則からできない考えを示している。世界は権威主義、専制国家が自由主義、民主主義国家より多くなり、経済戦争、領土拡張主義、対立が多くなり、今回の露のウクライナ軍事侵攻で国家の力による領土拡大の理不尽を現実のものとしてみせつけられて、国家、国民の安全保障意識にも変化がみられる、出てきている。

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