(1)ここに来てのバイデン大統領の大統領選撤退を受けてハリス副大統領が民主党候補として指名される(それしかない)状況が生まれ、はからずも初めての米国女性大統領誕生の可能性が出てきた。
(2)共和党トランプ候補としては8年前の民主党ヒラリー・クリントン候補と同様の女性大統領候補との対決となり、その時の経験値を練り直しているのだろうか。ヒラリー・クリントン候補とは米国社会をリードする社会富裕層のエスタブリッシュメント(establishment)との対決を演出して、恩恵を受けてこない白人マイノリティ層の岩盤支持を強固にして流れをつくりメディアも予想を誤るトランプ大統領誕生を実現した。
(3)今回候補の民主党ハリス副大統領は黒人系女性副大統領で従来の民主党支持を支える地盤であり、8年前のヒラリー候補との対決と比較してトランプ候補は当時は政治経験もなく泡沫候補という一方的な挑戦しかない状況と違って今は元大統領としての政治経験も積んでこれまでもバイデン大統領をわずかでも上回る支持率の有利な選挙戦を展開している。
(4)さらにハリス候補は検察官出身ということから、いくつもの訴訟を抱えるトランプ候補とは検察官対被告(犯罪者)という対比、演出を強調(報道)するものとみられている。米国大統領選での検察官対被告(犯罪者)という候補者の立場もスケールの小さい話で、ハリス候補も副大統領として政策偏向発言や担当する移民問題で成果がみられずに、バイデン大統領の大統領選撤退でハリス候補の民主党大統領候補として結束は伝えられているが国民支持、人気は乏しいとみられている。
(5)米国政治もトランプ時代から米国第一、保護主義で世界の覇権国家主義から国益優先の内向き政治姿勢がみられて、Gゼロ時代の印象を強くしている。大統領選を通しても政治家の人材不足はあきらかで、米国政治のスケールが小さくなった印象だ。
(6)トランプ前大統領が返り咲けば日本に米軍基地経費負担増を求めるだろうし、米中経済貿易戦争の再来で世界経済への影響も大きく、仮にハリス大統領となった場合、初の黒人系女性大統領で検察官出身ということが現在の世界政治地図、状況そして日本の米軍支配、日米安保、同盟、不平等で一方的な沖縄問題に変化がでるのか、注目、期待はしてみたいところだ。