相棒シーズン13 第5話「最期の告白」
やってもいない罪を認めたのは、娘に辛い思いをさせたくなかったため。その真相を暴いたところで、結果は何一つ変わらず、誰一人として幸福にならず、不幸な人間が増えるだけ。それであっても真相を隠すことは罪なのかどうか。「罪なのか」「正しければそれでいいのか」というカイトの問いかけに、右京さんは「真実から目を背けてはならない」「話はそれだけですか」、と、その善悪については答えていませんでした。
個人的な感情の有無、善悪の判断があったとしても、ただただ、どこまでも警察官として真実を明らかにしていく。そんな右京さんの姿が見られた話でした。それは時に頼もしく、時に怖いものですね。
結果として、堀江や岩倉の胸の重しは取れました。ただ、殺人を犯し、取引にまで及んでおいて「本当のことが言えて良かった」というのも何だかなぁとは思いますし、堀江の退職についても、違法行為に手を染めてしまったための自業自得ではないかとも考えられました。カイトにしてみればそう簡単に割り切れる話でも無いのでしょうね。
久美子の話を聞くカイトは、久美子から責められることは覚悟していたようでしたが、感謝されるとは思っていないように見えました。不幸な結果だけが残るかと思いきや、久美子や葵に笑顔が戻るという幸せな結果も残っていました。人を殺したことが許されるわけではないものの、親の娘を思う気持ちは確かにそこにあった。それが確認できただけでも、真実を明らかにした甲斐はあったのかもしれません。
だからこそ、締めのカイトの表情は、喜びと寂しさ、それらが入り混じった表情に見えました。堀江の退職を悲しむ反面、久美子と葵の笑顔という喜びもありました。
カイトは最後に何かを言いかけていましたが、何を言おうとしていたのか。ここで「すいませんでした」というのは違う気がします。カイトにしてみれば、堀江を守りたかったはずでしょうし。
かといって「やっぱり右京さんは間違ってます」というのもおかしい。真実を追究したことによって、幸せを得た人間をカイトは間近で見ています。恐らくそういった思いが入り混じった末に、何も言わなかったのではないかと。
真実を求めることの善と悪。求めた先に待っているのは幸せか不幸か。それは右京さんにも誰にも分からないことでしょう。それでも、それを恐れて真実を追い求める歩みを止めてはいけない。
OPの霧の演出は、そういった先の見えない中で、それでも真実を求めて捜査を続ける2人をイメージしているように思えました。
また、峯秋のいう、「取引という言葉の1人歩き」とは、「取引」が悪い印象をもたれるのを嫌ったのかなーと。これから司法取引という武器を手に入れようとしているのに、その武器に悪い印象をもたれては扱い辛いことこの上ない。「司法」とつけばまだしも、単なる「取引」では、麻薬取引だったり違法取引など、いくらでも頭に悪い言葉をつけることが出来てしまいます。
例え司法取引を可能にしたとしても、今の法すら守れないのに、新しい法など守れるのかどうか。法とは何のためにあるのか・・・厳格そうに見えて簡単に捻じ曲げられ、踏み潰されてしまうもののように感じます。
これまで右京さんの優秀な右腕として活躍していたカイトが、今回は久々に意見が対立することとなりました。こうしてぶつかって、迷って、その上でまた成長したカイトを見ていきたいです。「右京さんが正しいといったから正しい」ではなく、カイトはカイト自身の考えをもって、警察官を続けていかなければなりません。
次回はママ友の話。
やってもいない罪を認めたのは、娘に辛い思いをさせたくなかったため。その真相を暴いたところで、結果は何一つ変わらず、誰一人として幸福にならず、不幸な人間が増えるだけ。それであっても真相を隠すことは罪なのかどうか。「罪なのか」「正しければそれでいいのか」というカイトの問いかけに、右京さんは「真実から目を背けてはならない」「話はそれだけですか」、と、その善悪については答えていませんでした。
個人的な感情の有無、善悪の判断があったとしても、ただただ、どこまでも警察官として真実を明らかにしていく。そんな右京さんの姿が見られた話でした。それは時に頼もしく、時に怖いものですね。
結果として、堀江や岩倉の胸の重しは取れました。ただ、殺人を犯し、取引にまで及んでおいて「本当のことが言えて良かった」というのも何だかなぁとは思いますし、堀江の退職についても、違法行為に手を染めてしまったための自業自得ではないかとも考えられました。カイトにしてみればそう簡単に割り切れる話でも無いのでしょうね。
久美子の話を聞くカイトは、久美子から責められることは覚悟していたようでしたが、感謝されるとは思っていないように見えました。不幸な結果だけが残るかと思いきや、久美子や葵に笑顔が戻るという幸せな結果も残っていました。人を殺したことが許されるわけではないものの、親の娘を思う気持ちは確かにそこにあった。それが確認できただけでも、真実を明らかにした甲斐はあったのかもしれません。
だからこそ、締めのカイトの表情は、喜びと寂しさ、それらが入り混じった表情に見えました。堀江の退職を悲しむ反面、久美子と葵の笑顔という喜びもありました。
カイトは最後に何かを言いかけていましたが、何を言おうとしていたのか。ここで「すいませんでした」というのは違う気がします。カイトにしてみれば、堀江を守りたかったはずでしょうし。
かといって「やっぱり右京さんは間違ってます」というのもおかしい。真実を追究したことによって、幸せを得た人間をカイトは間近で見ています。恐らくそういった思いが入り混じった末に、何も言わなかったのではないかと。
真実を求めることの善と悪。求めた先に待っているのは幸せか不幸か。それは右京さんにも誰にも分からないことでしょう。それでも、それを恐れて真実を追い求める歩みを止めてはいけない。
OPの霧の演出は、そういった先の見えない中で、それでも真実を求めて捜査を続ける2人をイメージしているように思えました。
また、峯秋のいう、「取引という言葉の1人歩き」とは、「取引」が悪い印象をもたれるのを嫌ったのかなーと。これから司法取引という武器を手に入れようとしているのに、その武器に悪い印象をもたれては扱い辛いことこの上ない。「司法」とつけばまだしも、単なる「取引」では、麻薬取引だったり違法取引など、いくらでも頭に悪い言葉をつけることが出来てしまいます。
例え司法取引を可能にしたとしても、今の法すら守れないのに、新しい法など守れるのかどうか。法とは何のためにあるのか・・・厳格そうに見えて簡単に捻じ曲げられ、踏み潰されてしまうもののように感じます。
これまで右京さんの優秀な右腕として活躍していたカイトが、今回は久々に意見が対立することとなりました。こうしてぶつかって、迷って、その上でまた成長したカイトを見ていきたいです。「右京さんが正しいといったから正しい」ではなく、カイトはカイト自身の考えをもって、警察官を続けていかなければなりません。
次回はママ友の話。