ひびレビ

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「トゥルーマン・ショー」を見て

2015-10-08 07:26:19 | テレビ・映画・ドラマ
1998年の映画、トゥルーマン・ショーを見ました。

 トゥルーマン・バーバンクは保険会社に勤める至って普通の男性。彼が幼い頃から夢見ていた冒険家として世界を周りたいと思っていた矢先、海の事故で亡くなったはずの父が目の前に現れる。その父はあっという間に複数の人物により連れ去られてしまった。
 トゥルーマンはふと昔を懐かしみ、妻と結婚する前に好きだった女性ローレンのことを思い出す。彼女といた期間は僅かだったが、最後に出会った時、ローレンは何かから逃げるようにトゥルーマンと海辺へ向かった。そこでローレンはトゥルーマンの周囲はみんな役者であり、海も空も舞台装置に過ぎず、作り物だという。ローレン、本名シルヴィアと名乗る女性は彼女の父と称する男性に連れ去られたが、トゥルーマンにとっては忘れられない出来事だった。
 ラジオから偶然漏れてきた役者たちへの指示と現実との一致、エレベーターがあるはずの場所で椅子に座って待機している人々、街を出ようとするトゥルーマンを全力で止める人々・・・世界を怪しみ始めたトゥルーマンのとった行動は・・・

 そんな感じの映画「トゥルーマン・ショー」。ちゃんと見たのはこれが初めてです。実は昔、母が見たのをチラッと見た記憶がありまして、それがラストシーンだったため、どうなるか知ったうえで見ていたことになります(苦笑。ただ、本当にチラッと見ただけなのにここまで印象に残っているというのは、やはり凄い映画なんだなと感じます。時折何故か「レインマン」と混ざるのが不思議ですが(笑。

 さて、あらすじではトゥルーマン視点で書きましたが、映画の中では最初からトゥルーマン・ショーが作り物だということが分かります。感想を書くにあたり、序盤のあたりをもう一度見直していたのですが、メリルが「その芝刈り機は寿命。新品を買った方がいい」というシーンで、彼女の目線がトゥルーマンではなく隠しカメラに向けられていることに気づかされました。スーパーで買ってきたものをトゥルーマンに見せた際も、目をパッチリ見開いてまるで誰かに宣伝しているかのよう。何度も見返すことで気づかされることもあるものです。

 トゥルーマンが外に出たいという気を起こさないよう、あの手この手で海から遠ざけるスタッフたち。父を海難事故で死亡させて海に近づけなくし、船に乗ろうとしたら桟橋に沈んだボートを配置することでトラウマを蘇らせる・・・なかなかに手が込んでいます。その父も実は役者で当然生きており、エキストラに紛れ込んでしまっていたわけですが、それすらも感動の元にしてしまうのが恐ろしいところ。
 ただ、トゥルーマンを外に出さないためとはいえ、露骨に道を塞いだり、火の手が上がったりと若干やりすぎではと思えるところもチラホラと。よくこんな状態で何十年も続けてこられたな・・・


 物語後半はトゥルーマンではなく、制作陣の動きが主に描かれます。突如行方をくらましたトゥルーマンを探して全員が大慌て。ただ、監督やスタッフにとっては予想外の出来事であっても、視聴者にしてみればそれもまたリアル。きっと慌てふためくエキストラやスタッフの様子を含めて楽しんでいたのではないかと思います。
 ようやく発見し、何としてでもトゥルーマンを外に出させまいとして手を尽くすスタッフたち。しかしそれでも懸命に自分の人生を生きようともがくトゥルーマンの姿に視聴者は固唾を飲んで見守る。そしてラスト、ある意味育ての親ともいえる監督から話しかけられたトゥルーマンのとった行動が「会えなきゃ、『こんにちは』と『おやすみ』を」というお決まりの一言。全てを指揮し、見てきた監督といえどもトゥルーマンの心までは操作できない。監督の思惑すらも裏切ったトゥルーマンの行動に視聴者は感動の渦に包まれる!・・・

 といったシーンの記憶はあったのですが、その後、トゥルーマン・ショーが終わったと知った警備員2人は、別の番組を見ようとテレビガイドを探し始めたシーンは見覚えがなく。いくら人気番組とはいえ、それだけがテレビ番組ではない。終わったら終わったで別の番組を見るだけ。この切り替えの速さを見て、何ともいえない感じを抱きました。こうして次々に番組が始まっては終わり、いつかトゥルーマン・ショーも「そういえばそんな番組もあったな」という過去の物になるのかなと感じたシーンでした。

 スタッフロールが流れる直前、まるでテレビのチャンネルが切り替わるかのように映画が終わりを迎えますが、あれは「実はトゥルーマン・ショーに携わるスタッフや視聴者たちも別番組の一部に過ぎず、それを見ていた人物がチャンネルを切り替えた」と捉えるのは考えすぎですかね。

 ともあれ、きちんと見ることが出来てよかったです。レインマンもそのうち見ますかね・・・
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