原田先生、上手いっ!!!人物描写、心理描写、構成、流れ、どれも上手いっ!!!
わたくしの大好物なテーマじゃないですか!!!???(笑)
一回の恋で真実の愛を学ぶ人もいれば、多くの浮き名を流しても真実の愛に出会わない人もいる。
この対照的な人物を主人公とその父親を通して表現してみせたことが素晴らしかったです。
そして、母親の存在。それから主人公と相思相愛になるヒロイン。主人公の人生に大きく関わってくる登場人物によって、主人公が真実の愛にたどり着くまでの過程を実に見事に描かれてました。
主人公の純愛を邪魔する大人達の思惑や大人の事情。本当の自分を偽って生きてきたヒロイン。主人公にとっては初恋。ヒロインにとっては数回目の恋(おそらく…)。二つの恋が真実の愛に導く…。
原作は読んだことないですが、原田先生の脚色・演出は本当に素晴らしかったです。
主人公の父親は浮気性で典型的な男。母親は貴族の身分や体面を重んじる、こちらもありきたりな女性。主人公はこの二人の血を継いでいる訳だけど、
原田先生の脚本の素晴らしさは、一見、主人公もまた父親と同じ血を引き継ぐ運命だと匂わせつつも、実はそうじゃないところ。それは一花ちゃん演じる母親の存在が大きい。
一見、典型的な母親のようで、実は彼女もまた真実の愛に出会ったと感じさせる人物描写であったこと。それが、母親の言う“責任”の真意だと私は思っている。
母親がなぜ息子に父親の素性を隠そうとしたのか?それは自分のプライドのためではなく、息子の父親に対する憧憬心を壊したくない母親の気持ちに他ならないからだと思っている。
最低な夫だけども、恋愛当初は主人公と同じように尊敬の眼差しで見ていた時があったと思う。
結局は、息子の夢を壊したくない気持ち=自分のプライドの維持、にも繋がるけども、そこにはまさしく無償の愛に似た母親の愛が隠されていたと思う。その母親の血が主人公に真実の愛を気付かせたとも言える。
ヒロインもまた、たくさんの恋愛を経験して今がある訳だけど、主人公に出会って忘れていた初恋の記憶、淡い恋の記憶が呼び戻され、彼女のまた、真実の愛に出会い、そして同時に本当の自分に出会ったんだと思う。その過程が丁寧に描かれてました。
初恋は実らないというけど、真実の愛であれば不可能ではないと教えてくれるような脚本でありラストでした。
あと、キーアイテムが生きる演出に思わず唸った。父親から息子に手渡されるナイフが作品の中で命が宿ってました。キーワードや、キーアイテムが生きる脚本演出は演劇の醍醐味だと思う。「華麗なるギャツビー」の“歯”のようにね。
ということで、主人公のウラジミールを演じた柚香君。めちゃくちゃ良かった!最初の、恋に盲目のあたりとか、嫉妬度とか、恋愛中に陥りがちな心理状態をリアルに演じてました。アッパレ!でした。その上、ダンスがキレっキレっで、未来の花組を背負うオーラを感じました。どことなくコムちゃんの雰囲気があって、コムちゃんも名ダンサーさんだったから、是非ともダンスの花組を継承して頂きたい!と思った。
相手役のきらりちゃんも良かった。役柄はウラジミールより年上の設定なんだけど、学年も柚香君より上だけど、ぶっちゃけ年上感はなかった。っていうか「春雷」みたいに人妻でもないから全く問題ない。ちゃんと経験豊富さは表現されていたし、没落貴族的な、大借金を抱えながらも貴族の気位の高さもちゃんと表現されていたので良かったです。
この役は、ウラジミールとその父親ピョートルからも愛される役柄で、なんとなしに「あかねさす紫の花」の額田王をイメージさせる役柄でもありましたが、そこは原田先生の脚本が良くて、女の性(さが)的な恋と違って、ピョートルになびいた理由に説得力がありました。複雑な役柄でしたが本当に上手かったです。
ピョートル役のアキラ君も上手かった。お父さんにしては若いと思いましたが、きらりちゃんと同様、見た目の若さに関係なくちゃんと父親の貫禄があって違和感ありませんでした。こちらは懐が広いようで、男の性を捨てられない最低な役柄でしたが見事に演じてました。これも脚本が良くて、ラストのウラジミールとの対峙は、失いかけた父親の威厳を取り戻したことでしょう的な演技が良かったです。
母親役の一花ちゃんも本当に良かった。体面を重んじた典型的な母親のようで、実はそうじゃない複雑な母親の心理状態を上手く表現してました。結局は、母親の責任と言いながらも一人の女性に戻ってしまったけどね。そりゃ我慢にも限界があると思うよ…的脚本も良かった。
最近私には???的作品が続いたので、単純に素晴らしいと思える脚本に出会えて嬉しかったです。
あと、松井るみさんの美術も良かった。一見、昆布にも見えるm(__)m柱兼樹木が印象的で、照明によって本物の樹木のように見事な樹皮の凹凸感を出していて素晴らしかった。ぶっちゃけ書くと、白樺をイメージして、尚且つ、ロシア作品を象徴するために色はグレーより白の方が良かったんじゃないかな~と思った。でも白樺の幹は細いからグレーでいいのか…。
それから、ギロチンをイメージしたかのような屋根も印象的でした。一体あれは何をイメージしたんだろうね…?
今日のまとめ:いや~、それにしても、今のところ、原田先生の脚本にハズレがないね。今回も私好みの素晴らしい脚本演出でした!
わたくしの大好物なテーマじゃないですか!!!???(笑)
一回の恋で真実の愛を学ぶ人もいれば、多くの浮き名を流しても真実の愛に出会わない人もいる。
この対照的な人物を主人公とその父親を通して表現してみせたことが素晴らしかったです。
そして、母親の存在。それから主人公と相思相愛になるヒロイン。主人公の人生に大きく関わってくる登場人物によって、主人公が真実の愛にたどり着くまでの過程を実に見事に描かれてました。
主人公の純愛を邪魔する大人達の思惑や大人の事情。本当の自分を偽って生きてきたヒロイン。主人公にとっては初恋。ヒロインにとっては数回目の恋(おそらく…)。二つの恋が真実の愛に導く…。
原作は読んだことないですが、原田先生の脚色・演出は本当に素晴らしかったです。
主人公の父親は浮気性で典型的な男。母親は貴族の身分や体面を重んじる、こちらもありきたりな女性。主人公はこの二人の血を継いでいる訳だけど、
原田先生の脚本の素晴らしさは、一見、主人公もまた父親と同じ血を引き継ぐ運命だと匂わせつつも、実はそうじゃないところ。それは一花ちゃん演じる母親の存在が大きい。
一見、典型的な母親のようで、実は彼女もまた真実の愛に出会ったと感じさせる人物描写であったこと。それが、母親の言う“責任”の真意だと私は思っている。
母親がなぜ息子に父親の素性を隠そうとしたのか?それは自分のプライドのためではなく、息子の父親に対する憧憬心を壊したくない母親の気持ちに他ならないからだと思っている。
最低な夫だけども、恋愛当初は主人公と同じように尊敬の眼差しで見ていた時があったと思う。
結局は、息子の夢を壊したくない気持ち=自分のプライドの維持、にも繋がるけども、そこにはまさしく無償の愛に似た母親の愛が隠されていたと思う。その母親の血が主人公に真実の愛を気付かせたとも言える。
ヒロインもまた、たくさんの恋愛を経験して今がある訳だけど、主人公に出会って忘れていた初恋の記憶、淡い恋の記憶が呼び戻され、彼女のまた、真実の愛に出会い、そして同時に本当の自分に出会ったんだと思う。その過程が丁寧に描かれてました。
初恋は実らないというけど、真実の愛であれば不可能ではないと教えてくれるような脚本でありラストでした。
あと、キーアイテムが生きる演出に思わず唸った。父親から息子に手渡されるナイフが作品の中で命が宿ってました。キーワードや、キーアイテムが生きる脚本演出は演劇の醍醐味だと思う。「華麗なるギャツビー」の“歯”のようにね。
ということで、主人公のウラジミールを演じた柚香君。めちゃくちゃ良かった!最初の、恋に盲目のあたりとか、嫉妬度とか、恋愛中に陥りがちな心理状態をリアルに演じてました。アッパレ!でした。その上、ダンスがキレっキレっで、未来の花組を背負うオーラを感じました。どことなくコムちゃんの雰囲気があって、コムちゃんも名ダンサーさんだったから、是非ともダンスの花組を継承して頂きたい!と思った。
相手役のきらりちゃんも良かった。役柄はウラジミールより年上の設定なんだけど、学年も柚香君より上だけど、ぶっちゃけ年上感はなかった。っていうか「春雷」みたいに人妻でもないから全く問題ない。ちゃんと経験豊富さは表現されていたし、没落貴族的な、大借金を抱えながらも貴族の気位の高さもちゃんと表現されていたので良かったです。
この役は、ウラジミールとその父親ピョートルからも愛される役柄で、なんとなしに「あかねさす紫の花」の額田王をイメージさせる役柄でもありましたが、そこは原田先生の脚本が良くて、女の性(さが)的な恋と違って、ピョートルになびいた理由に説得力がありました。複雑な役柄でしたが本当に上手かったです。
ピョートル役のアキラ君も上手かった。お父さんにしては若いと思いましたが、きらりちゃんと同様、見た目の若さに関係なくちゃんと父親の貫禄があって違和感ありませんでした。こちらは懐が広いようで、男の性を捨てられない最低な役柄でしたが見事に演じてました。これも脚本が良くて、ラストのウラジミールとの対峙は、失いかけた父親の威厳を取り戻したことでしょう的な演技が良かったです。
母親役の一花ちゃんも本当に良かった。体面を重んじた典型的な母親のようで、実はそうじゃない複雑な母親の心理状態を上手く表現してました。結局は、母親の責任と言いながらも一人の女性に戻ってしまったけどね。そりゃ我慢にも限界があると思うよ…的脚本も良かった。
最近私には???的作品が続いたので、単純に素晴らしいと思える脚本に出会えて嬉しかったです。
あと、松井るみさんの美術も良かった。一見、昆布にも見えるm(__)m柱兼樹木が印象的で、照明によって本物の樹木のように見事な樹皮の凹凸感を出していて素晴らしかった。ぶっちゃけ書くと、白樺をイメージして、尚且つ、ロシア作品を象徴するために色はグレーより白の方が良かったんじゃないかな~と思った。でも白樺の幹は細いからグレーでいいのか…。
それから、ギロチンをイメージしたかのような屋根も印象的でした。一体あれは何をイメージしたんだろうね…?
今日のまとめ:いや~、それにしても、今のところ、原田先生の脚本にハズレがないね。今回も私好みの素晴らしい脚本演出でした!