うわー、めっちゃ懐かしい声!!
もう、ファーストガンダム好きには堪らんわ!
主人公藤原千代子の中年期の声の小山茉美さん(ギリシア)
その主人公に一途に慕う映画製作会社の社長立花源也が飯塚昭三さん(リュウ・ホセイ)
千代子の旦那で映画監督大滝諄一が鈴置洋孝さん(ブライト)
めちゃくちゃ懐かしかった!
鈴置さんは早くに亡くなられたのでもう鈴置さんの声でブライトを聞くことはできないけど、声がめちゃくちゃ玉木宏君に似ていて、玉木君ならブライトできる!!と思った。
あと、千代子が慕う鍵の君の声がカメレオン声優の山寺宏一さん。めっちゃええ声!藁
ということで、
製作されたのは2001年やったんやね。もっと最近だと思った。
去年?一昨年?今敏監督作品の1997年作「パーフェクトブルー」のリバイバル上映の評判がすこぶる良かったのに観る機会を逃してしまったので、こちらも評判が良かった「千年女優」を観てきました。
作品のタイトルは存じていましたが、まさか大人が楽しめる作品だとは思っていなかった。
ワタクシ、基本アニメ作品には興味がなく、ディズニーもしかり、アニメ=お子様も楽しめる作品という偏見しか思っておらず、特別な理由がない限り観ることはないのですが、この作品に関しては、むしろ大人の方が楽しめる作品だと思った。
いやー、
めちゃくちゃ良かった!!
映画を観ながら「AKIRA」がフラッシュバックされたよ。
なんてたって斬新な絵面と演出。
プロット的にはめちゃくちゃ単純で、若い頃に出会った運命の人をひたすら追いかけ続けるストーリー。
見せ方がもう斬新!
千年女優だから、ポーの一族のエドガーのように永遠の命を獲得し、千年以上女優を続けている主人公ではなく、
女優という仕事、俳優の仕事とは、日本人でも古代ギリシア人やイギリス人にも宇宙人にもなれるように、時代も世界も性別も越えて演じられるという俳優の特性を活かした見せ方だった。
めちゃくちゃ複雑な映像構成だったしね。これはアニメじゃないと表現出来ない。実写だと陳腐になりかねないし、そもそも撮影が大変だと思う。
とは別に、
ストーリー的には、源也の千代子への一途さとひたむきさにもう涙涙だった。千代子の危機一髪に必ず助けにくる役どころで、ユーモアな存在感を醸し出しながらも千代子への一途な想いに、そのギャップに涙涙。
千代子は千代子で、運命の出会いとなる、名前も知らない画家(鍵の君)が落としていった鍵を届けるために、ただただ鍵の君に会いたい気持ちで追いかけ続ける。会いたい気持ちが日に日に増していき、恋心が熱愛に変わっていく。その描写がめちゃくちゃ良い!
ラストのオチ的台詞は、だろうね!良く分かる!って思ったくらい千代子の生き様を一言で上手く表現していた。
映画女優として第一線で活躍しながらも突如姿を消し、30年ぶりにドキュメンタリー作品の主人公としてカメラの前に佇む初老の千代子。
千代子の人生を、鍵の君への一途さと女優人生とリンクさせながら戦国時代、明治、大正、太平洋戦争終戦直後の空襲で焼け野原になっている時代、そして宇宙時代へと駆け抜けていく。ただひたすら鍵の君に会いたい気持ちを募らせながら。
どこまでが千代子の現実で、どこまでが千代子の女優人生なのか?その線引を曖昧にしながら、千代子の鍵の君への想いを描き方が絶妙だった。
まるで過去に、未来にタイムスリップしているように見せながらも、役としてそれぞれの時代を演じている。時には、ある種の呪いで演じ切れなくなったり、地震が起こったりして現実に戻される。
どの時代の、どの役を演じていても、鍵の君への想いとリンクする役どころになっている。どの役でも想い人のために疾走する千代子。
そして、それぞれの時代の、それぞれの役を演じていても、現実においても、どんなに追いかけても想い人や鍵の君には会えない設定になっている。
そして、そして、ラストの、宇宙に飛び立つ千代子と現実の千代子がリンクしている様も素晴らしい!千代子の一生、濃密な人生をたった87分で描くなんて!
マジ、秀逸!
初老の千代子が回想しているように見せながら、その回想シーンには今の源也とカメラマンが登場する。まるでミュージカル「エリザベート」のルキーニみたいに、ストーリーテラーの役割だけでなくカフェの店員になったりカメラマンになるように、源也も千代子の女優人生の重要キャラになったりする。
それもそのはず、源也は若い頃役者として千代子のそばにいた。そのことに千代子は全く知らなかった。千代子は、若い源也に何度も助けられている。
その若い頃の源也がめちゃくちゃ良いねん!?今の源也もコメディーキャラで良い味だしてるけど、若い頃の源也の描写も良い。
登場人物は、千代子同様にいろんな役を演じ千代子と絡んでいき、現実においても千代子と絡んでいく。
めちゃくちゃ複雑な構成と描写になっている。作画も大変だろうけど、映像編集も大変だろうなというのが伝わってくるくらい展開が早い。
それに、たった87分のドラマなのに、ちゃんと伏線を敷いて回収しているのも素晴らしい。
チラシの絵面だけ見ると、タイトルの女優と宇宙服を着た主人公が全く一致しなくて謎しかなかったけども、実際に映画を観たら納得!ちゃんと一致してる!
本当に素晴らしい作品でした!