さすが、女優夢白あや!
完璧なメルトゥイユ夫人だった!
アーサのヴァルモンも、女たらし感が滲み出ていてマジ嫌な男だった。それがマジ最高!
やっぱり、かめロマは、ヴァルモンもメルトゥイユ夫人も゙そこそこ悪人でないとね。
ということで全ツ初日、ゆひすみコンビの宙組公演以来のかめロマを観てきました。
いや〜、まさか、アーサとあやちゃんで文句なしのかめロマが観れるなんて思ってなかったよ!
2人ともまだまだ若いのに、マジで素晴らしかった!しかも2人とも最強ヴィジュアル!
宙組は宙組で新しいヴァルモン像のかめロマで素晴らしかったけど、この雪組全ツ版は、初演のユキはなコンビの雪組を踏襲してる感はあったけど、トータルでは初演より良かった。
初演は、なんだかんだいっても、トゥールベル夫人の星奈優里ちゃんの功績が大きかったと思うからね。あの貞淑な妻の色気に勝てる娘役はまだ見たことない。
は、いいとして、
ヴァルモンのアーサは、初演のユキちゃんを踏襲している感が強かった。めちゃくちゃ女たらし!それがイイ!!藁
やっぱヴァルモンは、男のフェロモンを撒き散らしてナンボやからね!
あとさ、
♪あなたがいたから 生きて こら〜アーれ〜た〜♪
の “アー” が強調されてこその主題歌だもんね。
アーサも、ユキちゃん並に歌い上げてくれてマジ感動!
ゆうひさんのヴァルモンは、自分の本心がわかっていて、精神的に大人だからメルトゥイユの駆け引きに乗っかってやってる感が強く、人物像としては決して悪人の印象はなかったけど、
アーサもユキちゃんも女たらしの悪人だったもんね。
2人とも自分の本心には気付いてはいるけど、性欲や支配欲といった雄の本能の仮面を捨てられずにいる。だが、トゥールベル夫人とセシルとの恋の駆け引きをしているうちに自分がメルトゥイユ夫人だけを愛していることに気付く。
この根っからの女たらしが真実の愛に目覚める。
雄の仮面を外そうとした時に、ダンスニーに決闘を申し込まれ覚悟を決める…。
あやちゃんのメルトゥイユ夫人は、幾重にも重ねられた厚い厚いプライド仮面を外すことが出来ない女性。愛する男に裏切られまくっているから余計、本心を仮面で隠すことでしか自我を保つことができない、素直になれない。
そんなメルトゥイユもまた、本心ではヴァルモンを愛しているのに素直になれない。偽りの恋を繰り返す。そして、まさか自分の一言でヴァルモンとダンスニーの決闘するとは思っていなかったが、もう止めることが出来ない。厚い仮面のせいで制止することもできない。
決闘の結果、ヴァルモンが生きていることが分かり、とうとう厚い仮面が外れる。
これぞまさに仮面のロマネスク!
革命?前夜、束の間ではあるが、真実の愛に気付いた2人は愛を確かめあって幕。
いやー、さすが柴田先生!めちゃくちゃよく出来た作品!
ちゃんと学びと気付きがある!本来、柴田先生が描きたかったのはこれだと思うんよね。
アーサもあやちゃんもまだまだ若いのに、完璧な役作り!
メルトゥイユ夫人なんて、ぶっちゃけ、宝塚のトップ娘役が演じる役でも、天才少女の北島マヤですら演じられるような役でもないのに、
あやちゃんは完璧なアプローチ!
ラスト10分はマジ素晴らしかった!まさかメルトゥイユ夫人でウルッとくるとは思わなかった。それくらいリアルにメルトゥイユ像を創り上げていた。
「心中恋の大和路」の梅川もしかり、「ボニー&クライド」のボニーもしかり、歴代演じられてきた先輩とは違うあやちゃん独自のアプローチの仕方がめちゃくちゃ良い。役の掘り下げ方が上手い、かつ説得力がある!
ヴァルモンが生きていて良かった!という気持ち、プライドという仮面が外れる瞬間の演技がマジ秀逸!役に入り込んでか、感情の揺らぎが3階席まで伝わってきた。まじウルッときた。
本当に素晴らしいメルトゥイユ夫人でした。
こんなの見せられたら、カペー未亡人の牢獄シーン、どうなることやら!?
今回の雪組全ツ組は、配役がハマり過ぎ!初演よりピカ一!初演はなんだかんだ言っても、良し悪しがある。
だけど、全ツ組は、文句なく完成度が高い!
ダンスニーの縣千君の若々しさがめちゃくちゃピッタリ!純粋さはあるけど、本能に勝てないというか、メルトゥイユ夫人の色香に騙されやすい愚かなダンスニー像を創り上げてた。
ダンスニーもまた真実の愛に気付くんよね。そして、恋人のセシルもまた。
トゥールベル夫人の希良々うみちゃんも良かった!
もちろん、星奈優里ちゃんみたいな究極の大人の色香はなかったけども、そんな色香なんて必要ないくらい貞淑な妻のイメージがピッタリだった。貞淑な妻が完全にヴァルモンに支配されてしまった感を上手く表現されていて、やらしさがないのが逆にリアルだった。ゆりちゃんはある意味やり過ぎだったかもね。
トゥールベル夫人に関しては、特に星奈優里ちゃんの場合は禁慾精神がヴァルモンによって開放、全開にされてしまった感、自我崩壊へと導かれた感が強かったけれども、うみちゃんのトゥールベル夫人は、自我を抑えきれなくなるギリギリラインを行き来している感が逆にリアルな女性像だった。
うみちゃんは、仙名彩世さんや紫ともちゃんに似ていて大人ぽい要素がめちゃくちゃトゥールベル夫人のイメージにピッタリだった。化粧も貞淑感を出すために薄くしてたよね?多分ね。アプローチも完璧だった。
この雪組全ツメンバー、めちゃくちゃ若手が脇で頑張っていて、全然知らない生徒さんばかりだけども、役が役だけにその若さや初々しさも作品作りに大きく貢献していたと思う。
この作品って、ただの大人の恋の駆け引きがテーマのラブロマンスだけやないやん。
フランス革命を経て間もないパリを舞台に、何度何度も市民革命が起こっては政権が交代しまくっている不安定な時代。まだまだ貴族社会が根強い時代。
片や飢えで苦しんでいる市民がいるというのに、片や貴族の屋敷では、取るに足りない恋愛沙汰で1日が過ぎるような日常が繰り広げられている。
この貴族社会が没落する前夜?明日どうなるか、命があるか分からない前夜までを描きつつ、不安定な時代であっても、栄耀栄華を極めた貴族にも真実の愛を求める人間らしさ、気付きと学びを描いた作品だと思うんよね。
貴族であろうと市民であろうと、同じ人間。真実の愛には身分の差はない。真実の愛を知らずに生きて死ぬのと、知って生きて死ぬとでは人生の価値観が大きく異なる。
今日も客席で、「こんな作品しなくてもいいのに…」と言うおばさま方の声が聞こえてきましたが、私に言わせれば、あなた方にはそうでしょうね!宝塚の18禁作品ですもんね!と言い返したくなる。
私に言わせれば、18禁というのが仮面なんですよ。裏に隠れた真実が見えないなんて…。
ほんま、柴田先生のタイトルの付け方が素晴らしい!
ショーは、ダイモンがトップ時代に、「凱旋門」と併演作。残念ながら私は観劇してないので、お初ではありますが、
めちゃくちゃ良かった!
めちゃくちゃ全ツ向きのショー!
間違いなく全国で楽しまれる喜ばれるショーだと思う。
初日だったせいか、客席が熱い熱い!手拍子が熱い!
しかも、ラテンものだから組子も客席も更にテンションがアゲアゲ!
アーサの歌い上げる歌い方が圧巻過ぎて、テンションが更に更にアゲアゲ!
ラテンと言えばの名曲が目白押しで、特にヤンさんお馴染みのタンゴ曲が最高だった。振り付けはヤンさんだったかな??
カーテンコールでは、2回目でアーサがテンパってる感があって新鮮!あやちゃんがフォローしていて頼もしい限り。
お芝居もショーも本当に素晴らしかった。
これからご覧になられる方はお楽しみに!
1階席の方は更にお楽しみに!