実に意味不明やったわ!
まるで唐さんの戯曲を文学座風に演出してます!って感じの作品だった。
前回観た「いのち知らず」もなかなかの難解な作品だったけど、今作は更に輪をかけて難解だった。
最後まで何の言葉も降りてくることもなく終わってしまうのかな?と思ったけど、
キーワードは、戦争と過去かな?と思った。
久々に脳みそフル回転したよ!藁
ということで、今年も大活躍だった太賀君とふみちゃんの舞台を観てきました。
今年は、「虎に翼」で虎子の最初の夫の優三役を演じ、
戦地に赴くシーンでの虎子との別れのシーンは名場面だったね!
めちゃくちゃ癒し系の存在だった優三さんだったのに、「新宿野戦病院」では、女好きなエリート?ボンボンという優三さんと真逆の役を演じ、
山田孝之君とダブル主演映画も絶好調で(観てないが…)、
今年もカメレオン役者ぶりを遺憾なく発揮されていましたね。
再来年は、太賀パパ念願の大河の主演も決まり、まさに、飛ぶ鳥を落とす勢いやね!
今回は、めちゃ闇を抱えた青年役で観ていて新鮮でした。
ふみちゃんは、去年は映画「月」と「翔んで埼玉!」で大健闘しており、松尾スズキさんの「不倫探偵」以来の生ふみちゃん。映画ドラマで大活躍でしたが、すっかり大人の女性になられ、
今回は、太賀君同様に、心に闇を抱えたミステリアスな感じの女性を好演してました。
では、ここからは、正直、全く理解してません!を前提に、妄想と想像を交え、感じたことを書いていきます。
この作品は、縦軸が男女の痴話のもつれ。単純な三角関係ではなく、登場しない人物を含め七角、ひょっとしたら岩松さんも関わっているなら八角関係かもしれないね。男女の愛憎劇が縦軸にあり、
横軸に戦争や殺人、ひょっとしたら自死も、過去のトラウマであったり、分裂症(統合失調症)もしくは多重人格であったり…。そういった社会や心の闇が縦軸に絡みついていると解釈しました。
自分の解釈が正しいとは思っていませんが、
この作品に登場しない三人の人物が物語のカギを握っている。
死の間際の兄から、戦友の遺族に軍服を返すように頼まれた、太賀君演じる修二がとある旅館に訪れる所から話が始まり、
その旅館には、岩松さん演じる主人、その息子の正継(榎本時生君演じる)、その妻の斗紀(ふみちゃん演じる)が住んでいる。
そこに修二の兄嫁(池津祥子さん演じる)、彫刻家の中田(豊原功補さん演じる)、その部下の富永(新名基浩君演じる)が絡んでくる。
登場しない人物というのが、修二の兄貴、斗紀の姉、飼ってる亀と同じ名前の○○(忘れた…)。
この三人が、修二、斗紀、正継、主人、兄嫁と絡んでくる。兄嫁に関しては、修二とかな?
綺麗な八角関係ではないが、愛憎ダラダラ。
正継は斗紀の姉を愛していたが、姉が失踪。正継は妹の斗紀と結婚。主人は、斗紀の姉を愛しく思っていた、今も。
斗紀は、正継を愛していたが、修二の訪問により気持ちが修二に傾いていった。
そこにもう一人、亀と同じ名前の正継の親友?が戦地に赴き戦死。ちなみに、亀は、斗紀の姉が大事に育てていた。
修二の兄貴は、死の縁をさ迷っており、軍服を返すことだけでなく、修二に自分の嫁か(兄嫁)と関係を持つように言っていた。
で、ここからネタばらしですが、修二は兄貴の理不尽な要望に怒り、兄貴を殺してしまったことを斗紀に告白する。斗紀は、殺したのは別の人間だと、さも知っているかのように修二に諭す。
修二は、富永に明日軍服を届けるために車で送ってもらうよう頼む。だが、その日は、富永は修二の兄嫁を道場に連れていく約束をしていた。それでも修二は富永に送ってもらうよう伝えようとすると、富永は軍服を貸してくれたら送っていくと言うのであった。
結局、その日、修二は軍服を届けに行くことができなかった。実は、斗紀が薬草で修二を1日中眠らせ、軍服を届けにいくことを阻んだのだ。
斗紀がなぜ修二を薬草で眠らせたかは、修二が軍服を返したあと自殺するのではないかと悟ったからと私は推察。
事実は分からないが、斗紀の姉の失踪は、実は斗紀が殺したのではないかと推察。だって斗紀は、正継のことを愛していたから。正継が姉を愛しているのを知っているから邪魔だったと推察。
修二も斗紀も大事な兄姉を殺害したならば合点が行く。たとえそれが自分でない別人格が殺害したとしても…。
同じ過去を背負った者同士だからより一層愛しさが増したと推察した。
修二が薬草で1日中眠らされて目覚めたあと、修二と斗紀は惹かれ合っていたため抱き合った。斗紀がその場から離れたあと、カウンターの下から正継が現れる。正継は、手袋を探していた。二人の包容を見ていたかは定かではないが、手袋は見つからぬまま仕事に行く。
その後、修二は、軍服を来た富永を窓の外で立っているのを見つける。
その直後、銃声を聞く。この旅館に熊用の猟銃があり、正継が川に仕事に行くので護身用のために持っていっていた。
斗紀が正継の手袋を主人の部屋から見つけ、正継に届けに行くが渡さず戻ってくる。その時何か意味深なことを言うが、
ひょっとしたら、正継は猟銃で自殺し斗紀は何も知らないふりして戻って来たのではと私は推察。
斗紀は、正継の死を自分にとって知らない過去として葬り去ろうしたとしたのではないか?
正継が自殺だと思った理由は、斗紀の姉が失踪したことと、大事に飼っていた亀の名前と戦死した親友の名前と同じことから、斗紀の姉は親友を愛していたことを知っておりそれを感情に出さないようずっと心に奥に封じ込めていた。ひょっとしたら、斗紀の姉の失踪は、正継が関与しているのかもしれない。
正継は、結果的に斗紀の姉にも、斗紀にも裏切られ、居場所を見失い自殺したと推察。実際は、あの銃声が何かは分からないが…。
誰も聞いていないから、修二の聞き間違いとも解釈できる。
あと、床の傷跡と亀。これは何かを暗示したメタファーとも解釈できる。
蛇が亀を襲おうとしたから、主人が退治しようとして出来た傷。本当に蛇がいたかは分からない。ひょっとしたら主人の妄想かもしれない。
メタファーならば、亀と蛇は、斗紀の姉と戦死した親友を象徴し、二人の仲を主人が嫉妬のあまり引き離したとも想像できるし、
亀が親友ならば日本を象徴し、蛇は敵国とも解釈できる。
ここからも推察できるように、この作品が何故、戦争がキーワードになってくるかというと、
兄嫁の台詞に戦争反対を喋っているから。行こうとしていた道場には、同じ考えの人たちが集まる場所だと言うこと。
また、富永は軍服を貸して欲しい訴えがあったように、戦争賛成者と推察できる。
戦争が抱える闇、PTSDだげでなく、人殺しが正当化される戦争と、痴話のもつれによる殺人と対比しつつ、
過ちは償わないといけないのは当たり前だけど、罪を償ったら同じ過ちを繰り返さず、過去に苛まれることなく前を向いて歩いていこうよ!というメッセージが伝わってくるようだった。
実際の岩松さんの意図は全く分からないが、私が感じたことがそれでした。
昨今って、戦争に限らず、本当に簡単に命が消えていく。自殺もしかり殺人のニュースが絶えない。
戦後の物がない時代ではないのに、逆に物が有り余っている時代なのに、戦後直後よりも心が荒んでいる。
私みたいな独り者が増えているせいもあるけど、核家族に代表されるように、家族関係も希薄ならば、近所付き合いも希薄な世の中になっている。
もうさ、私も人のこと言えないが、普通の会話ができない人が多い。そりゃ、一から十まで説明するのは面倒くさいのは分かるが、何かを要求するときはちゃんと理由を説明しろよ!と言いたくなる時がある。
アレしろ!コレしろ!だけじゃ、ロボットじゃねぇーんだよ!と言い返したくなる。ちゃんと納得できるまで説明するのが仕事やろ!と言いたくなる出来事が多々ある。
これは、完全にコミュニケーション不足。
私自身もそうだけど、会話を諦めるな!と言いたい。コイツには通じないから話しても無理と、早々に諦めるな!と言いたい。質問してくるなら何度でも答えてやれよ!そもそも、ちゃんと相手にも分かる説明ができているのか!?ちゃんと自己分析しろよ!と言いたくなることが多々ある。今日も、劇場に行く前にひと悶着あったんだけどね。
最近、落ち込むことが多かったので、以前みたいにブログが書けない状態が続いていましたが、
良い意味で活気を取り戻すことができたのでその方に感謝。
そこからのこの舞台だったので、
説明がないから勘違い解釈もあるけど、妄想と想像が働いた作品でした。
岩松さんの舞台は、恒例なのか、カーテンコールにキャスト全員の挨拶がありました。
時生君がお兄ちゃんの佑君に間違えられたとか、その前にお父さんと間違えられたとか、めちゃくちゃよく分かる!
客席が遠かったせいもあり、時生君がお兄ちゃんに見える時が多々あった。声もそっくり!
再来年の大河主演が決まったせいか、太賀君の挨拶がやけに真面目だったね。
最後は、服を半脱ぎしてランニングシャツで決めポーズ。
脱ぐの好きなん?
(笑)