光る君へ

2024-12-26 00:11:00 | ドラマ
人生で初めて最初から最後まで観させて頂いた大河ドラマでした。高畑充希ちゃん演じる定子が亡くなる回だけ見逃しましたが、それ以外は全て観させて頂きました。

戦国時代と違って戦争や殺戮がない時代作品だったので、人間ドラマという点においても、貴族社会のドロドロさ、決して殺戮がないわけではなかったですが、前半は呪詛がキーワードになるくらい安倍晴明の神通力を借りて呪い殺すなど摩訶不思議感も含め、興味深く観させて頂きました。

ぶっちゃけ書くと、朝ドラ「虎に翼」も、それこそ太賀君演じる優三さんが戦死した知らせを虎子パパが黙っていた回くらいまでは観てましたが、

朝ドラあるあるの、一旦終わった方々が次々に再登場するという後腐れしまくる切れ味の悪い展開が私は苦手なので、途中で観るのをやめましたが、

その点、「光る君へ」は当たり前ですが、失くなった方は再登場しない、再登場は松下洸平君と伊藤健太郎君くらいで、今思えば二人とも刀伊の入寇の伏線的役わりを担っていたことを思うと、脚本の妙を感じざるを得なかった。

正直、二人とも違和感がある存在感だったので、刀伊の入寇で再登場した時はここに繋がっていたのか!?と逆に感動した。

って言っても、日本史オンチなので刀伊の入寇なんて全然知りませんでしたが…。

正直、私が光る君へをほぼ全話観ることができたのは、YouTubeのかしまし歴史チャンネルのお陰です。

ドラマでは一切説明がない階級制度の仕組や、歴史好きにしか分からない裏情報を詳しく楽しく面白く解説して下さったお陰で、ドラマを10倍楽しく観させてもらいました。

いかに大石静さんの脚本が素晴らしいか、いかに時代考察・考証と再現が素晴らしいかを痛感させてもらいました。

ただ映像だけ見たら見流しているシーンも実は深い意味があり、分かる人にしか分からないという隠しネタが至るところに点在していたことを放送直後に知ると、勉強になるだけでなく、説明過多じゃないからこその脚本の妙に取り憑かれました。

大河ならではの登場人物の入れ替わり立ち替わりの激しさも、かしまし歴史チャンネルのお陰で短いシーンにしか登場しない人物も詳しく説明して下さるので、新しい人物が登場してくる度に逆に楽しみで仕方なかった。

っていうか、きりゅうさん(かしまし歴史チャンネルのメイン解説者さん)の知識の豊富さにひれ伏すばかり。なんてたってめちゃくちゃ分かりやすい!

めちゃくちゃオススメ!

かしまし歴史チャンネルYouTubeあってこその「光る君へ」でしたが、

物語の面白さだけでく、キャスト陣がめちゃくちゃ素晴らしかった!

ぶっちゃけ、紫式部役の吉高由里子ちゃんが、最初から最後までキャラクター造形が変わらなかったことに驚きましたが、年齢の変化はあったのはずなのに、見た目も言葉遣いもほとんど変わらない。若干落ち着きはありましたが…。

でも、吉高さんの素晴らしさは、圧倒的に目の表現。微妙な気持ちの揺れを目の奥の瞳で表現していたのが本当に素晴らしかった!

年を重ねるにつれ、立場上もあり、感情を抑えないといけないシーンでの無言の感情表現が絶妙だった!

特に、華ちゃん演じる源倫子との対話シーンね。道長とのシーンもか。本心を圧し殺さないといけないシーンとか、言葉に出さないシーンが、リアルに気持ちが伝わってくる名演技でした。

史実のイメージとは異なる道長役の柄本佑君も、最期まで初めてまひろに出会った頃と変わらないまひろloveさを貫き、時にはその性格の軟弱さや優柔不断さにイラッとさせられましたが、それも感情移入の証なので、本当に素晴らしかった!

最初は、大河のダブル主演的役柄なのに、イケメンじゃないのにな~と思ってしまってましたが、m(__)m

やはり、役が人を作るというとか、道長役は佑君で正解でしたね。あの優柔不断さは佑君だからリアルだったのかもしれない。道長の優柔不断さは、道長の中にある幼い三郎の面影を引きずっている証だもんね。

配役発表の時は、違和感しかなった清少納言役のファーストサマーウィカさんも、めちゃくちゃドはまりしていてビックリ!

鼻持ちならぬ性格だけでなく、定子への熱い忠誠心、意思の強さ、それに字が上手い!本当に素晴らしかった。ちゃんと最後まで登場してくれて嬉しかった。

ロバートの秋山竜次さんの黒光る君こと藤原実質も、最初は違和感しかなかったのに、回を重ねるにつれて男前に見えてきて仕方なかった!最初はこちらも鼻持ちならないキャラクターだったのに、性格的にも段々とカッコ良くなってきて印象がかなり変わった。

登場人物を一人一人語るとキリがなので、

このドラマでの私の中でのMVPを紹介して終わります。

私のMVPは、一条天皇を演じた塩野瑛久君と、彰子役の見上愛ちゃん。

二人ともギャップが半端なかった!

塩野君は、あのドラマ「ブラックファミリア」での、いけすかん息子役の印象が強すぎて、最初一条天皇が塩野君だとは気付かなかった!

どこかで見たことあるな~??と思って調べたら、あの息子だったんよね!

めちゃくちゃギャップありすぎ!めちゃくちゃ上手すぎ!

一条天皇が崩御されてからの、民放ドラマ「無能の鷹」の鶸田役も、一条天皇とのギャップありすぎ!マジ魅入ってしまった。鷹野役の菜々緒さんもドハマリ過ぎ!

いやいやいやいやいやいや、塩野君、天才やろ!?

彰子の愛ちゃんは、最初本当に14
歳の新人女優さんだと思ってた。地味な存在だし、演技出来るの?と思っていたら、

演技経験豊富な24歳と知ってビックリ!

いやいやいやいやいやいや、

14歳にしか見えない!寡黙な役だったから余計演技経験がない新人女優にしか見えない!

からの一条天皇への涙の愛の告白は、こっちまで涙もん!

めちゃくちゃ彰子の心情変化の表現が上手い!!

こちらもギャップ萌え!藁

人見知りの彰子が、唯一心を許していた定子の第一皇子敦康親王に対する姉心と母心の表現が絶妙で、敦康親王にしか見せない笑顔がめちゃくちゃキュート!そこもギャップ萌え!

そこからの、敦康親王が東宮になれないことを知って父道長に感情を顕にするシーンでもギャップ萌え!

そこからの彰子役として愛ちゃんの女優力が光輝いてきた!

彰子の成長と変化の表現は本当にアッパレでございました!

まひろのパパに仕えた、いと役の信川清順さん、まひろに仕えた乙丸役の矢部太郎さんも最後まで癒しキャラだったし、

弟の惟規を演じた高杉真宙君の最後も泣けたし、

散楽師の直秀の鳥辺野での最期、道長とまひろが無言で土を掘るシーンも泣けた。

赤染衛門のかなめさんも良かった!最後でまさかのキャラ変にビックリ!藁

伊周役の三浦翔平君の執念深さも印象深い。

高家役の竜星涼君が、代役だったのに、最後めちゃくちゃ美味しい役に昇華していてビックリ!

花山院の屋敷に矢を放った時は最低な役柄やん!?と思っていたのに、刀伊の入寇では英雄だったし。

あ、もちろん華ちゃんも良かったです!最初の天然さんのイメージから、道長との結婚を機に、娘達を天皇と結婚させて道長を陰で支えていく健気さとしたたかさが素晴らしかった。道長はまひろloveを貫くけど…。

結局、MVP 関係なく書いてしまった…。

m(__)m

平安時代において、まだ貴族社会が権力を握っていた時代。ここから戦の世の武士の時代へと変貌していくまでの平和な時代の人間ドラマ。

紫式部と道長のソウルメイト、とまでは思えなかったけど、最後まで楽しく観させて頂きました。

あと音楽も良かった。またに、クラシックの名曲をアレンジ?イメージ?インスピレーションを受けたようなメロディーが素敵でした。

マーラーのアダージェット、シェヘラザード、G線上のアリアなどがフラッシュバックされるメロディーだった。

ちなみに10月期のドラマは、「無能の鷹」、趣里ちゃんの「モンスター」、岡田将生君の「トラベルナース」、が面白かった!

あ、岡田君、充希ちゃん、ご結婚おめでとうございます!

「海に眠るダイヤモンド」は見逃し配信でも数話見逃した…。

ラストは、まさかの展開でしたが、最終話で宮本信子さんの演技に感動した!

最初は、宮本さんと花ちゃんが同一人物を演じているとは思えなかった。

撮影現場としては、端島のシーンは花ちゃんが演じていたから余計そう思った。

でも、ラストは、本当に宮本信子さんが若かりしころの花ちゃんとして端島で生活していたよう思えてならなかった。リアルに宮本さんと花ちゃんが同一人物に思えた。