祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』

2024-12-23 20:23:20 | うらけん
初演は、大阪公演が中止になったからDVDでしか観てないが、

ぶっちゃけ書いて申し訳ないけど、

初演の方が絶対にいいんだろうな~と思っていたけど、

DVDで観た時より断然良かった!!

浦井氏は、きじるしの王子より断然、三世治の方が似合ってる!

浦井氏の身のこなし軽やかさもしかり、なんてたって、長台詞も早口も一切噛むことなく流暢に喋る姿、一生君より良いかも!と思ってしまったよ。

ラストの三階って、若干傾斜がありますよね???あんなとこで立ち回りって、浦井氏マジすげーよ!

口八丁手八丁の悪行三昧、メタルマクベスやライトでも表現したガナリ声、とてもミュージカル俳優だとは思わせない表現の巧みさ、

鶴瓶さんに観てほしかった!!!

絶対、スジナシと同じ人物だと思わないはず!藁

観たら間違いなく感動すると思うよ!

ということで、チケットを手配した時は何も考えてなかったですが、

後々、「朧の森に棲む鬼」と同じリチャード三世をモデルにしていることに気付き、

ナイス組み合わせやん!と自分を褒めてあげたくなった。藁

っていうか、大阪公演も観るけどね!藁

って以前に、「ルル」が上演されてなかったら、間違いなく観てなかった (汗;)

これまたぶっちゃけさ、初演の方がキャスト陣が豪華だと思っていたが、

いやいやいやいやいやいや、

再演組も負けちゃいなかった。

やっぱ、初見が映像だと、伝わらないことが多々あり。こんな良くできた物語だったことに気付かなかった。

キャラクター造形も素晴らしく、やはり、生の舞台に勝るものはない!

DVDで観た時は、きじるしの王子、出番少な!もういなくなっちゃうの?と思ったよ。

今回、大貫君が演じたことで、身体の大きさも含め存在感が半端なかった。

ストーリーテラー?の木場勝己さんをはじめ、三人姉妹役の麻子さん、ケイトさん、ふうかちゃんもめちゃくちゃ良かった!

意外と中村梅雀さんがはまり役過ぎてビックリした!イメージ的には辻番長さんには敵わないと思っていましたが、

いやいやいやいやいやいや、

善悪のメリハリの付け方が絶妙だった。

リア王じゃない、もう一役の親分役が超最高!カッコ良くて痺れた!

三姉妹はも初演よりめちゃくちゃ良い!

ケイトさんもふうかちゃんも初演より断然良くなってる!

声と貫禄と存在感が圧倒的に素晴らしい!

ふうかちゃんなんて、時々松本まりかさんに見える時があったほど。二役の演じわけがマジでアッパレだった。

麻子さんもケイトさんも、悪女っぷりが板についていてリア王の世界観を体現していた。火花バチバチ感が堪らなかった。

一癖も二癖もある役柄を楽しんでいるのが伝わってくる役作りだった。

麻子さん、ケイトさん、ふうかちゃんは、リア王の三姉妹だけでなく、麻子さん側はハムレット、ケイトさん側はマクベスを担っており、ふうかちゃんは、ロミオとジュリエットと間違いの喜劇とリチャード三世を担っていて、

改めて、井上ひさしさんの脚本力に唸りまくり!

リチャード三世と言えば、アンがリチャード三世に唾を吐くシーンが有名だけど、ちゃんとあったしね。

間違いの喜劇に限らず双子シーンの見せ方も面白かったし、

シェークスピア作品の全部は知らなくても定番どこさえ知ってれば十分楽しめる内容になってる。

シェークスピア全37戯曲を網羅していたらしいけど、ぶっちゃけ、定番の数作品しか気付かなかったよ。

単純にシェークスピアの作品の登場人物を出すのではなく、リア王をベースに登場人物を重ねていく作業がマジ圧巻だった。

三世治は、リチャード三世だけでなくイアーゴやブルータスの役割も担っていたしね、多分。

ぶっちゃけ、DVDで観た時は音楽劇にする必要があったのかな?って思ってしまったけど、ま、蜷川版も音楽劇だったか…、生で観ると主題歌?がめちゃ耳に馴染んでた。

そうだよ、シェイクスピアがいなかったら、ウエスト·サイド·ストーリーは誕生しなかったんだよ!(笑)

音楽劇ならではのテンポ感と間延び防止に役立っていたと思った。だって、休憩入れて4時間やで!

よほどテンポよく見せていかないと観客は辛い。

その点、音楽劇だけでなく、キャラクター造形が素晴らしくて、ぶっちゃけ目が離せない!

ほぼ登場人物は、浦井氏の三世治に限らず悪人ばかりやん!?メインシチュエーションは賭博と女衒やん。ほぼヤクザの世界。

ミュージカルがお好きな貴婦人方には、目の保養にはならない内容かもしれないけど、

演技を観るという点においては、めちゃくちゃ見ごたえあり!

最初にも書いたけど、浦井氏に限らず、木場さん、ふうかちゃん、麻子さん、ケイトさん、大貫君、梅雀さん、梅沢さん、初演組の方々も、そうでない方々もめちゃくちゃ良かった!

大阪公演も楽しみにしてます!


ルル‐地霊・パンドラの箱‐

2024-12-23 00:10:00 | 舞台
めちゃくちゃ良かった!

主演の女優さんの変貌ぶりが圧巻だった!

最初、ベッドの上に立っている時は純粋な少女にしか見えず、娼婦の片鱗すら感じ得なかったのに!

時の経過と共に、上流階級の夫人へと上り詰め、そこから娼婦に転落していく様はマジ圧巻でした。

女優さんってホント怖い!

(笑)

ということで、本来ならば、「天守物語」を観たあとに夜行バスで帰る予定にしていましたが、本作の上演を知りホテルに泊まって観てきました。

かつて、しのぶさんも演じ、最近ではキリヤンが演じたルル。ドイツ?スイス?でもミュージカル化され、CDも購入済み。いつか生の舞台を観たいと思っていたので、念願叶って観ることが出来ました。

パンドラの箱というサブタイトルにめちゃ惹かれてたんよね。本は読んでないけど。



恵比寿にこんなキレイな地下劇場があるとは知らず、いや~まさしくガラスの仮面に出てくるような地下劇場!

1人の娼婦が次々に男をたらし込み不幸にしてゆき、そして自分も…。

ラストに切り裂きジャックが登場するのは、若干エンタメ色を感じてならないが、

ラストは、ルルの自業自得とも因果応報とは思えなかった。

日本にも江戸時代に吉原遊廓があったように、世界には既に娼婦は存在していた。

キリストが生きていた時代にも既にマグダラのマリアがいたように、古代ローマ時代にも女性奴隷がいたように、

いつの時代だって、女性が男性の性の道具にされてきた。男性社会に虐げられてきた。それが当たり前のように何千年も続いている、いまだに。

今だって、枕営業という言葉があるということは、性が商売の道具になってる。

需要があるから供給がある。必要とされるから商売になる。

何が言いたいかというと、

ルルは、ドイツ社会、いや、男性社会が作り上げた偶像だということ。

ルルは男に求められ、自分も男を求める。あるがまま生きてきただけ。

男たちが地獄に落ちたのは、ルルがわざと地獄に落としたんじゃない、男がみずから地獄に落ちたと解釈した方が正しいと思う。

それくらいルルには魅力があったんだよ。だから、男どもが破滅へと狂ったんだよ。独り占めしたいくらいの魅力。

後腐れもないセフレ関係だったなら、嫉妬に狂う必要もないでしょ?

梅毒移された?ルルが処女だと思って結婚したのか?ちゃうやろ?

ルルは、根っからの性に奔放で自由だっただけやん。ルルを選んだ方にも問題あるんじゃないの?

被害者ぶるのもいい加減にしろよ!って思ってしまったね。

ルルは、身を滅ぼすくらい魅力的な女性だったってことじゃないの?

私のために身を滅ぼす人がいないのと同じように。

そもそも、ルルに需要がなければ、娼婦になることもなかったと思う。

貧しかったから、可哀想だったから放っておけなかったんじゃなく、10代の頃から性的魅力があったんじゃないの?

クレオパトラの鼻じゃないけど、ルルが可愛くなかったら、どうだったのかな?

身を売ることしか術がなかったら同じだけど、間違いなく相手が違っただろうけどね。

人生は、親もしかり、誰に出会うかで大きく左右される。もちろん時代も。

時代の翻弄されたのはルルじゃない、ルルを取り巻く男達や女だと思うんよね。

ルルは時代に翻弄されたんじゃなく、時代に抗って生きてきたんだよ。

ルルは決して悪女じゃない、もちろん聖女でもない、一人の人間。愛に渇望した女性ではなく、むしろ愛を捧げた女性。本人は愛だとは思ってないだろうが。

ドイツがワイマール共和国1918
年誕生して30年も経たないうちに世界大恐慌の煽りを受けて崩壊。そしてナチスが台頭。

時代に、政治に翻弄されたのは男たちの方だよ。いつの時代も地球は女で回ってるけど、振り回されているのは男だからね。

男たちが時代に翻弄されて、時代に抗って生きているルルに癒しを求めていたんじゃないか?と私は思ったけどね。

最後の顛末は、ルルは時代の犠牲者、男の犠牲者、社会の犠牲者だと訴えたかったのではないかと解釈してます。私にはエンタメとしか思わなかったけどね。よりによって切り裂きジャックか…?

普通なら、登場人物の誰かに復讐させると思うけどね。

100年前も今も人間の欲望は変わらない。っていうか、紀元前から。クレオパトラがいた時代から。

って思ったら、男性優位の時代が何千年も続いていることに対して不思議に思わないとね。

ドイツ文学だけあって、退廃的な内容がとても良かった!

アンナ・カレーニナみたいな一人の女性の物語だけでなく、ドイツの政治的背景を描いていたのが一番良かった。

どういった社会でルルが誕生したのか時代背景があるとないとでは感じ方が異なるから。



ここからは、ルルという一人の女性の生き方を観て感じたことを書きます。誤解が生じること承知で。



これは私の感覚ですが、私は売春が悪いとは思わないんですよ。自分自身を商売道具にしてるだけだから。

そもそも風俗と売春の違いが分からん。風俗は風営法で合法で売春は違法なん?やってることは同じやん。

園子温監督の「恋の罪」の台詞にあるように、

愛がないなら、金で代償すべきだと思ってます。

ただこれだけは言わせてもらいたい。

決して売春を奨励しているわけじゃないですよ。もちろん、未成年者の売春やパパ活も。

私が言いたいのは、たった一万や二万円、五万円だとしても、そんなはした金で身体を売るなよ、自分を安売りするなよ!身体を大事にしろよ!と。

そもそもなんで身体を売ってまでお金が必要なん?必要になるの?ブランドバッグを買うため?

それに、お前の価値はそんなもんか?一億位ポンッと出してもらえるくらいの人間になれよ、自分磨きせーよ!と言いたくなる。

性病もらったら一万、二万円じゃ済まんねんで。HIV ならなおのこと。梅毒も年々増えてきているらしい。いつの時代やねん!?って思ってしまったよ。

芸能界だって枕営業でのしあがってきた人も少なくないと思うんよね。そう簡単に何千万も稼げるとは思わないから。

枕営業で、知名度やお金を何千万も生み出すことができるなら、むしろ名誉なことだと思うよ。

身体を張ったんだから、それに見あった見返りがないとね。自分自身が商売道具なんだから。

問題は、一千の金にもならなかった人たち。ソープに身をおとしたり、男の野望のために身を犠牲にした人たち。ちなみに、情報元は、ほぼYouTubeの街録chからです…。

たった一万や二万円のために、身体を売るって安すぎと思わんか?一億円稼げるくらいになれよ!と言いたくなる。

これからも性商売は終わらない。人類が滅亡するまで。男女問わず性被害者は増え続けていくとは思う。

何のために身体を売るのか考える必要はあると思うよ。

あと、相手を喜ばせたいとう奉仕精神で性商売に染まる人もいるのも事実だからなんと言えないが…。

性犯罪は増えていくと同時に、北九州の若い男女が犠牲になった殺傷事件もしかり、痴話のもつれとは全く関係ない殺人事件がこれからも増えてくると思う。

ジャックナイフやモンスターを誕生させたのは、家庭や育った環境が大いに関わっているとは思うが、その環境を作った社会もまた要因をだということを忘れてはいけないと思う。

モンスターを生む大きな要因は、会話をしないコミュニケーション不足だと思う。近隣住民の関係しかり。核家族しかり。もちろん私みたいな独身主義しかり。

コミュニケーション不足や下手、更に触らぬ神に祟りなし精神で、見て見ぬをする人が益々増えてくる。私は既に実感済み。

説明不足による勘違い。ストレスを言葉で表現できず、感情や暴力で解決しようとする人が益々増えてくると思う。逆に発散できなくて心に溜めていく人も。

電車の人身事故、本当に絶えない。柵を取り付けても解決しませんから。

私の親父がそうだったから分かるが、お酒を飲んでもその時は憂さ晴らしができても、問題は全く解決してないから。先送りされるだけ。

問題は、病気と一緒で、早期発見と早期解決に限る。あと、自己分析と自己研鑽。

人は一人では生きていけないんだから、どんな相手も自分の鏡。相手から学んで正すところは正していないと。

と私も自分の人間としての器の小ささを自覚しながら生きてます。