二銭銅貨

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滝の白糸

2006-11-12 | 邦画
滝の白糸  ☆☆
1933.06.01 入江プロダクション、白黒、無声、普通サイズ
監督:溝口健二、
脚本:東坊城恭長、館岡謙之助、増田真二、清涼卓明、
原作:泉鏡花「義血侠血」
出演:入江たか子、岡田時彦、村田宏寿、菅井一郎、浦辺粂子
   見明凡太郎、滝鈴子

滝の白糸を演ずる入江たか子の自慢そうな、楽しそうな水芸の場面、
満面に笑みをたたえて、両手を広げ、水を出しています。
最後に水が噴水のようにワーッと噴出す場面では、
画面の中の観客達は大喜びで、大拍手が来ます。

自信があって楽しくて、幸福な日々の白糸の滝は強気です。
押して押して押しまくります。可愛がって下さいと言われる
岡田時彦の方はたじたじです。

新任の裁判官のところに出頭する滝の白糸。
驚いて、ずーっと後ずさりをし、白い汚れた壁の前に立つ。
汚れた顔、汚れた衣服、すさんだ心、ズタズタな気持ち。
哀れとも、恐怖とも、薄幸とも、取れる一瞬に、
幸福で、純粋で、汚れの無い、無垢な心を見るのです。

この新任の裁判官の所へ出頭する3分ほどの場面について、デジタル画像処理によるノイズ除去を行ったフィルムでの上映が行われた。冒頭に処理前と処理後の比較画像が流され、かなり大きな釣り針のようなノイズが綺麗に消えていた。コンピュータでの自動処理は難しいので、かなり手作業が入っているのではないかと思われる。基本的に大きなノイズを取るだけで、細かいノイズや画質の劣化まではいじっていないようです。

弁士:澤登翠
06.11.05 NFC
コメント
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