江分利満氏の優雅な生活 ☆☆
1963.11.16 東宝、白黒、横長サイズ
監督:岡本喜八、脚本:井手俊郎、原作:山口瞳
出演:小林桂樹、新珠三千代、東野英治郎、矢内茂
小林桂樹のナレーションに乗せて、
山口瞳がモデルらしき江分利満氏を演ずる小林桂樹は、
黒ぶちの眼がねの奥で、眼をパチパチさせながら、
何か粘りつくような調子の主張を、
しつこく、しつこく述べたてようとしています。
酔っ払って、くだまいて、からみついて、かみついて、
よろめいて、座り込んで、
小言みたいな、へりくつみたいな、
ねじくれた世の中を叱るような主張を、
しつこく、しつこく繰り返しています。
テンポ良く、活気あるシーケンスに、
何かちょっとひねくれた、すねた感じがMIXされて、
奇妙な味わいの映画になりました。
山口瞳の小説、というよりエッセイを、
映画にするのは至難の技と思えますが、この映画、
なんとかうまい具合に成功していると思われます。
小林桂樹の、いつもの役には無い、
バランスの狂った人を演ずる芝居の見事さは、
見ていて本当に楽しい感じです。
歩き方、しゃべりかた、見つめ方、集中のしかた、
怒り方、酔っ払い方。だらしなさ。
全編、酔っ払っているような映画です。
役者も監督もスタッフも原作者も全員、酔っ払っているみたいです。
映像も構図もカメラワークもしっかりしているのに、
全編、何かクラクラ・フラフラしているような感じです。
山口瞳のサントリー社員時代のパートナーである柳原良平作の、
懐かしきサントリーCMの叔父さんも、ちゃんと出てきます。
下駄と靴のコマ撮りによる「残菊物語」のパロディ。
太平洋戦争で戦死した恋人に宛てた恋文を延々と読み続ける、
江分利満氏。
最後の方は、反戦の気持ちの色が濃い。
06.11.19 NFC
1963.11.16 東宝、白黒、横長サイズ
監督:岡本喜八、脚本:井手俊郎、原作:山口瞳
出演:小林桂樹、新珠三千代、東野英治郎、矢内茂
小林桂樹のナレーションに乗せて、
山口瞳がモデルらしき江分利満氏を演ずる小林桂樹は、
黒ぶちの眼がねの奥で、眼をパチパチさせながら、
何か粘りつくような調子の主張を、
しつこく、しつこく述べたてようとしています。
酔っ払って、くだまいて、からみついて、かみついて、
よろめいて、座り込んで、
小言みたいな、へりくつみたいな、
ねじくれた世の中を叱るような主張を、
しつこく、しつこく繰り返しています。
テンポ良く、活気あるシーケンスに、
何かちょっとひねくれた、すねた感じがMIXされて、
奇妙な味わいの映画になりました。
山口瞳の小説、というよりエッセイを、
映画にするのは至難の技と思えますが、この映画、
なんとかうまい具合に成功していると思われます。
小林桂樹の、いつもの役には無い、
バランスの狂った人を演ずる芝居の見事さは、
見ていて本当に楽しい感じです。
歩き方、しゃべりかた、見つめ方、集中のしかた、
怒り方、酔っ払い方。だらしなさ。
全編、酔っ払っているような映画です。
役者も監督もスタッフも原作者も全員、酔っ払っているみたいです。
映像も構図もカメラワークもしっかりしているのに、
全編、何かクラクラ・フラフラしているような感じです。
山口瞳のサントリー社員時代のパートナーである柳原良平作の、
懐かしきサントリーCMの叔父さんも、ちゃんと出てきます。
下駄と靴のコマ撮りによる「残菊物語」のパロディ。
太平洋戦争で戦死した恋人に宛てた恋文を延々と読み続ける、
江分利満氏。
最後の方は、反戦の気持ちの色が濃い。
06.11.19 NFC