諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

福島県の織姫伝説。【鮫川・御前淵(ごぜんぶち)編】 その1

2015年07月12日 15時08分05秒 | 伝説

前回、「福島県の織姫伝説。【好間川・蛇岸淵編】」と題して書きました。実はこれと似た織姫伝説はまだあります。今回は舞台を好間川から同じいわき市を流れる鮫川に舞台を移します。

その前に好間川・蛇岸淵編で言い忘れたのですが、この好間川の源流はいわき市三和町です。あの有名な旧・鬼渡神社である永井神社と温泉の女神・湯津佐姫を祀る御塚神社が鎮座している三和町の永井です。ご存知でしたか。

まっ、知らないでしょうが、私が謎の武将・永井平九郎に興味を持ち、間違って永井神社に辿り着き、鬼渡神社の縁を結んだ地が三和町永井です。全てはこの地から始まっているのです。湯津佐姫は「語る無かれ、聞く無かれ」、更には「土足厳禁」、「女人禁制(女児は可)」、「午前中のみ参拝可」で禁を破ると大変なことになるので、怖くて言えませんけど。

現に私もえらい事になりそうでした。兎にも角にも昔からの禁は守るに越した事はないです。祟られてからでは遅いですからね。

それでは「鮫川・御前淵編」です。この鮫川は蝦夷と大和朝廷の境界線だった勿来に流れる川です。勿来は蝦夷たちに「こっちに来るな」と言っている意味になります。宮城県の利府町にも勿来の関がありますが、それは蝦夷の地が狭まれたと言う事になりますね。

さて、またまたその前に鮫川って気になるでしょ。何で鮫が出てくるのか。鮫が川に居るのかとか。

実はこの鮫川には多くの鮫に纏わる伝説が残っているのです。この内、代表的な二つの伝説を語ります。

先ず一つ目。「その昔、子供が出来ない長者夫婦が居た。夫婦は氏神に子宝を祈願し娘が授かった。その娘が16才に成った時、重い病気にかかる。そして娘は夫婦に渡瀬にある池に連れて行って欲しいと頼む。夫婦は重病の娘を連れて行くと、娘は自力で走り出し池の中に飛び込んだ。そしてその姿は金色の鮫に。娘はその池の主の鮫であったのだ。そしてその池は鮫池と呼ばれる様に。その後、長者夫婦が年老いて亡くなる。金色の鮫は長者夫婦の死を確認すると池から出て川に飛び込み川を下り海へ。その川は何時しか鮫川と呼ばれる様になったとさ。目出度し、目出度し」。

そして二つ目。「昔、勿来の松川磯に背中に青黒い藻が生えた鮫がいついていた。その鮫は『松川さま』と呼ばれ神の使いとして土地の漁師達に信仰され、波打ち際に鮫が来ると酒やご馳走で歓待していた。そして江戸時代の初期、相馬の殿様が参勤交代で江戸から帰路で松川に差し掛かり、その鮫に遭遇。相馬の殿様は自慢の弓で鮫を撃つ。矢は鮫に命中し、鮫は海中に姿を消した。相馬の殿様はご満悦で松川を発ったが大雨となった。雨の中、川まで来ると増水している。殿様は自慢の名馬で増水した川に入る。そこに白波を立ててあの鮫が襲ってきた。殿様は間一髪自慢の名馬で逃げ切る。そこから更に30キロに夏井川が一行を遮る。殿様は名馬を夏井川に入れて渡ろうとしたら、またまた鮫が襲って来た。名馬は死力を尽くして何とか鮫から逃げ切ったが疲労困憊で死亡。相馬の殿様は自分の命を守ってくれた名馬に感謝し、馬頭観音として名馬を祀った。この伝説から鮫が現れた川を鮫川と呼ばれる様になった。目出度し、目出度し」。

 

つづく。

 

 

 

コメント (2)
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