続きです。
「道の駅 よつくら港」ですが、2011年の正月にも車中泊しています。その3ヵ月後に震災で津波が来て施設は流された。現在の施設は新築です。ここはコンビにも近く食事も出来て便利なのですが、国道に面しているので交通騒音が凄いです。
情報館という施設がありまして、そこでエアコンが効いていて私は本を読んでいました。そこに合羽を着てヘルメットを持った若い男性入ってきた。地図とスマートフォンを取り出して何か調べています。
私、幼い頃から人の顔色を伺って生きて来たので良い人と直感。何か困っている。それで声をかけました。「何のバイクに乗っているのですか」と。
その男性はスズキST250に乗って筑波から来たそうです。研究職で出身は九州。東北を一周する。6号線で海岸線を北上するそうです。
私は言いました。「6号線は通行止めになっている区間があるよ」と。
彼は驚いて言いました。「それは終了したのではないですか」と。
私は「確かに全面的に通行解禁になったけど、それはクルマでの話。バイク、自転車、歩行はまだ駄目。止められるよ」。
彼は「しょうがないからこれから民宿を探す」と言ってたので、数百メートル先の「蟹洗温泉」勧めました。そこは雑魚寝ですが宿泊も出来る。料金は一泊3000円。アンモニア臭くてあんまりいい温泉じゃない。蟹を茹でた臭いに似ている。だから蟹洗い温泉なのか。私はこりごりだけどもう9時も過ぎているし、民宿はお盆だから満室の筈。しかも津波で流されて少なくなっている。今からでは無理。
そう言うと彼は大変感謝してました。そのまま行ったら大変な事になったと思いますからね。
彼は九州から筑波に出てきて筑波の地震の多さには驚いていました。「故郷の九州は地震が少ない。こんなに地震が頻発しているなんて」と。
私は「筑波なんて仙台の比じゃないよ。震度6強の凄さはとんでもない。未だに揺れているのだから」と。
そして迂回するなら裏磐梯へは行くべき。そして震災の震源に一番近い牡鹿半島にも行くべきだと勧めました。
彼も震災と津波の爪あとを見てみたい。ギリギリまで海岸線を走り、通行止めの箇所で中通りを進みまた海岸線に戻るルートを取ると言ってました。
私は「それは良い事だ。人生が変わるよ。是非、見ておいた方が良い」と勧め彼と別れました。
彼はやりたい仕事をするため九州から出て来て筑波で働く。大変な部分はあると思うけど幸せな人生だと思います。私もやりたい仕事を求めて東京に出たのですが、夢破れて戻って来てしまった。若さって羨ましい。私も20代だったらなぁー。心は今でも26歳から歳を取っていないのだけど、この歳では戻れない。あっーまた気が重くなって来た(涙)。
「道の駅 よつくら港」へは2泊しました。次に目指したのは「夏井川渓谷キャンプ場」。入場料無料で設備もしっかりしている。ちゃんとしたトイレも駐車場もある。風光明媚。大変評判の良いキャンプ場です。ここに辿り着くのも大変でした。道に迷って。
そして到着。でも判ってはいましたが大雨が降っているのでキャンプ場は水浸し。小学生のボーイスカウトみたいな集団が炊事場で雨を防ぎながら料理を作っていましたが、こんな状態ではキャンプはしないだろう。そうなると私がキャンプ場を1人独占か。
否、こんなところで1人って怖すぎだろ。しかも盆地みたいな地形で海辺よりも暑い。どうしようか。
続く。