安東伸昭ブログ

安東伸昭の行動日記

グリーンツーリズムに新潮流

2016年06月03日 | 観光
平成28年6月3日 時事通信


グリーンツーリズムに新潮流=先進地のインバウンド戦略―秋田県仙北市
(16/06/03 07:30)

★先進地のインバウンド戦略=民がリードし官が支える

 秋田県仙北市では40年近く前から、地元農家での農業体験を組み込んだ教育旅行の受け入れが民間主導で進んできた。訪れる学校数は増加の一途をたどり、それに伴い、受け入れ農家が次々と農家民宿を開業している。民から始まったグリーンツーリズムのうねりを支えるべく、市は教育旅行の総合窓口として農山村体験デザイン室を2011年に設置。今では教育旅行と並行して、インバウンド誘客の本格化に向けて突き進んでいる。

◇農業体験はキラーアイテム
 5月中旬、市内のブルーベリー園をタイから訪れた一行が視察していた。ガイドからここのブルーベリーがおいしいと好評なこと、収穫時期になると摘み取り体験ができることなどの説明を受け、熱心にうなずいたり、写真を撮ったりしている。一行は県が招待した視察団で、テレビ局員や教師、旅行業者ら計12人。教育旅行や一般向け旅行商品の企画の可能性を探ることなどを目的に訪れたのだ。

 県は今、タイをターゲットにしたインバウンド誘客に力を入れている。県内の観光地はなまはげの男鹿市、かまくらの横手市など数多いが、その中でも仙北市の農業体験を核としたグリーンツーリズムを「秋田でしかできない特色ある体験」(県観光振興課)で誘客のキラーアイテムになり得る、と注目している。

 市には今秋、タイの小学校から高校までの一貫教育を行う私立学校から、生徒と教師の計34人が4泊5日の日程で訪れる予定だ。学校側は農家民宿に分泊し、農業体験をしたいと希望している。この学校は昨年も市と他の県内市町村を2泊3日の日程で訪れたが、今年は仙北市に特化。「秋田の特色を盛り込み、他では体験できない旅行だとして高評価を得たため」(同)という。先の視察団にも小学校から高校の一貫教育校と女子高の教師が参加しており、共に市への教育旅行に前向きとのことだ。

◇火付け役は地元劇団

あきた芸術村のブルーベリー園を見学するタイからの視察団=5月18日午後、秋田県仙北市(山口亮子撮影)

 一行が見学したブルーベリー園を運営するのは、市を拠点に劇団や温泉施設、ビール工房などの多角経営をする「あきた芸術村」。実は同社の中核である劇団「わらび座」こそ、市のグリーンツーリズムの発展に先鞭(せんべん)をつけた存在なのだ。

 1950年代から市を拠点に活動してきたわらび座は、77年に東京都町田市の和光中学校の修学旅行を受け入れ、周辺農家で農業体験をさせた。農業体験プログラムを教育旅行に組み込んだのは、おそらく全国で初めてという。

 田植えや稲刈りといった農業体験をする教育旅行はその後、拡大の一途をたどり、受け入れ農家も増加。加えて、農家が農家民宿を開業する例も相次いだ。今では市内の農家民宿数は32軒に上り、県内92軒の実に3割強を占める(15年11月末時点)。教育旅行以外のグリーンツーリズム客を迎える態勢は十分整っている。

 あきた芸術村の山川直人取締役は、市での農業体験を「農家に宿泊して、ありのままの家族像や生活を見て、体験してもらうこと」と説明する。受け入れ側が普段の生活を変えたり、準備に精を出したりするのではなく、日常の延長線上で「旅行者を家族のように受け入れる」ことにこだわる。

 その結果、農業体験後は受け入れた農家と旅行者の双方が別れを惜しんで涙ぐむ光景が、しばしば見られるそうだ。「教育旅行や外国人客にこれから一番望まれるのは、農村の普段通りの生活を体験することだろう」と、今後増えると予想されるインバウンドにも、家族のように迎えるという基本を変えずに対応するつもりだ。

◇旅行事業を立ち上げ

温泉施設の一角で営業するあきたびくらぶ=5月18日午後、秋田県仙北市(山口亮子撮影)

 あきた芸術村は5月9日、旅行部門として「あきたびくらぶ」を創設した。社員3人が旅行業務取扱管理者の資格を持っており、国内旅行の企画、実施ができる。その運営の柱は二つ。一つは同社の温泉施設内に置いた旅行代理店の窓口で、地元住民に旅行商品を販売すること。もう一つは旅行を独自に企画し、国内外から県内を訪れる観光客の増加に貢献することだ。

 同社が旅行業に進出したのには理由がある。県は近年インバウンドに力を入れ、海外で誘客キャンペーンを開催している。これにホテルや温泉施設といった各施設がそれぞれ参加し、自社の魅力をアピールしているものの、旅行商品としてパッケージ化ができておらず、いくら素材が良くても旅行で実際に訪れるには壁があるのが現状だ。

 「海外から訪れた多くの人が行きたいのは秋田県だけではないはず。まして仙北市の一施設だけのわけがない。各施設ばらばらの情報をきちっとコーディネートして発信することは旅行代理店でないとできないが、それをわれわれがやろうというのが設立の理由だ」(山川取締役)

 グリーンツーリズムの仲介役になることのほかに、同社の有する多彩なエンターテインメント施設を総動員し、県内外の観光地もプランに組み入れて魅力的な旅行商品に仕立てる。3年間でインバウンドの本格的な受け入れ環境を整えるべく、まずは同社の施設整備や情報発信をし、今年中に企画する旅行商品を扱ってくれる国内の旅行代理店を決める。ウェブページ上で旅行商品の決済ができるシステムも3年程度で構築したいという。

 インバウンドの対象として考えているのは、中国、韓国、タイといったアジア地域。イスラム圏も将来の誘客が見込めるとして、ムスリム(イスラム教徒)に不便のないような施設整備、食事やサービスなどのハラール対応など、ハード・ソフト両面の整備を今後進めていく。

     ◇教育旅行からインバウンドへ発展
「もともと教育旅行の受け入れとして始まり、インバウンドまでつながったのが、仙北市のグリーンツーリズムの特徴。しかもまず農家側でインバウンド受け入れが進み、それが市内全体に波及している」。こう語るのは、市農山村体験デザイン室の福田成洋室長だ。

 同室はグリーンツーリズムの拡大に伴い、関係者の連携をスムーズにし財政的な支援もすることを目的に、11年に設置された。今では教育旅行とインバウンド対応の総合窓口となっており、農家民宿や旅行業者、市などをメンバーとする市農山村体験推進協議会の事務局でもある。

 グリーンツーリズムでの外国人客受け入れは12年、台湾の高校生の修学旅行を皮切りに始まった。農家側では成功するかどうか不安な気持ちが強かったというが、実際には国内の教育旅行対応で培ったノウハウが通じることが分かり、自信を深めることになった。

 「農家は外国人をもてなし、日本について、また仙北市の農村について知ってもらうことはやりがいがあり、しかも楽しいと感じたようだ。結果、インバウンドの受け入れに積極的な土壌ができた」。以後、外国からの教育旅行が続いている。

 ムスリムの受け入れにも積極的だ。14年7月には、農家民宿の経営者からハラールについて勉強したいと要望があったことを受け、講師を招いてハラール勉強会を開き、調理方法について学んだ。翌15年1月には、国内在住で戒律に厳格なムスリムを招き、モニターツアーを開催。3軒の農家民宿に泊まってもらい、最終日には他の農家民宿経営者ら30人も交えて意見交換会を開き、調理の際の注意点や礼拝場所の設け方など、課題を共有した。

 「こうした動きは行政主導ではなく、『来てよかったと言われるもてなしをしたい』と農家側から言われてわれわれが支援したもの。農家のお母さんたちの学習意欲はすごい」。農家民宿のムスリム受け入れの動きを見た市内のホテル、レストランからもハラールについて学びたいとの声が寄せられ、今年3月には彼らも加えた2回目のハラール勉強会を開いた。福田室長が話したように、農家が市内の観光業をリードした好例と言える。

◇特区で農家が旅行業を
 海外向け旅行商品の販売も始まっている。14年9月には、農家民宿に泊まる個人向け旅行商品がタイの旅行代理店で販売開始。15年5月、タイから個人旅行客を初めて迎えた。今年度はこれまで実績のある外国からの教育旅行に加え、個人旅行客の受け入れを本格化させる考えだ。

 市内の農家民宿での外国人宿泊者数は、13年300人、14年529人、15年801人と順調に伸びている。15年の農家民宿の宿泊者数は計9405人で、外国人客は8.5%を占めるまでになっており、今後、グリーンツーリズムのけん引役になり得ると期待されている。

 国家戦略特区に指定されている仙北市は、特区内での規制緩和をグリーンツーリズムの振興、ひいては農家の収入向上にも役立てようとしている。5月10日、市は政府の国家戦略特別区域会議で提案を行った。内容は、農家民宿などで構成する団体が市内で開催する旅行の企画、募集、実施などを、旅行業の資格がなくともできるようにするというもの。旅行業法の適用除外を求めるもので、認められれば今年度中にも具体化する可能性がある。

 国も旅行業法の改正については検討中だといい、「提案が認められれば、市内の動きが旅行業法の改正にも影響するのではないか。仙北市の農家の動きが、全国にも影響を与え得るということだ」と福田室長は言葉に力を込める。市のグリーンツーリズムをめぐる動きから、今後も目が離せない。

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トラクタ-で代掻き

2016年06月03日 | 大豆
平成28年6月3日
今日は、農作業!
代掻き2枚(6反)耕耘(8反-大豆作付圃場)ほぼ1日トラクタ-の運転でした。
 

 


見慣れる機器を装着したトラクターです。
運転席前の画面は、GPSによる位置確認画面です。(今回は使わずです)

代掻きの時にどこを走ったかが分からなくなりますが、これさえあれば、夕刻でも位置情報をチャッチできる優れものです。

サギにとっては絶好の餌場となります。
トラクターのエンジン音におびえることはありません。


まったく違う場所ですが、こんな光景は田舎ならです。
保育園の朝の散策です。

 




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倉敷美観地区の路地

2016年06月03日 | 観光
平成28年6月2日 9:00~

昨日の議員研修を終え、今日は早朝より倉敷美観地区の視察を行いました。
 
バス専用の駐車場の地下道に下記の広告があります。

「どこか懐かしい路地裏 
   むかし遊んだふるさとを想い出す」

まちづくりで、路地裏の重要性を学んだことがありますが、美観地区ではこの手法と取り入れています。
路地裏を通り抜けると、新発見があります。
一筋間違うととんでもないところに出てしまうこともあります。
チャレンジ精神がわいてきます。

この路地を通ると、途中に素晴らしい、竹林の空間に出会えます。

 

 

 
この幼稚園のツリーハウス。園児は楽しく遊んでいました。


この奥には何があるのであろう?


倉敷美観地区は、どんどん進化、変化している印象を受けました。 

 
 


 
 




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