人は水なしでは生きてはいけない。
私が難病に罹患してから、早くも24年になる。原因も治療法も確定していないがゆえに難病なのだが、原因について若干思い当たる節がある。
当時は猛烈に忙しかった。月の残業時間は80時間を超えていたことは間違いない。休日はデートと岩登りで埋まり、身体を休める暇がなかった。
きっと身体は悲鳴を上げていたのだろう。しかし私は気がつかなかった。当時、気分は最高潮!仕事はやればやるほど実績が上がる。彼女とは会う度ごとに芳しくも麗しい甘美な時間を過ごせた。そして岩登りは絶好調。登るたびに難しいグレードをクリア出来て、こんな面白いことあるかと夢中になっていた。
気がついたら病床に横たわり、身体中に管をつながれて2ヶ月余りの寝たきり生活。その後も治る目処さえ立たず、仕事も彼女も登山も失い、絶望を空ろな笑顔で誤魔化す日々が続いた。
過労であったことは間違いない。最大の問題はそれを意識することがなく、限界まで無理してしまったことだと思う。病床に横たわりながら、自らの愚かさを呪う日々は重く苦しいだけだ。
せめてもの救いは、他人に責任転嫁する必要がなく、ただただ自分を嘲笑えば済むことだった。ただ、もう一つ原因はあった気がする。それが水だった。
当時、東京近郊のK市に会社がアパートを借り上げてくれた。まだ完成したばかりのアパートで、私が入居者第一号だった。まだ勝手が分らない管理人さんと二人で、ガスの元栓を開け、水道線を開通させ、配電盤をあれこれいじくったものだ。
綺麗なアパートだったが、気になったのが水道の薬品臭さだった。私は比較的水質の良い世田谷の水に慣れていたので、この地域の水には、いささかの違和感があった。美味しいとは思わなかった。
当時はミネラルウォーターは家庭には普及しておらず、浄水器さえ見かけなかった。沸かせば関係ないと割り切り、放置していたが、あの臭いはどうみても異常だった。
主治医にも話したが、ほとんど相手にされなかった。私も直接の原因だとは考えていない。それでもだ、私の身体を痛めつける要因にはなったと思う。
やっぱり水は大事だよ。
そう改めて思わされたのが表題の本。世界各地の水事情と健康問題を取り上げた本だ。小奇麗な観光地巡りしかしたことがない私が絶句せざる得ない、世界の劣悪な水問題。つくづく日本は恵まれていると思う。
21世紀の人類にとって、枯渇する石油と、増大化する人口と不足する食料問題は避けられぬ課題だ。それに加えて、水資源の問題も大事だと思う。
人間は水なしでは生きられない。それも良質な水こそが必要だ。世界各地の劣悪な水環境は、必ずや人体を蝕むことは自身の経験からも分る。石油、食糧、そして水。
良質な水資源に恵まれた日本人が忘れがちな重要な問題だと思う。機会がありましたら是非ご一読下さい。
私が難病に罹患してから、早くも24年になる。原因も治療法も確定していないがゆえに難病なのだが、原因について若干思い当たる節がある。
当時は猛烈に忙しかった。月の残業時間は80時間を超えていたことは間違いない。休日はデートと岩登りで埋まり、身体を休める暇がなかった。
きっと身体は悲鳴を上げていたのだろう。しかし私は気がつかなかった。当時、気分は最高潮!仕事はやればやるほど実績が上がる。彼女とは会う度ごとに芳しくも麗しい甘美な時間を過ごせた。そして岩登りは絶好調。登るたびに難しいグレードをクリア出来て、こんな面白いことあるかと夢中になっていた。
気がついたら病床に横たわり、身体中に管をつながれて2ヶ月余りの寝たきり生活。その後も治る目処さえ立たず、仕事も彼女も登山も失い、絶望を空ろな笑顔で誤魔化す日々が続いた。
過労であったことは間違いない。最大の問題はそれを意識することがなく、限界まで無理してしまったことだと思う。病床に横たわりながら、自らの愚かさを呪う日々は重く苦しいだけだ。
せめてもの救いは、他人に責任転嫁する必要がなく、ただただ自分を嘲笑えば済むことだった。ただ、もう一つ原因はあった気がする。それが水だった。
当時、東京近郊のK市に会社がアパートを借り上げてくれた。まだ完成したばかりのアパートで、私が入居者第一号だった。まだ勝手が分らない管理人さんと二人で、ガスの元栓を開け、水道線を開通させ、配電盤をあれこれいじくったものだ。
綺麗なアパートだったが、気になったのが水道の薬品臭さだった。私は比較的水質の良い世田谷の水に慣れていたので、この地域の水には、いささかの違和感があった。美味しいとは思わなかった。
当時はミネラルウォーターは家庭には普及しておらず、浄水器さえ見かけなかった。沸かせば関係ないと割り切り、放置していたが、あの臭いはどうみても異常だった。
主治医にも話したが、ほとんど相手にされなかった。私も直接の原因だとは考えていない。それでもだ、私の身体を痛めつける要因にはなったと思う。
やっぱり水は大事だよ。
そう改めて思わされたのが表題の本。世界各地の水事情と健康問題を取り上げた本だ。小奇麗な観光地巡りしかしたことがない私が絶句せざる得ない、世界の劣悪な水問題。つくづく日本は恵まれていると思う。
21世紀の人類にとって、枯渇する石油と、増大化する人口と不足する食料問題は避けられぬ課題だ。それに加えて、水資源の問題も大事だと思う。
人間は水なしでは生きられない。それも良質な水こそが必要だ。世界各地の劣悪な水環境は、必ずや人体を蝕むことは自身の経験からも分る。石油、食糧、そして水。
良質な水資源に恵まれた日本人が忘れがちな重要な問題だと思う。機会がありましたら是非ご一読下さい。