恐怖は金になる。
嘘じゃありませんよ。多分ホラー映画や怪奇小説等を思い浮かべた方は多いと思う。でも、もっとも金を稼ぎ出すのは、誰もが目にする大手のTVのニュースであり、新聞であり、雑誌の事件報道だ。
なにせゴールデンタイムのニュース報道は犯罪のオンパレードだ。どす黒い血痕が目を惹く路上にて、TVレメ[ターが顔を引きつらせながら、残忍な事件の顛末を語る。
泣き崩れる母親の悲嘆を映しながら、可愛らしい子供の写真を手にとって、TVに向かって忠告する。「貴方の隣に、凶悪な犯罪者がいます。油断してはなりません!」
誇張されるだけでなく、意図的に変造される統計数値を手にとって賢しげに解説するTVキャスターたち。ごく一部の少ない犯罪を、あたかも何時でも何処でも起こる日常的な凶事だと視聴者を洗脳する。
犯罪で恐怖を煽る報道こそが視聴率をとれる。これは事実だが、その一方世の中の大半が平和で穏便である事実はあまり報じない。もちろん和やかなニュースにも価値はあるので、時折報じるがその一方で報じない事実もある。
若者が学校で銃を乱射して死傷者が出たことは伝えても、その若者が大口径で、大量発射が可能な殺傷力の高い銃を、いとも容易に購入できた事実は報じない。
国境を挟んで同じような町があり、一方は殺傷事件が年間数十件発生し、もう一方は数軒しか発生しない。前者の町では誰もが自由に強力な銃器を買えるが、後者の町では厳しく規制された上での銃器購入しか認めていない。
でもマスコミが報じるのは悲惨な殺傷事件であり、その背景にあるはずの事実。すなわち殺傷力の高い銃が大量に溢れていることが、むしろ殺傷事件の多さを高めている事実は報じない。
マスコミは恐怖を煽って商売する。殺傷事件を大々的に報道されるのを見たアメリカ人は、翌日には護衛用に銃器を買いに走っても不思議ではない。これがアメリカの現実だ。
あまりTVを観ない私だが、日本の現状だって似たようなものであることぐらい分る。TVの番組は視聴者の恐怖を煽るもので溢れている。健康問題であり、老人虐待であり、児童誘拐であり、偽装問題でもある。視聴者を不安がらせて視聴率を稼ぐ。
当然にアメリカ同様、報じるべき事実は無視して、意図的な誇張と統計数字の曲解を駆使している。表題の本はアメリカにおける報道の問題点を暴きだし、読者に熟慮することを呼びかけている。
TVであろうと新聞であろうと、結局のところ自分の判断力こそが一番大切であることを思い知らされた一冊でした。機会がありましたら、是非ご一読ください。
嘘じゃありませんよ。多分ホラー映画や怪奇小説等を思い浮かべた方は多いと思う。でも、もっとも金を稼ぎ出すのは、誰もが目にする大手のTVのニュースであり、新聞であり、雑誌の事件報道だ。
なにせゴールデンタイムのニュース報道は犯罪のオンパレードだ。どす黒い血痕が目を惹く路上にて、TVレメ[ターが顔を引きつらせながら、残忍な事件の顛末を語る。
泣き崩れる母親の悲嘆を映しながら、可愛らしい子供の写真を手にとって、TVに向かって忠告する。「貴方の隣に、凶悪な犯罪者がいます。油断してはなりません!」
誇張されるだけでなく、意図的に変造される統計数値を手にとって賢しげに解説するTVキャスターたち。ごく一部の少ない犯罪を、あたかも何時でも何処でも起こる日常的な凶事だと視聴者を洗脳する。
犯罪で恐怖を煽る報道こそが視聴率をとれる。これは事実だが、その一方世の中の大半が平和で穏便である事実はあまり報じない。もちろん和やかなニュースにも価値はあるので、時折報じるがその一方で報じない事実もある。
若者が学校で銃を乱射して死傷者が出たことは伝えても、その若者が大口径で、大量発射が可能な殺傷力の高い銃を、いとも容易に購入できた事実は報じない。
国境を挟んで同じような町があり、一方は殺傷事件が年間数十件発生し、もう一方は数軒しか発生しない。前者の町では誰もが自由に強力な銃器を買えるが、後者の町では厳しく規制された上での銃器購入しか認めていない。
でもマスコミが報じるのは悲惨な殺傷事件であり、その背景にあるはずの事実。すなわち殺傷力の高い銃が大量に溢れていることが、むしろ殺傷事件の多さを高めている事実は報じない。
マスコミは恐怖を煽って商売する。殺傷事件を大々的に報道されるのを見たアメリカ人は、翌日には護衛用に銃器を買いに走っても不思議ではない。これがアメリカの現実だ。
あまりTVを観ない私だが、日本の現状だって似たようなものであることぐらい分る。TVの番組は視聴者の恐怖を煽るもので溢れている。健康問題であり、老人虐待であり、児童誘拐であり、偽装問題でもある。視聴者を不安がらせて視聴率を稼ぐ。
当然にアメリカ同様、報じるべき事実は無視して、意図的な誇張と統計数字の曲解を駆使している。表題の本はアメリカにおける報道の問題点を暴きだし、読者に熟慮することを呼びかけている。
TVであろうと新聞であろうと、結局のところ自分の判断力こそが一番大切であることを思い知らされた一冊でした。機会がありましたら、是非ご一読ください。