ヌマンタの書斎

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南ア大会予選E組に思うこと

2010-01-21 11:03:00 | スポーツ
まあ、順当にみてE組四位は固いと、自虐的につぶやかねばならないのが辛い。

岡田監督が掲げたベスト4は、予選グループ内でならば当確だろう。つまり最下位なのだが、世界のサッカーファンの大半がそう思っているのは、否定しがたい事実だ。

私としては、オランダ、カメルーン、デンマークといった強豪とどう戦い、いかに負けて経験値を積むかが見所だと開き直っている。どう贔屓目に見ても、日本に勝ち目はない。

もし、日本サッカー協会が本気で勝ち上がることを目指すならば、今からでも遅くない。オシムを戻すか、さもなきゃ浪人中のヒディングなどの世界的名声をもった監督を招聘すべきだろう。

アジア内でさえ、ほとんど実績のない岡田監督で世界を目指すこと自体無謀なのだ。ただ、素人集団に過ぎない日本サッカー協会の幹部たちには、その現実がみえてない。

ただし、まったく可能性がないわけではない。一弱三強のE組では、どのチームも日本には絶対勝たねばならない。引き分けは許されない。そこにこそ可能性がある。

徹底的に守備を固め、相手が攻め疲れた隙を縫ってのカウンター攻撃に徹すれば、弱小チームにだって勝機はある。ありがたいことに、日本相手に守備重視で戦うような相手ではない。絶対に強気で攻めてくるから、そこにこそ隙は生まれるはずだ。チャンスはそこだけだ。

ただ、日本チームは伝統的に守備的な戦い方を好まない。岡田監督自身、コンサドーレ札幌でもFマリノスでも守備的なチームを作ったことはない。DF出身だが、世界に通じるような守備を指導できる経験は持ち合わせていない。これでは勝てない。

では可能性は皆無か。そうでもないと私は希望的に憶測する。アジア予選の最中だったが、アウェイでのカタール戦は、日本にとって天王山だった。絶対に負けられない試合において、日本は驚くほど守備的な試合をした。

深夜の放送だったので、観た人は少ないと思う。ここ十年近く見てきた日本代表の試合のなかで、最も守備的に戦ったのが、アウェイでのカタール戦であった。なにせ、中盤の司令塔の中村俊輔と遠藤の二人が自陣に張り付いて、守備を固めた。ボランチの長谷部、稲本も攻めあがらず、相手選手をサンドイッチにして自由にさせず、DFのトゥーリオ、中沢はロングボールを跳ね返すのみ。

守りに守って、焦ってきたカタールの隙をついてカウンターで得点する巧妙な戦い方であった。ただ、岡田監督の指示とは違う印象があった。むしろ、遠藤と俊輔が話し合って戦い方を決めていた感が強い。

私がそう思うのは、この二人、やたらとインタビューで岡田監督を持ち上げるからだ。試合前の岡田監督の発言と、実際の試合の戦い方には微妙に違和感がある。現在の代表チームを仕切っているのは、間違いなく俊輔と遠藤だ。この二人、必ずしも岡田監督の指示に従っていない気がする。

岡田監督も気がついているようだが、実際問題この二人が欠けると、チームはうまく回らない。俊輔と遠藤がチームに入ると、スムーズにボールが回り、選手が走ってパスがつながる。昨年の欧州遠征では露骨なくらい、その違いで出ていたと思う。

個々の選手の力量は、あまり高くない日本だが、チームとしてまとまっている時は驚くほど強い。岡田監督はともかくも、ドイツ大会で苦杯を舐めた二人を中心に団結すれば、案外世界を驚かす勝利を上げることは決して夢物語ではないと思う。

可能性が低いことは私も認める。おそらくは1割りか2割程度だろう。それでも信じて応援したいぞ。
コメント
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