このたび世間をお騒がせしたこと、及び、多くの人々に多大なるご迷惑をおかけしたことを一番最初に心からおわび申し上げます。本日私がここに宿泊致しますのは、あなたたちマスコミのおかげです。私がこの建物を出たならばさらに多大なる迷惑を多くの人々にかけてしまうからです。本日、私がここに泊まるのは私の意志に基づくものであります。過熱した報道を少しは控えてください。
尖閣諸島海域でのシナ漁船の横暴振りを、ユー・チューブに投稿したと告白した海上保安庁の職員自筆の謝罪文が上記のものだ。これはネット上に配信されたニュースから転用したものだ。
ところが大手新聞の記事を読むと、その謝罪文は大幅に改竄されていた。なにせ海上保安庁の職員が自筆で書き、それを読み上げたはずなのに、新聞記事ではその大半が削除されている。つまりマスコミ批判の部分がだ。
なにが起こったのかは、容易に想像がつく。海上保安庁の職員の自宅、勤務先などに対して、マスコミが大挙して群がり周囲に迷惑をかけているのだろう。
許可も無く公道を占拠し、周辺に交通渋滞を引き起こすのは朝飯前で、無断で私有地に入り込んで有利な撮影ポジションをとろうとするマスコミの取材は異常にして、日常的なものだ。
報道の自由を盾に、平穏に暮らす人々の安穏を妨げる横暴ぶりは今に始まったことではない。私はこれを「マスコミ公害」と名付けている。
社会の木鐸としてのマスコミの機能を無視する気はないが、だからといってこのような横暴を見逃してやるほど私は寛容ではない。マスコミへの信頼が低下し、新聞の購買量は低下し、TVの視聴者も減る一方なのは当然だと思う。
マスコミが編集と称して事実を切り刻み、校正と称して報じたい事実だけを選別することを全て否定はしない。だが、マスコミ自身を批判する事実を隠蔽することが、正しい編集校正とは思えない。
要するに他人を批判する自由は主張するくせに、他人が自分を批判する自由は認めないわけだ、日本のマスコミ様はよ。天に唾する行為だと分らないのが不思議で仕方ないね。