ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

今年の日本シリーズ

2010-11-25 12:34:00 | スポーツ
勝利の女神は、ほんのわずかな油断さえ見逃さない。

今年のプロ野球の日本シリーズは壮絶だった。当初、関心がなかった私だが、たまたまTVで観た6戦目の終盤の攻防に目が釘付けとなった。

ロッテが王手を賭けた状態で迎えた名古屋ドームでの試合は、流れとしては中日が優勢に思えた。負けられない、との思いがチーム全体にみなぎる気迫は、TVの画面越しでも伝わってきた。

だがロッテの勝利への執念も、中日のそれに劣るものではなかった。勝ち越し、追いつきを何度も繰り返す白熱の試合は、チャンネルを回す手を止めてしまった。

9回裏、10回裏と最後まで常に中日はサヨナラのチャンスを迎えながら、ついに勝ち越すことが出来なかった。ロッテの守備が上回ったからだと評してもいいが、それだけではなかったように思えた。

実力伯仲のチーム同士ではあったが、優勝への執念がほんのわずか中日よりもロッテが上回った気がする。穿った見方ではあると思うが、リーグ三位でCSシリーズを勝ち抜いたロッテに対して、リーグ優勝を遂げた中日にはわずかに余裕があったように思えた。

中日は決してリーグ優勝だけで満足していたわけではないと思う。しかし、優勝を味わえなかったロッテほど、優勝に恋焦がれてはいなかったのではないか。

私は中日が慢心していたとは思わない。中日もまた、日本一に賭けていた。日本中の野球ファンから嫌われながらも、今年のWBCの日本チームへの協力を拒否して優勝を目指したのも事実だ。首脳陣も監督も選手も、なにがなんでも今年は優勝との思いを溜め込んでいたと思う。

しかし、その想いは叶わなかった。

ほんの僅かの執念の違い、それがロッテの日本一という結果になったのだと思う。勝利の女神の、なんと目ざといことだろうか。
コメント (1)
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