ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ファンケル化粧品

2010-11-18 12:29:00 | 経済・金融・税制

豊かになった日本人が失ったものは少なくない。

なかでも活力とゆうか、ヴァイタリティの減退は若い者ほど著しい。そのことをつくづく思い知らされたのが、ファンケル化粧品の海外販売だ。

私も含め男性は「ファンケル」といってもよく分らないと思うが、女性にとってはかなり有名なブランド名であるらしい。普通、化粧品には様々な保存料が添加されており、数年たっても効力が落ちない工夫がされている。

ところがファンケル化粧品は、添加物を一切くわえずに作られる。そのため日持ちしない化粧品なのだが、肌が弱い女性にとってはありがたいものであるようだ。

とある華僑夫人は、肌が弱くて困っていた。経済的には恵まれていたにも関らず、自分の肌にあった化粧品が見つからず、それが悩みの種であった。

その華僑夫人が偶然、ファンケルの化粧品に出会った。ここで初めて自分の肌に合った化粧品にめぐり合えた。歓喜した彼女だが、当時ファンケルは海外販売をしていなかった。

年に数回は来日していた夫人は、ある日ファンケルの本社に押しかけて、ファンケル化粧品のシナでの販売をやらせて欲しいと、社長に直談判を望んだ。

しかし、なんのコネもなく、事前のアポイントメントさえなかった夫人が社長に会えるはずもない。そこでやり方を変えた。

銀座の中央通りにファンケルのお店はある。そこを訪れた夫人は、一日で100万円の買い物をした。当然に店長が挨拶にくると、すかさず社長への面談を申し入れた。

そんな申し出は受け入れられるわけもなく、店長は丁重にお断りをする。

しかし、夫人はめげなかった。翌日も店に現れて100万円の買い物をして、同じ要求を繰り返した。困惑の体で店長はひたすら低姿勢でお断りをせざる得なかった。

ところがその翌日も夫人は店に現れて100万円の買い物をしてのけた。ついに店長が陥落した。本社へ連絡して、人脈を駆使して面談の取り付けに奔走した。

そこから話はとんとん拍子で進み、現在ファンケルの売上の3割は海外が占める。北京の目抜き通りの一番目立つ場所にファンケルの看板を出し、富裕層向けに日本の3割り増しの値段で売りさばく。

これが現在のシナ人たちのヴァイタリティだ。好き嫌いは別にしても、この異様な活力には羨望を覚えざる得ない。そして遠い目で過去を振りかえざる得ない。

明治維新の後、海外に出て行った日本人たちは欧米の進んだ文明に触れ、溢れる熱意をもってそれを持ち帰り、近代国家日本の躍進に大きく寄与してきた。太平洋戦争の敗北と廃墟のなかから立ち上がった日本人は、敗北を噛み締めつつも、新しい時代に向かって欧米に優れた知識を学び、それを日本において実現させた。

かつての日本人の姿は今は無く、かわってシナ人が欧米や日本で華々しく活躍する。正直、いささか忸怩たる気持ちが澱むのは否定できない。

私はシナを日本の潜在的敵国だと認識している。敵だからこそ、相手を良く知らねばならぬと考えている。敵だからこそ、礼節をもって対峙し、礼服の下に武器を隠し、覚悟をもって応対せねばならぬ。そして敵のなかにこそ、協力者を持ち、必要な情報を得る手段を持つべきだ。

ほとんどのシナ人は日本が大嫌いなのは事実だが、日本製品は大好きだ。愛国心はあってもシナ人の作った製品よりも、嫌いな日本人が作る製品のほうにこそ信を置くのがシナ人。

もっといえば、シナ(中華)を愛せても北京政府は愛せないのがシナ人。この複雑怪奇な心情を持つ人たちといかに付き合っていくか。21世紀の日本が抱える大問題だと私は思います。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする