ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

まちがい栄養学 川島四郎

2011-02-21 14:28:00 | 

ライオンは野菜が大好き!

もちろん、アフリカのサバンナに生茂る野草を生で食べたりはしない。ちゃんとしっかり調理された野菜を、一番美味しい時期を見計らってかぶり付く。

そんなバカな、ヌマンタは気が違ったのかとお思いの貴方。ウソではありませぬ。

もちろん、ライオンに限らず多くの肉食獣は、野菜を直接食べたりしません。いや、体調が悪い時などに、薬草を食べるようなことはしますが、根本的に草を消化する機能を内臓が持っていない。

だから草を食べても、消化されずに排出される。少し動物に詳しい方なら当然、ご存知のことだと思います。私も表題の本を読むまで、そう思っていましたよ。

種を明かせば、ライオンはインパラなどの草食獣を狩り、その際に一番最初に食べるのが小腸の部分。自分では草を消化できないライオンは、インパラの胃のなかで磨り潰され、体内酵素により分解された植物が詰まった小腸を食べて、栄養を取るのです。

著者の川島博士が、実際にアフリカのサバンナを訪れて、ライオンが狩りをしている場面を直接見て確認したそうです。

まだ生きているインパラの腹を引き裂き、数頭のライオンが最初にかぶり付いたのが、あの細長い小腸だったとか。草が詰まった部分を奪い合うように貪っているそうです。

肉食獣は草を食べないと思い込んでいると、案外見逃し勝ちなのでしょうね。この本には、他にも思い込みや、間違った認識からの栄養問題を分りやすく解説しています。

私が20年前、食事療法に悩んでいる時に見つけた本です。あまり書店には並んでいないようなので、図書館や古本屋などで探してみて下さい。一読の価値はあると思います。

コメント (4)
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