ヌマンタの書斎

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日本の聖域 「選択」編集部

2018-09-05 12:36:00 | 

権力は必ず堕落する。そして何時までも続く繁栄はない。

これは歴史を学べば当然の摂理として受け入れざるを得ない残酷な事実である。

普通、権力といえば政府であり、大企業であり、軍部など実際に世の中を動かす力を持っているものを指す。そして民主主義社会では報道機関もまた権力である。

そして、冒頭の警句のように、報道もまた堕落している。日本に関して云えば、新聞、TVの社会の木鐸としての機能は大きく低下している。

新聞やTVは、民主社会においては、政治権力を見張り、有権者である民衆に事実を伝える重要な役割をもっている。だからこそ、権威であり、権力である。

しかしながら、新聞・TVは事実を伝えることよりも、自らの政治信条(左派的な正義)に固執して、伝えるべきを報じず、ひどい場合は「従軍慰安婦」のようなねつ造すらやってのけた。

また企業の広告役に堕したり、官庁の広報役を任じていたりと、信頼に値する報道が少なくなってきた。新聞離れが進むのも当然というか、必然であろうかと思う。

そんな時代だからこそ、企業からの広告収入や、記者クラブに縛られない報道が求められた。その需要に応じたのが1975年に有料の宅配雑誌として創刊された「選択」であった。

書店では販売されない雑誌でありながら、その読者には霞が関の現役官僚、永田町の政治家などが少なからず居ることで知られていた。実際問題、「選択」に執筆している無記名の記者には、記者クラブに所属しながら書く訳にはいかない記事を、この「選択」に投稿することもよくあったという。

また大企業に勤める人からの密告や、現役官僚らしき人物からの投稿などもあったらしく、それだけに読み応えのある記事が多かった。かくいう私も一時期、購読していたこともある。

ただし現在は読んでいない。編集長の短期間での交替とか、関連会社がらみの妙な事件などがあり、その経営方針に不信感を抱いたからである。ただし、明確な証拠がある訳ではないので、私の勘違いの可能性もある。

似たような雑誌で「噂の真相」という奴があったが、こちらは反日自虐イデオロギーで汚染されていたので信頼性に大きく欠けていた。また「○○界」とかいう、これまた胡散臭い雑誌もあるが、こちらもどうも腐臭が感じ取れて不快なので私は読まない。

今のところ、私には「選択」に替わり得るメディアを見つけられずにいるのが残念でならない。

それでも過去には、相当に良質な記事が沢山あったのは確かだと思う。そんな雑誌「選択」で連載されていたコラムを単行本に集めたのが、表題の作品です。この書を読むと、大手の新聞、TVの報道が如何に恣意的で、怠惰で、かつ放漫であることが分かります。

いささか、一方的な主義主張が混在しているのは確かだと思いますが、それでも大手のマスコミが報じない、報じようとしない真実の一端を知りたいと思ったら、数少ない方策の一つだと思います。

コメント
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