ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

味覚の違い

2018-09-07 12:06:00 | 健康・病気・薬・食事

現在、日本に滞在しているシナ人は、100万人近いと云われている。

学生ビザで来日していたり、国際結婚による滞在であったり、また不法滞在もあるので正確な数は把握されていないが、労働力として働くなった日本人の代替を果たしていることは確かだ。

税務の世界では、給与から天引きされる源泉所得税の取り扱いが適正ならば、問題なしとされていたが、近年は海外に住む親族を扶養している場合の取り扱いなども整備されるようになった。

詳細は省かせてもらいますが、要は日本の民法の親族規定の範囲で、かつ税法の基準を満たしているのならば、扶養親族として認められるようになった。おかげで、簡単なはずの年末調整が、いささか煩雑になった。

なにが面唐セって、日本の民法で規定する6親等以内の血族、3親等以内の姻族に合致するかの判断が厄介だからだ。日本のように戸籍謄本を取れば済む話ではない。台湾と韓国以外は、国家が家族関係を証明する書面が存在しない。

だから、こちらで親族図を作成してあげなくてはならない。これが面倒なのだ。日本に住んでいるシナ人の協力はもちろん、本国の親族の協力も必要になるので、少々手間がかかる。

でも、この煩雑な手続きをすることで、税金が還付されるので、みなさん結構協力してくれる。また医療費控除などの手続きも代行してあげたりすると、ますます税金が安くなるので、喜ばれる。

必然的にシナ人との付き合いが増えるが、私は以前シナ人同士のトラブルに巻き込まれたことがあるので、付き合い方は少し臆病なくらい距離をとる。ただ、家族関係に踏み込むので、ある程度親しくなるのは避けられない。

先日のことだが、私の仕事とは無関係なことではあったが、役所がらみの申請書の書き方を助言してあげたことがあった。些細なことだが、日本の役所はその些細なことを気にするので、助言後に訂正した申請書が無事通ったようで、たいへん感謝された。

ちなみに無報酬であるが、先方が食事に招待したいというので行ってみることにした。実は少し気になっていた。その人は美味しいもん好きで、よく日本国内を旅行しており、有名店もかなり行ったらしいが、どうも日本の有名中華料理店が気に入らないようなのだ。

本場中国で腕を磨いた料理人も、日本に来れば日本人の嗜好に合わせた料理に変えることは当然である。そのことは承知しているようだが、やはり本場の中華料理こそ本物であると力説していた。さて、どんなお店であろうか。

連れていかれたのは、池袋の西口の裏通りにある某雑居ビルであった。金貸しとマッサージの看板はあったが、料理店の看板は出ていない。しかし、その方は迷うことなく、そのビルに入り、古臭いエレベーターでその店に連れて行ってくれた。

最初は雑貨屋さんかと思ったが、奥に食堂があり、そこが目的の中華料理店であった。入口の狭さに騙されたが、中は思ったよりも広い。20人くらいは入れそうだ。ちなみに厨房はその階にはなく、上の階の一室で作っているいるそうである。

出された料理は、羊料理であったが、私が初めて食べるものばかり。なかでも下ゆでした羊肉を焼いて、岩塩を削って振りかけただけのシンプルな料理は、その食感が異質で大いに驚かされた。後で訊いたら、料理する前に肉を叩いて、柔らかくしてから茹でで臭みをとり、それから高温で一気に焼き上げるそうだ。

それとは別に、羊の内臓を細かく刻んで味付けした小皿料理も気になった。けっこう貴重な部位を用いた料理だそうで、辛味の効いたスパイスが実に印象的であった。

私は羊肉といえば、ジンギスカンくらいしか思い浮かばないので、ある意味大変勉強になった。そして中華料理はかなり食べてきたと思っていたが、まだまだ奥深い世界なのだと良く分かった。ちなみに料理の名称は聞いたし、メニューも見せてもらったが、日本の漢字ではなく、シナで使われている北京漢語であったので、さっぱり分からなかった。

ただ正直言えば、印象的で記憶に残る味だとは思ったが、そう頻繁に食べたい味ではなかったように思う。でも、内モンゴルに近い北方から来たその方にとっては、これこそが真の中華料理なのだと力説していた。

これは一理ある。世界に冠たる中華料理であるが、今の中華料理の原型が完成したのはモンゴルの支配下においてである。それまでの中華料理に、騎馬民族であるモンゴル人の郷土料理の技法が加わり、煮る、焼く、蒸す、炒める、揚げるといった技法が完成したとされる。

その方が、私に羊料理を振る舞ってくれたのは、日本においては、未だ羊の本当の美味しい料理は普及していないとの思いがあるからだそうだ。ちなみにこの方、松阪牛は大好きで、但馬牛、神戸牛などは品種ごとにお気に入りの店がある大ファンである。寿しも刺身も食べる日本食通でもある。

日本に於いて、羊肉はまだ歴史が浅いので、その方の言う事も分からないではない。ただ、本場の味のままでは、多分日本で受け入れられる可能性は低いようにも思った。味覚というものは、その人の生き方や、育った環境の影響を強く受けるので、万人に共通する美味しさは難しい。

でも、売れるためなら味を変えることも平気なシナ人であるから、いずれ日本人が好むような羊料理を出してくれるだろうとも思っている。これはこれで楽しみですね。

コメント (2)
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