想像だけで判じてはいけないとは思う。でも、余計なことを考えてしまうことがある。
表題の作品は今年の9月で連載終了になったのだが、その原因がよく分からない。元々は隔週刊のヤングアニマル嵐に連載されていた。柔道に限らないが、運動する人間の重心を見抜くことが出来る少年が主人公。
ただし運動部の経験はなく、絵を描いていた文系少年である。従って筋力もなく、体力は貧困の一言。ところがデッサンを沢山してきたためか、人間の重心の位置を見抜く能力があるため、たまたまやる羽目になった柔道でその才能が見出された。
今までにない視点での柔道漫画であったので、私は連載当初からけっこう注目していた作品であった。その後、掲載誌が廃刊になったが、本家のヤングアニマル誌に掲載誌を変えて連載が続いていた。
つまり、それだけ編集部からも期待されていたと思う。だからこそ、突然の連載終了に驚くと同時に疑問が湧いた。なぜだろうか?
この作品、かなり硬派な作りである。読者を惹きつけるような女性キャラは一切出てこない。むしろ暑苦しいほどの格闘馬鹿ばかりが出てくる。当然に色っぽい場面など皆無。ヤングアニマル誌が青年誌であることを考えると、かなり突っ張っている。
突っ張っているのは作品ばかりではない。実はこの作者、人気漫画家のアシスタントを長く勤めていての独立なのだが、その間の残業代を求めてその某人気漫画家を訴えたとの噂があった。
この話は一年ほど前の噂話であったが、漫画家アシスタントの過酷な労働環境が話題になったほか、他の漫画家が無報酬の残業も勉強代だとの余計な差し出口を挟んだためか、わりと話題になった事件でもある。
既に人気作を何本も持ち、TV化や映画化の話まである人気漫画家と、駆け出しの新人漫画家の争いだけに正直分が悪いと思っていた。だが掲載誌の白泉社は、これまでも他で干された漫画家を取り上げるなど、けっこう気骨のある出版社だと思っていた。
だからこそ、今回の連載終了がひっかかる。
とはいえ、私には具体的な情報は何一つない。だから、これ以上の憶測で記事を書くことは止めようと思う。でも、出来たらこの作品、他で連載再開されたら嬉しい。続きが読みたいんだよね。