にゃんこ先生といえば、いなかっぺ大将だ。
そう思っていると、若者から「えっ!?」て顔をされる。今どきの若者にとって、にゃんこ先生といえば表題の漫画「夏目友人帳」の妖怪・斑(まだら)のことである。
本来は巨大な白い狼のような恐ろしげな妖怪なのだが、長い間招き猫の像に封印されていたので、少し頭でっかちの猫の姿をしている。元に戻ることも出来るのだが、ある約束のため主人公の護衛役を買って出ているため、傍に居やすいように猫の姿でいる。
元々は少女漫画であったのだが、恋愛ものではなく、伝奇漫画であったせいか、割と男性からの評価の高い作品でもある。私はこれを漫画ではなく、アニメのCS放送で観たのだが、当初は少女漫画であることにまったく気が付かなかった。
いわゆる伝奇ものであり、男女を問わず楽しめると思う。それにしても、妖怪とか霊を身近なものとし、時には敵対的に、場合によっては身近な親しきものとして捉えるのは、日本のような多神教の世界でないと無理だと思う。
現在、世界の宗教はキリスト教とイスラム教という一神教が大半を占めており、多神教は東南アジアと南米の奥地に細々と残っているだけだ。シナでは道教の影響が強く、儒教はいささか微妙。でもインドのヒンドゥー教もまた多神教であるが、やはり世界的には少数派である。
別に一神教を蔑む気持ちはないけど、神様は沢山いたほうが良いように思う。種の多様性ではないが、神様も妖怪も霊も、多種多様であったほうが世界にゆとりが生まれるように思えてならない。
これだけ複雑な世の中である。一つで染め上げるよりも、いろんな色があるほうが楽しいと思うなァ。