長年、漫画を読み続けてきたので、これは売れる、これはダメだとの予測はかなり当たる。
でも、外れることもけっこうある。その代表が表題の作品だ。
数年前に、週刊少年ジャンプ誌で連載が始まったのだが、当初から売れ線を狙った感があって、少し反感が湧いたほどであった。物語の大筋は、なんの才能(個性)もないが、それでもヒーローに憧れる少年が、伝説のヒーローから能力の伝授を受けて夢を実現していくという、まさに鉄板の売れ線シナリオである。
ただ、絵柄が子供向け過ぎて、大人の私には抵抗感があった。なので、私はいつも流し読み程度で、決して熱心な読者ではない。おそらくだけど、あまり大人のファンは多くないと思う。
逆に云えば、子供ウケする絵柄ではあったようで、小学生から中学生くらいまでの男子には、結構人気があったようだ。ある意味、ピンポイントでの売れ線であるから、そのことに文句はない。
ただ、大人にも人気の「ONE PIECE」や「NARUTO」のような世界的な人気作品にはならないと思っていた。だからこそ、この夏のアメリカでの映画版の大ヒットには驚いた。
アメリカにおけるアニメ映画は、ほぼディズニーやピクサーが独占的な存在である。世界中にファンが居る日本のアニメと云えども、映画館での興行成績はあまり芳しくない。
ところが、表題のアニメ映画「二人のヒーロー」は、わずか3週で興行収入5700万ドル(6億4千万円)の大ヒットであった。過去のポケモン映画などと比べても記録破りの大ヒットとなった。
正直ビックリである。多分、如何にも白人的容貌のオールマイト(主人公の師匠)もさることながら、平凡で強そうには見えない主人公のヒーローへの憧れと、そのための努力などがアメリカの子供たちにも受け入れられたのではないかと思う。
いやはや、本当に驚いた。どうも私は見損なっていたようだ。冬休みにでも漫画喫茶で一気読みしようかと思っています。