大人になって知ったのだが、洋食って日本独自の料理だったこと。
だからナポリタンはイタリア料理ではないし、オムライスに首を傾げる欧米人は当たり前である。今や日本の国民食に近いカレーだって本場インドのものとは別個の料理である。
中華料理でさえ日本独自に変えてしまう。天津飯も麻婆ライスも日本で生まれたし、エビチリでさえ日本発祥だそうだ。もっとも、これらは日本の風土、嗜好に合わせてシナ人が改良したものが大半なのが実態である。
ただ、フレンチもイタリアンも、そして中華でさえも日本は独自に発展させてしまい、本国のそれを上回ると評されることも珍しくない。そんな日本で育った著者だが、イタリアで30年余りを過ごしてきたにもかかわらず、堂々パスタは嫌いだと言う。
貧乏暮らしが長かったので、パスタは貧者の食事だとの思いが強いそうだ。でも決してイタリア料理が不味い訳ではなく、他にも美味しい料理が沢山あると主張する。
イタリアだけでなく、ポルトガルやアメリカなど世界各地で暮らしたボヘミアンな方なので、日本人の固定概念の頑固さに苛立つのだろう。この方、決してグルメだとは思わないけど、食事を人生の楽しみだと知っている方なので、なかなかに説得力がある。
ここ十年以上、海外旅行には行ってないというか、事務所の運営に必死で行けない。そのせいだと思うが、銀座新橋界隈のヴェトナム料理、インドンシア料理、ルーマニア料理店などにしばしば足を運んでいる。
少し足を延ばせば神保町のロシア料理、新宿のタイ料理、フィリピン料理、大久保の韓国料理とけっこう多国籍な料理が楽しめる。初めて行った店で、お薦めの料理を食すのも結構楽しいものです。
でも、やっぱり料理ってその国の気候風土に合わせて発展したもの。仕事に余裕が出来たら、また気軽に海外に行ってみたいものです。