本音を隠しているようで、私には気持ち悪くて仕方ない。
なにがって、脱炭素社会である。
以下、私の偏見と悪意に基づく文なので、割り引いて読んでください。
現代の文明が、18世紀のイギリスの産業革命に端を発し、フランスで花開いた民主主義と自由と平等な社会を基盤に世界に広まったものであることは確かでしょう。
ヨーロッパの人々には、自分たちこそが文明を牽引してきたのだとの強力な自負があります。文明の中心はその後新大陸で発展した旧植民地であったアメリカに引き継がれましたが、これはまあ容認できる。
しかし許しがたかったのは、1970年代の産油国の反乱、すなわちオイル・ショックでした。主導権を奪われたとの屈辱の思いは、なかなかに拭いきれるものではありません。
それでも、どうにか産油国を市場経済にはめ込み、西欧主体の経済体制に組み直すことが出来ましたが、次なる脅威はその原油自体の枯渇問題です。
現代文明は鉄と石油の文明です。特に石油は他に代替が効かないほどに利便性の高い必需品です。ただ、有限である地下資源であることは分かっていました。天然ガスや石炭はまだありますが、石油の代替としては力不足。
やはり原子力(これも西欧が主導している)と電気により、社会を動かす体制の構築が必要となる。もちろん、それを主導するのは欧米であることは言うまでもない。
だが世界が従わざるを得ない看板が必要だ。あった!それが「地球温暖化」である。
石油を燃やすことで大気中の二酸化炭素が増加し、それが地球の大気温度を上げる。これを強く世界にアピールして、21世紀の世界を主導するのは、やはり西欧であることを世界に印象づけねばならない。
ガソリン車は全廃だ。全ての車は電気駆動のみ。これに従わない国は、世界の敵である。
かくしてCOP26なる国際会議は走り出した。
あァ、胡散臭い。ガソリン車を生産しているアメリカ、ドイツ、日本は批准しなかった。中国も不思議と批准していない。が、直後アメリカと口先だけの環境宣言を打ち出して済ませている。
批准した国の内、ガソリン車を大量に製造販売している韓国は、協定に調印したけど守る気がない。まァこの半島国家は昔から条約とか約束事を平然と反故にすることで悪名高いから確信犯だろう。
ちなみに日本は西欧の底意地の悪さに気が付いているので、お得意の曖昧な解釈で見かけ上、ガソリン車全廃に前向きな姿勢だけみせて、協定に批准はしない姑息な戦術をとっている。
断言しますけど、このCOP26は決して成功しないでしょう。本音を押し隠して物事を自分に有利なように進める西欧の悪癖が、その失敗の根本にあることを認識すべきです。
ちなみに、少し前の地球温暖化防止会議の成果である「排出権売買」は、無様なくらいに失敗しています。なぜかマスコミ様は報道していませんけどね。
最後に一言、地球温暖化の真の原因は未だ解明されておりません。二酸化炭素に温暖化を促進する効果があるのは確かですが、どのくらいが海中に溶けるのかも不明だし、二酸化炭素以上の温室効果ガスであるメタン、水蒸気に関する複合的な研究も途上です。
かくもあやふやな地球温暖化防止騒ぎですが、欧米が現代文明の主導的役割に固執しているので、表向き逆らうのは賢明ではありません。面従腹背の姿勢で対応するのが、現時点ではベストですね。
ただ原油の枯渇はかなり迫ってきているはずなので、トヨタの社長が言う様にガソリン以外で動くエンジンへの転換への研究は推し進めるべきでしょう。