ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

平成の怪物

2021-12-14 13:10:00 | スポーツ
今年、平成の怪物と呼ばれた松坂大輔が引退した。

高校生の頃から抜きん出た実績を残しているし、それはプロ入りしてからも変わらない。メジャーでも活躍し、日本に戻ってきてからは並以下の投手になっていたが、それでも全盛期の松坂は凄かった。

ただ私の印象は、良く打たれる投手であり、手抜きが並以上の速球になる投手であった。

良く打たれるのは、強打者に対して逃げず、真っ向勝負をしたがるからだ。インタビューなどでは否定していたが、ホームランバッター相手に直球勝負を挑み、それを楽しむようなところがあったのは確かだと思う。

またクリーンナップ以外の打者に対しては、7割程度の力で投げていたと思う。ただし、追い詰められると、いきなり全力を出せる人で、それが緩急の差となって打者を困惑させていた。

意外かもしれないが、松坂は速球派ではなく、技巧派に近かったと思う。というのは、速球のコントロールはあまり良くなかったからだ。その反面、変化球の使い方が上手いだけでなく、力のある変化球を投げられる投手でもあった。たしか野村監督も似たようなことを言っていたから、私の勘違いではないと思う。

更に言ってしまうと、心臓に毛が生えているかのようなメンタルの強い投手であったと思う。だから大舞台に強かったし、逆になんでもないところで打たれたりもしていた。

やはり怪物と呼ばれた江川卓と比べると、速球ならば江川、変化球ならば松坂だと思う。どちらも生で見ているが、共通するのは手抜きの部分。試合中、大半の投球は手抜きというか、7割程度の力で投げていた。そして追い詰められると全力投球に変わる。

いつでも全力疾走の青春野球である甲子園のヒーローでありながら練習嫌い。それでいて大勝負ではここ一番の力を発揮する点でも、この二人は似ていたように思うのです。

だから記録よりも記憶に残るピッチャーでした。なんでもないデイゲームで負け投手になることも多々ありましたが、大舞台でマウンドに立ちはだかる松坂の姿は恰好良かったです。

長い間、お疲れ様でした。
コメント
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